ホラー好きのフライマン

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大型魚を無念のバラし

　この冬季の海アメマス釣行として、11月26日から日高方面を端緒に積丹、浜益に向かった。そのいずれも釣果は得られなかったが、12月1日に開幕した島牧の海アメダービーでは、開幕翌日から太平川河口海岸で70センチ越えのアメマスが上がったとの情報。
　「島牧で釣れているのならば、時間差を置いて積丹でも釣れるはず」と、再び積丹に向かった。
　11月30日の積丹釣行では、余別川河口、来岸漁港、入舸漁港の3カ所に入釣したが、来岸海岸でメタルジグにアメマスらしき魚をばらしただけに終わった。

　今回の釣行は、来岸漁港だけに絞ることにした。途中の野塚ゼロワンドには、真正面から吹き付ける強風と3メートル越えの高波の中で、立ち込んでルアーロッドを振るアングラーが一人だけ。西河の海岸には誰も入っていなかった。
　当然、来岸漁港にも強風は吹きつけていたが、港内とあって波はない。まず、様子見がてら、視認性の高い１２ｇのメタルジグを港内真中に投じたが、追ってくる魚はいない。
　そして、岸壁すれすれに投じた5投目に待望のアタリがきた。浮かび上がったのは、40センチはあるだろうか、銀ピカの魚。ところが、フックのかかりが浅かったのか、目の前でバレてしまった。

　そのショックよりも、アメマスが港内に入っていることを確認できたことがモチベーションとなった。港内にいるということは、漁港隣のワンドにもアメマスが寄っているはず。　　
　　結局、港内でのアタリはそれだけだったが、本来の入釣予定地は漁港隣の岩盤ポイント。ここでルアーのほか、きびなごを餌とした浮き釣りでもアメマスを狙らおうという計画。

　春先のこのポイントでは、ルアーにアメマスとホッケがそれぞれ２匹、浮き釣りでアメマスが5匹、ホッケ2匹というのが釣果。魚が岸寄りしていれば、ヒットする確率が高い。　
　ただ波に弱く、高波がきた場合は逃げ場がないために、波に巻き込まれる危険性がある。そのため、岩盤に少しでも波がかかっていれば、躊躇することなくあきらめる。

　漁港隣の海岸は、港内よりも風が強くて波もうねりはあったが、幸いにも突き出た岩盤には波はかかっていない。海岸の砂浜には、アングラーが一人ルアーを打ち込んでいる。　
　岩盤に、浮き釣り用ロッドとルアーロッドをセット。「自分はフライフィッシャーだ」というプライドよりも、まず今シーズン初の海アメマスを優先した。

　沖合100メートル先にジグミノーを打ち込んでリトリーブしていると、ルアーを追って魚が跳ねている。それも３〜４匹で、群れているようだ。同じ個所に打ち込むがアタリはない。ひょっとしてアメマスとは違う魚か。
　50メートルほど先の沖合ではライズが起きている。何かが小魚を追っているような様子だ。当然そこにもルアーを打ち込むが、ルアーをサイズダウンしてもアタリはこない。

　むきになってメタルジグを打ち込んでいる内に、脇に置いた浮き釣り仕掛けの浮きが、底に引き込まれている。あわてて巻き上げると重い。ドラグを利かせて寄せようとするが、あぶらこのような強力な引きが収まらない。
　もしアメマスならば、60センチは有に越えているのでは、と巻き上げている余中に1・5号のフロロラインが切られた。まだ姿を確認していなかっただけに悔いは残らなかったが、フレッシュラン時の鮭のような迫力を実感できた。

　それからしばらくして、再び浮きが消し込んだ。今度は手前まで寄せることができたが、針がかりが浅くバレてしまった。見た目では40センチほどのアメマスだろうか。
　そして、それから30分後に3回目の浮きの消込み。写真を撮るまでは、と慎重に巻き上げてようやく岩盤に寄せることができた。40センチ余りの今季初の海アメマスだった。
　ルアーにはまったく反応はなかったが、積丹もいよいよ海アメ本番を迎えようとしている。これから、積丹全域で海アメ釣りを楽しむことができそうだ。

写真�@：積丹・来岸漁港の様子。防波堤は立ち入り禁止となっているので注意が必要、同�A：防波堤下の岩盤から陸側を見る、同�B：浮き釣り仕掛けにヒットした40センチほどの海アメマス。これから寒さが増すごとに大型化するのだろう


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