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2016年06月01日

母と歩いた散歩道、汗と共にこぼれる涙

想い出の道


母と2人きりで散歩したのはあの時が初めてでした。
趣味のランニングに出掛けた先に、母の姿がありました。
昨年の秋、母はまだ会社に通勤することが出来ていた時期でした。
体力・筋力共に落ちていることに危機感を感じていた母は、
自転車の感を取り戻そうとリハビリがてら、散歩をしていた。

その後ろ姿は、元気だったころの母とは決して重ならない。
服を着こんでも痩せてしまった体のラインはわかる。
歩く速さに関しては全くの別人・・・。
抗がん剤治療の影響が大きい。

ランニング中に母と会うことは全くと言っていいほどなかったが、
この日は珍しく私の前を歩いていた。
土手の途中に車が2台ほどおけそうなスペースがあり、
そこに自転車を停車させて、そこから徒歩に切り替えていた。

後ろから近づいて声を掛けたがそれほど驚くこともしなかった。
走り始めて数百メートルでしたが、私も徒歩に切り替えて母と並んで
歩き始めた・・・。

寒くもなく、温かくもなく、歩いたり走ったりするには心地よい季節。
晴天ではなく、曇りでしたが、それがかえって心地よかった。

会話の内容は殆ど覚えていないが、どうでもよい話をたくさんした。
土手から見える食堂に「500円」の旗がなびいていた。

「あそこの店気になるね」という母に
「俺も前から気になっていたんだけど、一度も行っていないんだ」
と返事すると、「今度行きたいね」となり・・・
「みんなで行こうよ」と話したことは忘れません。
約束倒れににしてしまったことも忘れません。

帰り道で自転車を手押ししながら、母との話は止まない。
ふいに、「こうして2人で散歩するなんて初めてじゃないかな!?」
というと、「そうだね・・・」と母。

何気に歩いたほんのひと時が、忘れられない思いでの1つとなりました。

週に1〜2度の休日ランニングで、その道を通ると必ず思い出します。
涙が出ても、汗にまぎれてわからないとは思いますが、
やはり客観的にみると恥ずかしい・・・。
ですので、たまに違うコースにすることもあります。

絶対に忘れられない道・・・そこに母はいない。


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緊急入院した母が,非小細胞肺がん(腺癌)「ステージ4」を宣告され、1年後に他界・・・母の闘病中の記録や、がんに関することを中心に記事にしているブログです。
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