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2021年07月22日

熱中症アラート

職員会議中に一斉にアラートが鳴り響いた。
「地震か?」
と皆が思ったが、違った。
地域に「土砂災害警戒レベル4」が発令されたのである。

外は晴れている。
レーダーアメダスを見ると、ほんの狭い地域で豪雨になっているらしい。
「全員避難」というアラート-だが、雲もなく晴れていれば、誰も動くまい。

この時期、ゲリラ豪雨が発生する。
どこで発生するかは、なかなか予想が立たない。
発生後は、雨雲の動きである程度は予想できるが、それまではなかなか難しいようである。

一方で、熱中症警戒アラートも発令されている。

屋外の運動は禁止なのだろうが、そんなこと関係なく大会などは行われる。
コロナ禍でマスク着用などと、さらに危険な状況にも陥っているのが現状だ。

今日は、職員会議中にも関わらず部活が行われていた。
だが、そんな中でもほぼ全員の先生
が、職員室にいた。
「こんなとき、熱中症で倒れた生徒が出たらどうするのだろう…」、と思っていたら、若手の体育科の先生が、ちゃんと見回りをしてくれていた。

涼しい職員室の中で、「どうやったら成績向上させられるか…」、などと議論している間に、生徒たちは、体育館やグランドで汗を流す。

学期末とは言え、さすがに4時間も会議をしては駄目だ。

私は、「すいません」、と心の中で呟いて、部活の引率。
すでにグランドまでの5qを走って行った生徒もたくさんいた。

彼等は熱中症で倒れるほどヤワではないが、職員会議を抜け出して良かったと思った。

夕方になったので、風の温度が少し穏やかになっていた。

それでも少し体を動かすと汗が滝のように溢れ出る…。

私は、彼等に、「この夏、もう一回りタフになってくれ」、と心の中で祈る。




2021年07月21日

続・テニス部のK君

多額の寄付をしてくださったご家族一行が、学校見学に訪れ、その小学生の子どもたちが部活動見学や体験をした。
その最後に訪れたのがテニス部であった。

そこで活躍したのがテニス部のK君である。
見学に来た小学生を手取足取り、テニスを教え、体験させてあげた。
子どもたちは大喜びした。

だが、実はこの日は試合の前日であったのだ。
校内のテニスコートは2面。
そのうち1面を子どもたち専用にして、体験をさせてあげたのだ。

これは、なかなかできることではない。
「俺たち、明日試合なんだぞ。勘弁してくれよ…。」
と思うのが普通である。

だが、K君を初めとする彼等は、そうした思いを決して見せなかった。
笑顔満面、お客さんに最大限の奉仕をしたのだ。

その場に校長もいたが、校長ですら、そうした不満の波動は一切伝わってこなかったと言う。

それに感動したのが、子どもたちの父親だ。

これまで寄付はしてくださっていたが、学校を訪ねて来たことはなかった。
だが、このテニス部の奉仕活動で、私たちの学校に対する信頼の思いは、更に高まったようだ。

「これこそホンモノだ。」
学校としてのホンモノの学校だと思われたのか、教育としてホンモノだと思われたのか、別の意味なのかは分からないが、とにかく大いに感動された。

「今日は、試合の前日にもかかわらず、子どもたちのために指導してくれた、本当にありがとうございます。」
と、深々と頭を下げた。

徳ある行動である。

K君、偉いぞ!




