2020年11月18日
代名詞〈いんちきチェコ語講座〉(十一月十五日)
またまた間が開いてしまったけれども、チェコ語の記事のまとめ。今回は代名詞について書いたものである。格変化が中心だけど一部具体的な使い方について書いたものもある。
@「人称代名詞の格変化一人称」
人称代名詞の一人称なんてややこしいことを書いているが、単数の「já(私)」と複数の「my(私たち)」の格変化である。「já」の格変化には、個々の形はともかく男性名詞活動体の格変化と共通性が感じられるとか、2格、3格、4格には短形と長形という二つの形があって、3格では使い分けを意識しなければならないことなどを説明した。同じ「ムニェ」でも「mě」と「mně」の二つの形があるし。複数の「my」のほうは、それほど厄介なことはない。覚えておいたほうがいいのは、2格、4格と6格が同じ形になることである。6格は3格と共通というのが多いのだけどね。
A「人称代名詞の格変化二人称」
こちらは単数の「ty」と複数の「vy」。単数のほうが、2格、3格、4格には短形と長形という二つの形があって厄介だというのは、一人称の場合と同じ。複数のほうは、単数と最初の文字が違うだけで後はまったく同じだから、覚えやすい。
B「人称代名詞の格変化三人称」
人称代名詞の中で一番厄介なのは。三人称の単数である。一人称、二人称が、男性女性の区別が不要なのに対して、三人称は、特に単数は、男性女性に加えて中性形まで覚えなければならない。幸いなのは、男性と中性の格変化は共通点が多いことである。また前置詞をつけると、変化形の前に「ň」をつけるのだが、語頭の「j」が消えるとか、ハーチェクの位置が移動するとか、慣れるまでは厄介なことが多い。複数は三性共通の形が多いので単数より楽というのは一人称、二人称と同じ。
C「指示代名詞tenの格変化」
代名詞というよりも連帯して気に使うことのほうが多い「ten」の格変化は、男性と中性では人称代名詞の三人称の格変化にほぼ準拠している。違いは男性形に活動体と不活動体の区別があることで、単数の4格、複数の1格で気をつけなければならない。女性は、単数では形容詞硬変化の女性形との共通点が多い。違いは1格と4格で長母音が短母音になるだけ。複数は人称代名詞の三人称同様、三性共通が多いので楽。
D「ややこしいToの話」
では、指示代名詞をどう使うのが正しいのか、というよりは、自分が何を意識して人称代名詞の三人称と指示代名詞を使い分けているかの説明。指示代名詞の三人称単数である「to」の使い方の説明の前提の部分である。
E「ややこしいToの話続」
「to」だけの特別な使い方で、主語と述語の性と数の一致を覚えた後に、よく考えると変に思えてくるものについて説明をした。何か納得いかないけれども仕方がないのである。
F「ややこしいToの話続続」
こちらはややこしいというよりも、使えると便利な「to」を使った表現の説明。中性の「to」を動詞や前置詞に合わせて、必要な格にして、その後ろに「, že」をつけて具体的な内容を示すという用法である。
G「再帰代名詞の格変化」
1格の存在しない特殊な代名詞、いわゆる再帰代名詞の格変化である。変化自体は、一部の例外を除いて二人称単数の人称代名詞「ty」と同じなので、覚えるべきことは少ない。最後にちょっとだけ使い方についても説明してある。
H「再帰代名詞の使い方3格短形」
具体的な再帰代名詞の使い方のうち、3格の短形「si」の使い方である。日本人にはわかりにくい3格の使い方の中でも、特にわかりにくいのが「si」なので、どのように使うかよりも、どのように理解して、いや折り合いをつけて使うか説明した。
I「再帰代名詞の使い方4格短形」
続いて4格の短形「se」の使い方。これも使えるようになるための解釈の仕方が中心になってしまった。「se」を使った受身形、いわゆる再起受身については、ここでは説明していない。
J「もう一つの受身」
いわゆる再起受身の説明である。他動詞を「se」と共に使って、受身の意味を表すものについて、よくわからない部分も含めて、説明した。
K「再帰代名詞の使い方最終回」
3格と4格の短形以外の使い方。特に前置詞と共に使う場合を、用例を挙げて説明した。個人的には末尾の「セボウする」の部分が一番大切なのだけど、なかなか普及してくれない。
L「所有代名詞1」
代名詞の所有を表す形である。これは後に来る名詞の性と数、それに文中で使われる格にあわせてて形を変えなければならないという点で、形容詞と似ているが、格変化自体も活用語尾は形容詞と共通のものが多いので覚えやすい。ここでは、所有形容詞のうち、格変化の共通な「můj(私の)」「tvůj(お前の)」「svůj(自分の)」を取り上げた。
M「所有代名詞2」
まずは、変化の共通な「náš(私たちの)」「váš(君たちの)」。この二つも男性と中性がほぼ同じで、形容詞硬変化と共通の語尾をとる核が多い。女性の単数は、三人称の女性を指す人称代名詞の「ona」と似た格変化をする。複数は三性共通の形が多く形容詞の軟変化の複数変化に似ている。最後に三人称の所有形容詞だが、格変化があるのは「její(彼女の)」だけで、形容詞の軟変化と全く同じ。残りの男性、中性共通の「jeho」、複数の「jejich」は例外的に格変化しない言葉である。
N「チェコ語の疑問詞1」
最後に、疑問詞のうち、代名詞的に格変化をする「co(何)」、「kdo(誰)」を取り上げた回もここに加えておく。この二つの言葉の格変化は、チェコ語でチェコ語を勉強する際には重要なので早めに覚えておくことを勧める。
以上が、代名詞について書き散らしてきたものの一覧になる。もちろん代名詞を使う際には、語順も重要な役割を果たすが、語順についてはまた別にまとめることにする。
2020年11月15日22時30分。
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