癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

後輩の母親が他界した。

後輩と言っても、年齢は一回り以上離れている。

御年50代半ばでこの世を去ることになった。

死因は「病死」・・・癌・・・だそうだ。

自分も母親を癌で亡くしたから

後輩の気持ちを少しくらいはわかってあげられると思う。

でも後輩はまだ30代前半・・・私が母を亡くしたのは41歳。

この約10年の差は大きい。


後輩の母親が、何の癌に蝕まれていたのか、

それはいつからだったのか・・・本人は知っていたのだろうか・・・

治療はしていたのだろうか・・・

それとも発見された時期が遅すぎたのだろうか・・・。

無くなる1か月前までは元気そうに働いている姿が確認されている。

突然の出来事だったのだろうか・・・。

何も・・・何も聞けなかった。

何も聞きたくなかったという方が適しているかもしれない。


癌だった・・・そう聞いただけで胸が締め付けられる・・・。

通夜の参列で、憔悴しきっている後輩の顔を見た。

あの時の自分も、このように憔悴していたんだろう・・・きっと・・。

何を聞いたところで、後輩の母親は戻っては来ない。

これから、何日もかけて、後輩は母親がいなくなった事実を突きつけられる。

逢えそうで逢えない、不思議な感覚も感じることだろう。

あの場所に、あの部屋に行けば、母がいるはずだ・・・

笑顔で、そして自分の名前を呼んでくれる母がそこにいるはず・・・

そんな不思議な感覚に包まれながら、時と共に慣れていく。

母がいないという状況に慣れていく。


・・・やがて、母の姿は見えないが、母を感じることはできるようになる。

それが悲しくもあり、温かくもある。

私が今いるステージはそんなところだ。

ステージにはまだまだ続きがある。

私はそれを噛み締めつつ、楽しみに生きている。

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