2021年07月20日

身だしなみセミナー

中1で、男女に分かれて「身だしなみセミナー」を行った。
女子は養護教諭が担当したが、残った男子は、保健室で作った資料をもとに私が話した。

授業以外の講話は、久しぶりで、私も楽しかった。
少し予定時間をオーバーしたが、「伝えたい意図」は分かってもらえたように思う。

要は、「集団生活をしている中で、相手から不快に思うようなことは、自ら自身も気をつけて、お互いが気持ちよく学校生活をしよう」、ということである。

その中で、思春期を迎えようとしている生徒たちの、思いと体の変化が絡み合うので、あらかじめ、手を打っておこうというものだ。

以前は、中1で「性教育セミナー」を行っていたが、昨今の性的成熟の遅れもあり、少し先延ばししている。

その分、「身だしなみ」を通して、思春期の男女の距離関係を指導するのは、なかなかよい機会であると思われる。

本来、女子だけで実施する予定だったが、「男子も話を…」ということで、急遽私が話をすることにしたのだ。

面白おかしく話す中でも、真剣さを求め、少しは記憶に残っただろう。

学年主任でもなくなり、担任でもなくなった今、皆に話す機会が極端に減った。

たまにはこういう機会も面白い…。

女子は、さらに特有の話もしており、男性教員は同席すらできないようにした。

皆で生活をしていると、いろいろなトラブルが起こる。

それを一つずつ解決していくのも学校としての仕事だが、トラブルが起こる前に、あらかじめ手を打っておくことも、学校としての大切な仕事だ。

昨今は、事後処理というか、事が起こってからの対処が多くなってきているように思う。

恐らくは、教師の先読み力が不足してきているのだろう。

面白い企画であった…。





2021年07月15日

無声援応援

高校野球の応援に出掛けた。
「スタンドでは声を出してはいけない」、と言う。
何とも奇妙な光景だ。

オリンピックは反対している朝日新聞が、「甲子園はやる」、という政治的不統一感も気に入らない。

昨年夏の甲子園が出来なかったので、高野連も必死なのだろう。
私は、別に甲子園に反対していわけではない。
例年通りやればいい。
声を出しての応援だって構わない。

人の心を抑えこんで、人と人とのつながりを希薄にして、薄い人間関係になってはいけないのだ。

それが人間力を弱めていく。
そして人を孤立化することを意味する。
ある意味、社会の崩壊への道である。

「なんだこの応援は…。」
野球は声を出すことで応援になるのである。
ベンチからの声までも制限できないのが、その証左である。

奇妙な無声援の応援は、違和感を超えて、嫌悪感すら感じた。
こんなことがコロナ対策になるとは思えない。
炎天下でマスクをして座っている応援者の熱中症リスクも、各段に高まる。
大きな組織は、何かしらの事件や被害者、犠牲者が出なければ、なかなか変わらない。
今回も、その傾向は大いにあると思われる。

唯一の発見と言えば、相手ベンチの声が良く聞こえることだ。

オリンピックの無観客も、責任を取りたくないという政治家の逃げだろう。
そもそもこんな戦時下とも言える有事の際に、オリンピックを行うこと自体、空気を読めていないと思うのだが、あと1週間で開幕なのだという。

スポーツは人々に感動を与える。
勝敗はもとより、その姿そのものが、見る人の人生観をも揺るがす。
そういう貴重な人生への潤いを、無声援などという責任逃れで奪ってしまうのか。

諸外国では、イベントの人数制限もなくなり、マスクすらしていないと聞く。
それが正しいのかどうかは分からない。

ウイルスは市中に溢れているはずだ。
だが、感染リスクが最も高まるのは、人の免疫力の低下である。

さまざまな対策もあろうが、一年以上経って、「人を減らし、マスクをする」ことしか考え及ばない識者も情けない。

どうか、人と人とのつながりを希薄にし、人を孤立させ、免疫力を低下させるような、コロナ対策は、やめていただきたい。

試合結果だが、選手たちの夏は、今少し続く…。

2021年07月14日

テニス部のK君

テニス部のキャプテンK君は、中学校の生徒会長でもあり、野球部の重要な助っ人でもある。

野球部の試合を終えての文章が素晴らしかった。助っ人でありながら、正部員よりも優れているように思った。

-----
この3年間で、自分は試合で緊張しないようになりました。守備や打席に立つときも、自分に良いイメージを持って、良いプレーのイメージングができるようになったからです。
僕は集団の競技が好きです。普通にテニスもとても好きですが、仲間と協力していく中で楽しみを見いだしていくことのできるのが野球だと思います。野球部ではたくさんつらいことがありました。うまくいかないとき、自分は「生徒会がある」という思いや、「勉強しないと」という思いに逃げていました。ときには、「野球だけやっていればいいんじゃない」と言いたいこともありました。そんなときでも、「丹澤先生に恩返しするために自分はやっている」と考えていました。たとえ怒ってしまったときでも、すねているときでも、恩返しという思いは忘れませんでした。僕が上手くプレーができずに泣いているときでも、僕を呼んでテニス部の先輩の話をしてくださったり、バーベキューに参加させてくださったり…。そして何より、この3年間、丹澤先生は、僕が出た全試合で、野球部の正部員がベンチのときも、スタメンでフル出場させてくださったと思います。

試合で、一番心に残ったのは、試合後に先生が掛けてくださった言葉でした。これだけ試合に出していただきながら、ほとんど先生の期待に応えることもできず、迷惑をかけ続けてしまいました。この3年間、根性、チームとしての考え方、心の持ち方、とらえ方、礼儀、そしてもちろん野球と、とても数多くのことを学ばせていただきました。こういうことを言ってはいけないとは思いますが、テニス部よりも思い入れがあると思います。自分はもちろんテニスを愛していますが、野球をとても愛しています。このメンバーで、最後の試合に出られて本当に良かったです。先生の「ありがとう」と言われることは何も出来ませんでしたが、この3年間で教えていただいたことを、成長の糧として、先生の喜ばれるような立派な人間を目指して、精進します。3年間本当にありがとうございました。
-----

助っ人でありながら、いつも鋭いことを言って、チームを引き締めてくれたK君であった。

感謝しているのは私の方だ。

本当にありがとう!




