癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

病室のベッドの上に居る父の寝顔を見た。

更に痩せこけてしまった父の顔。

それを見た瞬間に、胸を「ドスン」と打たれるような衝撃。

そうなることはわかっていた、予想は出来ていたのだが、

現実は辛い。

頬骨の出方が一番目立った。

病室に入った時、父が寝ていて・・・正直安心した。

顔を合わせれば、父は色々な要求をしてくる。

その要求のすべてに応えることが出来ないのが

とてもとても辛い。

本当に辛いのは父だということが分かっているから

尚の事辛い。

今日、父の寝顔を見ることが出来たことは良かったが、

父は私が病室に来たことを知らない。

父の寂しさを考えると、胸が締め付けられる。

あの病室で・・・患者は3人。

父の病室は、基本「面会謝絶」。

看護師さんのいるナースステーションと隣接している部屋で、

ガラス窓一枚隔てた向こうには、常にナースがいる。

テレビもない、ベッドと医療器具以外は何もない部屋。

父は一日中そこに居る。

寝ても覚めても、変わらない風景。

身体も痩せてしまったが、心も痩せてしまったであろう・・・。

食べることも、飲むことも許されず、

起き上がることも、トイレに座ることもさせてもらえない。

僅か一ヶ月少々の間に、誤嚥性肺炎を二回も・・・。

その一ヶ月で、いろんなことががらりと変わってしまった。

父の入院はまだ続く。

施設に戻れるのは、いつになるのだろう・・・。


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