2019年01月15日
ややこしいToの話続続(正月十三日)
前回は、細かいことを考えずに使えるという意味では便利だけど、文法的な正しさを意識して使おうとすると覿面ややこしくなってしまう「to」の厄介な面について説明したが、今回は「to」の使いやすい面について取り上げよう。とはいっても単純な文にはならないので、初級者向けというよりは、中上級者向けなのだけど。
「to」の後に「že」をつけて文をつなげることで、「〜(という)こと」という連体修飾節が作れるのである。いくつか例を挙げれば、
Problém je to, že nemám peníze.
問題はお金がないことです。
Vadí mi to, že se musím vstávat brzo ráno.
朝早く起きなければならないのが気に入らない。
過去にすると前者はまたちょっと悩むのだけど、こうかなあ。
Problémem bylo to, že nemám peníze.
Vadilo mi to, že se musím vstávat brzo ráno.
それから、こんな一見複雑な文もチェコ語にできてしまう。
To, že umíte česky, neznamená to, že můžete pracovat jako tlumočník.
チェコ語ができるということは、通訳として働けるという意味ではない。
ワードの校正機能で緑色の波線が引かれているから、自然なチェコ語というわけではないのだろうけど、言いたいことはわかってもらえるはずである。
使うのは1格でなくてもよくて、
2格
Kromě toho, že umím česky, jsem normální Japonec.
チェコ語ができること以外は、私は普通の日本人です。
4格
Jsem hrdý na to, že neumím anglicky.
私は英語ができないことが誇りです。
7格
Olomouc je známá tím, že je tam hodně kostelů.
オロモウツは教会がたくさんあることで有名です。
また「že」以外で受けることもできて、
6格
Diskutovali jsme o tom, kam půjdeme na pivo.
どこにビールを飲みに行くかについて議論した。
4格
Jde nám o to, jak vyřešíme tento problém.
この問題をどう解決するかを問題にしているのです。
といった具合なのだが、こういうのが使えるようになると、チェコ語ができるようになった気がして、ついつい濫用してしまうのが問題である。その結果、日本語で書く場合と同じように、長々と続く文を作ってしまって、後で読み返して自分でも何が書きたかったのかわからんという事態を引き起こしてしまう。最近はマシになったと思うのだけど、サマースクールの作文でも無駄に長い文作ってたからなあ。
ということで、まだ書くべきことはあるかもしれないけど、「to」についてはこのぐらいにしておこう。
2019年1月13日23時30分。
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