癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

20年前の今日
母が流した泪を忘れることはない

結婚式を翌日に控えた息子を前に
感極まった母が泪したのである

言葉はなかった
顔を伏せていたので表情も解らなかった
ただ
泪していることだけが伝わった

あれから20年
このような結果を予測することはなかった
当時はまだ父も脳梗塞を発症しておらず
表向きには元気な両親だった
父が歩いていた日が懐かしい
母が料理している姿が懐かしい

そのどちらもがこの世を去ってしまった
もう思い出話をすることも出来ないのだ
・・・20年

私も20年後には65歳になっている
その時にこの日のことを想い出すだろうか
・・・わからない・・・

あの時の母も
他界する時の母も
「同じ母」というくくりの中に収まっている
時が経てば経つほどに
思い出す母の映像は若い方の母に統一されつつある

これは無意識的に都合の良い方を選択しているに違いない
そうでなければあの世に居る母が意図的にそうなるように
私の脳を操作しているに違いない（笑）


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