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2017年01月08日

頭部放射線治療で母が得たものと失ったもの





後にも先にも、母が受けた治療で
一番怖かったのは放射線治療だったと
生前の母は言っていました。

脳腫瘍摘出手術と、頭部放射線治療と、抗がん剤治療、
癌の三大治療すべてをこなした母だからこそ
その言葉には重みがあった。

実際、母が副作用で一番苦しめられたのも
放射線治療だった。

癌と言うものは、発生部位だけに留まっていてさえくれれば
進行速度にもよるが何とかなる可能性が高い。

・・・転移さえしなければ・・・
私がそう思ったのだ・・・
母はその何百倍思っただろう・・・。

放射線治療を受けなければ・・・と二択を迫られた。
受けても受けなくても母の癌は無くならない
ということは知らされていた。
余命の問題だけだった。

母は考えに考え抜いたのか、それとも流れに任せたのか
今となってはわからない。
あの当時はわかっていたつもりでも、
こうして時間が経つとわからなくなることもある。

とにかく母は放射線治療を受けた。
10日間掛けた母の孤独な闘いでもあった。
本当に怖かった・・・母の言葉は今も消えない。

母が放射線治療を受けた恩恵としては
その後10か月、母がこの世を去るまでの間
脳内に癌が再発することはなかった。

それ以外の事は、今になっても浮かばない。
失ったものが大きすぎて・・・

母はまず、頭髪を失い
それと並行して耳鳴りと吐き気と脳の違和感
口内と歯の異変、食欲の低下・・・等々、
負の影響が多すぎた。

その後も母は記憶力が低下するという自覚症状と
耳鳴り、頭がボーっとするなどが影響してか
考えるなどして脳を使うことが苦手ともなった。

得られたものの実感が薄いだけに
どうしても失ったものの方へ天秤が傾いてしまう。


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緊急入院した母が,非小細胞肺がん(腺癌)「ステージ4」を宣告され、1年後に他界・・・母の闘病中の記録や、がんに関することを中心に記事にしているブログです。
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