癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

健気
心がけや態度がしっかりしているさま。現代では特に、幼く力の弱い者が、困難な状況で立派に振る舞うさまにいう。 「病弱な両親を助けて働く−な子供たち」（コトバンクより抜粋）

施設に母親を預けている定年過ぎの健気な息子さんのお話。

毎日？！訪問されているのではないか・・・？！
それくらいに頻繁に足を運ばれている健気な息子さんがいる。

お昼時になると、自転車でやってきて
母親に食事の介助のお世話をしている。
施設側としても大変助かる行為だと思う。
なにせ、食事や入浴、排せつなどの時間は
一大イベントとでも言いましょうか・・・

瞬間的に人手の絶対値が足りなくなる時間帯。
食事を独りでとるのが困難な入所者さんは数多い。
勝手に動き回る入所者さんも多い。

その健気な息子さんが、どれだけ母親のことを想っているのか
想像がつく。
事情は知らない・・・でも、心の色は行動に現れる。
ああして面倒を看てくれる家族がいる・・・
入所しているが、あの母親は幸せだ・・・と勝手に感じる。

でも、きっと、あの健気な息子さんはそうは思っていない。
子供はいつまで経っても子供なのだ。

私の母が生きていた時に比べると、父親への面会時間は格段に減った。
母がいたからこそ・・・母の為に・・・限られた夫婦の時間の為に・・・
そう言った明確な目的があったからこそ、行動を起こせた。
持続することも出来た。
今では週に一度の面会で、自宅にもしばらく連れ帰っていない。

父を自宅に連れて帰ることが、
当時の自分にできる親孝行の一つと考えていた。
その親孝行の対象は、父ではなく、母中心だった。

息子だから・・・？！
母親に対する想いは父親へのそれとは一味も二味も違う。

父親の面倒を看るより、母親の面倒を看たい。
半分以上は無い物ねだりの症状なのだろう・・・。
面倒を看る方も、看られる方も辛い。

毎日のように母親に顔を出しているその健気な息子さんのことが
最近とても偉大な人に見えてきた。

自分には到底成し得ないと思われることを
やり続けていることに・・・。

健気な息子さんは、なんて母親想いなのだろう・・・と・・・
そのご家族の苦悩も知らずに・・・そんなことを想った・・・。

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