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2017年08月22日

接頭辞の迷宮二(八月十九日)



 二番目に取り上げるのは何にしようかと考えて、「při」に似ているから「pře」にすることにした。

 「předat」は、物を手渡すときに使い、「přejít」は道を横切って反対側にわたるときに使う。この二つの例から考えると、「pře」の追加する意味は、一つの側から反対側への移動であるように思われる。「předat」だって、物が渡す側から渡される側へと移動するのだから。
 しかし、「překročit」が境界を越えていくという意味で、「přeskočit」が飛び越えるという意味であることを考えると、ただ反対側に移動するというのではなく、間にあるものを越えて反対側に行くと考えたほうがいいかもしれない。
 確かに「přejít」は橋を渡るときにも使えるが、橋を渡ることによって川を越えているし、スポーツの試合などで使われる「přestřelit」は、シュートがゴールの上を越えていく場合に使われる。「翻訳する」という意味の「přeložit」は、言語の壁を越えて一つの言葉からもう一つの言葉に訳すと考えればよさそうだ。ちょっと悩むのが「最後まで読む」という意味の「přečíst」なのだが、読むことで本の内容を越えて表紙から裏表紙に到達すると考えればいいのかな。

 この意味での接頭辞としての「pře」は、名刺にもつけられることがあり、「přechod」は道を渡るための横断歩道、「přejezd」は線路を越えていく踏み切りと言うことになる。ただこの二つの言葉は、名詞に接頭辞をつけたものなのか、接頭辞のついた動詞が名詞化したものなのか、チェコ人ならぬ身には判然としないのだけど。

 さて「pře」が「越える」という意味を付け加えるのなら、前置詞「přes」との関連が見えてくる。この前置詞は、「〜を越えて/超えて」とか、「〜越しに」なんて意味を持つわけだが、限界を超える、つまりやりすぎてしまうときにも、この接頭辞が使われる。「přejíst se(=食べ過ぎる)」、「přepít se(=飲みすぎる)」なんていうのはわかりやすいだろう。「se」がつく理由はわからんけどさ。

 同じように、美しいという意味の形容詞「krásný」につけて、「とても美しい/美しすぎる」という意味の「překrásný」ができるという話を聞いたときには、古すぎるという意味で「přestarý」も仕えるんじゃないかと思いついたが、師匠によれば「prastarý」を使うのだという。他にもいろいろな形容詞に付けてみたけど、あんまり実用的なものはなかった。
 ただし、動詞を起源とする形容詞なら、「přeplněný(=込みすぎている)」、「překombinovaný(=組み合わせが複雑すぎる)」、「 přepracovaný(=働きすぎて疲れている)」などなどいろいろな例が挙げられる。他動詞、もしくは使役の意味を持つ動詞から受身形を経て形容詞が作られるというのも、

 ここで問題になるのが、「pře」の持つもう一つの意味である。例えば、「přepracovat」は「se」をつけて働きすぎるという意味になるが、「přepracovat」だけで作り直すという意味でも使える。つまり、「もう一度やり直す」という意味があるのである。これと「越える」という意味の関連性が見出せていないのだけど、現在の状況を越えるためにやり直すということだろうか。いかんせん、ここまでくると、こじつけ過ぎろいう感じが否めない。この意味で使う例としては、他にも「přepsat(=書き直す/書き写す)」や、「přestavět(=建て替える/改築する)」あたりが挙げられる。

 最後に最大の問題となる「přestat」を挙げておく。これは今までしていたことを「やめる」という意味で使われるのだが、これと「越える」「もう一度やり直す」という接頭辞「pře」のつく動詞にある程度共通する追加された意味との関連が全く見えない。これだけ特別なものとしてカテゴリーすればいいといえばその通りなのだけど、なんだか悔しいので、今後も折を見て何かいい解釈がないか考えていきたい。そんなことしてもチェコ語はちっとも上手にはならないと思うんだけどね。
8月20日19時。






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