癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

飲み会帰りの独り歩きは

昔から慣れてはいるものの

歩く場所によっては恐怖感を覚える。

物心ついてから

俗に幽霊と言われるものに遭遇したこと

はなく、見たこともない。

今回も勿論何も見てはいない。

あの音以外は何も…

いつもの歩き慣れた道

とあるT字路に差し掛かろうとしたときに

それは聞こえた！

ｼｨ〜…………ｶﾁｯ…………ｶﾁｯ………
ｼｨ〜…………ｶﾁｯ…………ｶﾁｯ………

規則正しいリズムのようで

そうではなく…機械音のようで

そうではもない

そこには自動販売機があったので

それが変な音を出していた可能性は大

恐怖に怯えていたせいか

その音は販売機側の側溝から聞こえている

そう感じた。

音の出所、音の反響のしかた、

そしてこの世のものとは思えない

何とも例えようの無さそうな音

大きな氷の塊が溶け始めた時に出る音

そんなイメージ…

販売機の異音がそのような

怖い音響のように聴こえたのだと思うが

とてもとても怖かった。