2021年07月13日

勉強のコツ

中1で学年集会を開いて、『勉強のコツ』について考えた。
以前、生徒たちの質問をもとに、先生たちがアドバイスを作ったが、その質問を今度は、生徒たちにぶつけて、自分たちで考えたら、きっと面白い意見が出てくるだろう、という意図である。

質問項目について、各自2分ずつ考え、チャッティングで話し合い、それを全体で発表し、最後に先生たちのアドバイスも加える。

生徒たち全員が主体的に参加して、盛りだくさんの中で、充実した一時間半になった。

ここで共有された智慧は、きっと彼らの今後の勉強スタイルに役立つだろう。

@「勉強のやる気を高めるには?」
A「勉強の自信をつけるには?」
B「取りかかりを早くするには?」
C「時間管理のコツは?
D「勉強法のコツは?」

これらの5つの項目について、学年としてそれぞれ三十近いヒントが共有できた。

まさに、「生徒たちの力、恐るべし…」、である。

そうなってくると、先生たちのアドバイスも薄れてくる。
だが、自分たちで考え、共有し、そしてそれを実践した方が、さらに効果は上がる。

期末考査を終え、答案もすべて返却され、簡単な成績表も配布された今、もう一度自分の勉強スタイルを振り返り、さらに改善していくための、いい機会になっただろう。

小学校時代は、しばしば親が勉強時間をコントロールしていたはずだ。

今は、各自が取り組まなくてはいけない。

その中で、自立し、成長し、発展させていくのが、私の学校のスタイルだ。

気づきを得たならば、それを実践し、継続し、習慣化し、楽しく、面白く、喜びのなかで勉強すれば、必ずや、学年全体としての成績はアップしていくだろう。

今や私立学校は、「入学時からどれだけ成長させたか」、にその評価が移っている…。




2021年07月12日

定期考査の結果

定期考査の答案を返して、一喜一憂するのは生徒なのだが、採点時に、反省の念に駆られるのは教員の方である。

「しまった! もう少し丁寧に説明しておけば良かった…。」
「思ったより定着率が低いな…。」
「あれ、みんな出来ている…。」
などなど、答案を採点しながら、あれこれと思う。

「結局は、教え方が悪かったんだよな…。」
と、反省しきり。

この辺りが謙虚になれるかどうかの境目である。
毎年同じような内容を教えていたとしても、相手(生徒)が違う。
同じように指導しても、理解度が違うし、人によってアプローチの仕方も変えなくてはいけない。
相手を見て、理解度を測って、その上で、教え方を工夫しなくてはいけないのだ。

生徒の試験の出来が悪ければ、それは、指導者たる教員の責任である。
ゆめゆめ、「今年の生徒は出来が悪くて…」、などと言ってはいけないし、思ってもいけない。

生徒には、適切な教え方をすれば、必ず理解できるようになり、試験の点数だって取れるようになるのだ。

上位のクラスでは、各自の勉強が成績向上を生むこともあるが、中位以下のクラスでは、日頃の授業がものを言う。

生徒達に、「授業が楽しみで、面白くで、わかりやすくて、勉強する気持ちが湧いてくる」、と言わせられなければ、まだまだスタートラインにすら立っていないということだ。

その上で、様々な授業研究やら工夫など、さらに研鑽を重ねていくのだ

教師は授業のプロである。

その自覚を持ち続けられることが、教員を続けられる唯一の条件なのかも知れない。

私も頑張らねば…。





2021年07月11日

大会の審判

野球の話題ばかりで恐縮だが、大会中なのでご容赦願いたい。

大会三日目である。
昨日の試合は、惜しくも特別延長で敗れてしまったので、今日は「負け審判」。
準々決勝の審判に入った。

このところの激しい雨でグランド状況は極めて悪い。
試合開始時間前水取りが終わるかどうか分からないくらいの、一面水浸しだったが、何とか時間にスタートできた。
午後からは雷雨の予報だ。

野球の審判は、中学校の先生たちは楽しそうにやっている。
もちろん、やれば面白いのだが、私の歳になると、かなり過酷だ。

ボールをダッシュで追いかけなければいけないし、炎天下で一試合ずっと審判をしているのは、球審のみならず、相当な体力を要する。

中学校の監督(先生)は、誰もが審判に入らなければならず、大会の日には、一日三試合あったとすると、審判して試合して審判して…、なんて日程にもなりかねない実に過酷な仕事なのだ。

