癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

これは不思議な体験でもなんでもない

他人空似には程遠い出来事だが

母の事を想い出すには

条件が揃い過ぎていた

今日、用事で街中に車を走らせた時の出来事

信号待ちで車を停めた私の視界に

ある一人の自転車を漕ぐ女性が視界に入った

サンバイザーハット

薄ピンクのワイシャツ

黒いパンツ

その着こなし方が母と重なった

後姿を見ても母とは似ても似つかないシルエット

しかし

身につけているパーツや色合いのチョイスが

母を想い出させてくれた

母が生きていた頃

あのようにして自転車を漕ぐ姿を幾度となく見かけた

母が生きていれば

今もああして自転車を漕いでいただろうか・・・

思わず母を探してしまいたくなる衝動に駆られた

全然母に似ていない人を

ずっとずっと目で追っていた

信号が青に変わるのに気付けないくらいに集中していた


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