癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

想い出とは一体何だろう。
脳内に記憶された記憶には
カラー映像で音声も付いている。

ハッキリと想い出せる記憶は再生もスムーズだが、
そうでない記憶は途切れ途切れで
自分で修正してしまったものもあるだろう。

ただ、その記憶を思い出している時ってとても不思議だ。
ハッキリした記憶であればあるほど、
タイムスリップしているかのような感覚になる。

そこに居る母に話しかけたら返事をしてくれるような・・・。
時の扉を開けて、そこからあの頃の母を眺めているような感覚。

目を閉じていれば、ずっと母を見ていられる。
あの時の会話、母の声、母の表情、
残念ながら、母の動画は数少ない。

意識して沢山の動画を残しておけばよかった、
とも思う。

なんだかんだで過ごしてきた2年、
母の温もりを懐かしみつつ、追い求め続けている。
この世にいない人への想いは、強まる一方である。

心の中にも、脳裏にも、母は居る。
だが、それはいずれも過去の母でしかない。

どうしても、今の母と接したい・・・。
その叶わぬ感情が、想いを強くしてしまう。


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