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ロシア南部でイナゴの大発生による甚大な農作物被害。各地で非常事態宣言
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<真相探求>
(ニュース分析)
『参考記事』
ロシア南部でイナゴの大発生による甚大な農作物被害。各地で非常事態宣言
投稿日:2022年7月16日
https://earthreview.net/swarms-of-locusts-attack-russia/
[詳細・外部リンク]
イナゴに襲われるロシア南部。
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◆ロシアの食糧生産への影響は?
ロシア南部で、「イナゴ」が大発生して、広範囲に農地を荒らしていることが、ロシア、ポーランド、ウクライナ等の報道で伝えられています。
イナゴの害といえば、2020年に、アフリカ、中東からパキスタンまで広範囲に大きな被害を及ぼしたことを思い出します。この 2020年は、パンデミックが宣言された年でもあり、何とも印象的ではありました。
以下は 2年前の記事です。
[記事] 世界は「疫病、イナゴの厄災、大洪水の連続」に同時に見舞われていて、どれも深化し続ける
In Deep 2020年3月7日
https://indeep.jp/we-are-living-in-the-plagues-of-diseases-locusts-and-floods-at-same-time/
この 2020年の時にアフリカからアジアまでを荒廃させたイナゴは、サバクトビバッタと呼ばれる種類のものでしたが、今回、ロシアで被害を出しているイナゴの種類は、英語にしますと Asian Migratory Locust とありますので、いわゆる、日本での「トノサマバッタ」ということになりそうです。
イナゴが大発生している場所は、報道に出てくる地名からは、以下の円で囲んだあたりではないかと思われます。
ロシアでイナゴの被害に見舞われていると見られる地域
この場所は、ウクライナと隣接する地域でもあり、もしかすると、ウクライナにもイナゴが移動している可能性もあるかもしれません。
というか、このロシア南部は上の地図でいえば、左側は黒海で、右側は砂漠地帯ですので、イナゴが食料を求めて移動するのなら「ロシア北部や東部に進むか、ウクライナ側に移動するか」ということになるとは思います。
ロシアは国土が広いですから、農作全体への影響があるとは思えませんけれども、仮にウクライナでもイナゴの被害が出るとすると、さらに食糧生産に問題が生じる可能性はあるかもしれません。
なお、このロシア南部では、2018年にもイナゴが大発生しており、その時のイナゴは「モロッコトビバッタ」という種類のものでした。
イナゴの発生と被害についてのロシアの報道をご紹介します。
◆イナゴの大群がいくつかのロシアの地域の畑を攻撃している
Полчища саранчи атаковали поля в нескольких российских регионах
5-tv.ru 2022/07/14
イナゴの大群は、文字通りひとつの農場を破壊することができる。それも一日でだ。ロシア南部で発生しているイナゴと人々はどのように戦っているのか。そしてロシアの他の地域にもイナゴが出現するのだろうか。
クラスノダールの農家の人たちは、イナゴの侵入の状況を深刻に懸念している。
貪欲なイナゴの大群が、ロシア南部の作物を攻撃し続けており、イナゴの数は指数関数的に増加している。大群は、文字通り一日でひとつの農場すべてを破壊することができる。
現在、イナゴの大群はトウモロコシの収穫を破壊している。何千万もの空腹の昆虫たちが畑を一周している。クラスノダール地方では、イナゴは 2.5万ヘクタールを占めていた。これは、サッカー場 3,500個分の広さと同じだ。
このようなイナゴの大群は、1日に数百キロメートルの距離を移動することができる。もちろん、これは単なる移動ではなく、彼らは食べ物を求めて移動する。大群は、移動する地のほとんどの作物を食い荒らし、農業に大きな被害をもたらす。
このイナゴの大群は、百万匹が約 20トンの植生を破壊するが、現在の大群の数は数百億匹となっている可能性がある。
このアジアのトノサマバッタは、イナゴの世界での真のマラソンランナーだ。群れ全体が最大 500キロメートルの移動を簡単に乗り越える。
モスクワ州立大学生物学部の研究者は次のように言う。
「その場所に十分な食料があるとき、彼らトノサマバッタは群れを作りません。そして、その場合、彼らは遠くまで飛ぶことはありません。しかし、その歯所の食べ物がなくなり、個体の密度が上がると群れが形成され始め、そして遠くに飛ぶようになります」
「彼らは、秋に卵を産みます」
この研究室では、クバン地方の畑の主な害虫を詳細に調べている。イナゴは、それらと戦うための最も効果的な手段を見つけるために、試験管で特別に飼育されている。
「空中でイナゴと戦うのは無意味です。戦うのは、群れが産卵のため地上にいるときに行うことが必要です。そして、早期に処理を実行します」とクラスノダール地方のロッセルホズセンター支部の副責任者は説明する。
害虫駆除はあらゆる面から行われる。ヤクートの農家の人々は、残っている作物を保護するために自分たちの畑に化学物質を噴霧している。ここでは基本的に小麦ではなく、家畜用の飼料(主に干し草)が栽培されている。全体の農地自体がはるかに小さく、農作シーズンが短いことを考えると、ここでの災害の規模は、クバンよりもはるかに深刻だ。
「イナゴは 80%以上の牧草を破壊し、近くの村では、100%破壊された土地さえあります。この状態では、冬の干し草を貯蔵することができません」と、ひとつの村は述べた。
上空から見ると、土地の残骸がはっきりとわかる。数百ヘクタールの裸となった土地の数々。
いくつかの集落では非常事態が宣言されている。
現在までに、350ヘクタール以上の干し草畑が昆虫を防除するための化学物質で処理されているが、しかし、戦いはこれで終わりではない。今後一ヶ月で、イナゴの繁殖期が始まり、繁殖期にはさらによく食べるようになるのだ。
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