野球好きの先生たちは、不平不満を言うことなく、黙々と審判をし、自らの審判技術を高めるべく、研鑽を怠らない。
それはそれで素晴らしいのだが、私には体力的に苦しくなってきた。

数年前、他校の初老の先生に、「丹澤先生、まだ監督、やってるの? そろそろ引退したら?」なんて言われたことを思い出す。

その時は、「引退する」など全く意識していなかったが、最近はその思いもよぎる。
あの頃より、さらに体力が落ち、苦しくなってしまったようだ。

歳をとると、坂道を転げ落ちるように、年々体力が落ちていくと言う。
ほとんど体力低下対策をしていない私にとっては、実に危険な状況なのだろう。

炎天下の中で、練習を見ているだけでも、体力を使うのだろうが、その中で、若い先生方のように、一緒に動くことが難しくなってきた。

いつの間にか、審判をする先生の中で最高齢になってしまった…。
同年代の先生は、教頭か校長先生だ。

楽しくない訳ではないが、苦しくなってきた。

高校の監督から見れば、まだまだ若いんだけどな…。




2021年07月10日

大会二日目

二回戦に進んだ。
二回戦は、春の大会で二回戦として戦った相手だ。
秋にも対戦し、春、夏ともコールド負けしている。

選手たちも俄然、力が入る。
エースピッチャーも全力で投げる。

試合は、我がチームが連打で先制。
しかし、その後、同点に追いつかれた。

その後も、度重なるピンチをしのいだ。
わがチームも、度重なるチャンスがあったが、あと一歩のところで、点を入れられなかった。

結果、特別延長になった。
ノーアウト、1、2塁からのタイブレークである。

こうなると、守備力の劣る我がチームは不利だ。
一つのミスも許されない場面が続く。

「ここを抑えれば…」、という場面でキャッチャーがパスボールをした。
そのまま2点が入ってしまった。

これまでの試合で、一度もパスボールのなかった正キャッチャのNが、ボールを取りそこねた。

「これで終わった…」

そのままの点差で試合終了。

だが、よく戦った。
相手校も苦戦だったろう。

あまりのあっけない幕切れに、選手たちもショックを隠せない。

「よくやった!」

私はそう伝えた。
何人もの選手の目に涙があった…。

大して語ることなく、私は次の試合の審判へ。
疲れ切った私は、途中で誤審した…。

選手たちは連戦になった対戦相手をスタンドで応援している。
その応援に、先方の校長先生が感激されていた。
そして、自校の生徒たちに語る。

「負けても応援し続けられるのは大したものだ。君たちも、彼等のように徳を磨きなさい。」
そう、伝えたという。

私は、選手たちを誇らしげに思った。

中3の夏が終わった…。




2021年07月09日

夏の大会

大会初日は雨が降った。
しかも、前日からの雨が収まらず、一部会場が使えなくなった。
そのため、トーナメントの一回戦の4試合だけ、試合が行われることになった。

グランドの水取りにより、水たまりは無くなった。
そんな中での試合は、予定通り行われたが、幸い初日の連戦は無くなった。
つまり、この試合に全精力を掛ければよいと訳だ。
もちろん負ければそこで終わり。

夏の大会は、全中の全国につながる大会。中学総体の予選である。
中学校の集大成の大会。
当然、引退を掛けた中3は気合いが入る。
それに引っ張られる形で、中2や中1にも緊張が走る。

試合は、序盤から流れをつかみ、優位にプレーできた。
いくつかのミスはあったが、それでも流れを手放すことなく、度重なるピンチを抑え、結果勝利することができた。

わがチームとしては、春、夏と初戦を制したのは初である。
その意味では、選手たちの快挙でもある。

一試合だけ、という恵みが、選手たちの心に火をつけたのかも知れない。

思えば、昨日は全体練習はしなかった。
「試合にいいイメージで臨みなさい。心を整えなさい。これまでの練習を信じなさい。恐らくどのチームよりも練習しているはずだから…。」
と、励ました。

そして迎えた初戦であった。

野球の神さまを味方につけたのだ。
これで、明日も試合ができる。

今日の試合で一番活躍したのは、ベンチにいた中3のK君である。
野球部の助っ人で、テニス部の部員。試験中でも毎日練習に参加してくれた。
彼の声が、選手たちを励まし、数々のピンチを克服したのだ。

K君は、何があっても、ベンチからの声を欠かさなかった。
本当は試合に出たかっただろうが、彼の声の力は、十人力。

試合後、「今日のMVPはK君だ」、と皆に言った。
誰もが納得していた。

野球は、試合に出ている者だけが戦っているのではない。
ベンチを含めた全員の力で、勝っていくものなのだ。

そのことが、チームに浸透した瞬間でもあった。

明日も頑張ろう!
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