4月第3土曜日はレコード・ストア・デーで全米700店が参加してレコードの販促活動を行った。有名アーティストの限定盤が人気で一番乗りは午前1時から並んでおり、400ドルを使う客もいた。限定盤にはデジタルファイルダウンロード用のカードも入っている。
全米のレコード販売数は2008年から増え始め昨年は対前年比約18%伸びた。レコード店社長は客層が年配から若者世代へと移って来たと話す。27歳の女性は5年前からレコード収集を始め約100枚コレクションしている。「針が跳んだりノイズが出たりするのもレコードの良いところ」と彼女は言う。
ニューヨークのレコードプレス会社は5年前の倍の70万枚を生産した。社長はもっと設備投資して社員5人から増やしたいと語る。NYのレコードは仕上がりの質が良いと海外からの生産依頼も舞い込む。アナログな音とジャケットの魅力を知った若者がレコードを復活させている。
コメンテーターの御立尚資氏は「昔集めたレコードが場所を取っているが聴いていない」と答えた。
大変興味深く見せてもらったニュースだが、経済情報番組的にどうしてこれを取り上げたのか意図が読めない内容だった。生産量が5年前の倍になったとは言え、それはもう消えていく音楽媒体だと見向きもされていなかった時との比較だ。これから順調に増えていく訳でもなくCDやネット配信を脅かす存在になる筈もない。
若者に人気と言っても限定盤中心のコレクター需要の域を出ていないように見える。ファンにとってのグッズ収集の一部ではないのかとさえ思える。それともMP3音源ばかり聴いている若者がアナログソースの情報量に驚いたのだろうか。何より無くなると思っていたレコードが盛り返してきたこと自体がニュースなのかもしれない。
私にとってレコードの印象は良くない。1)静電気で埃が付き易い。 2)針が跳ぶ。 3)スクラッチノイズがある。 4)大音量でハウリングを起こす可能性がある。 5)再生前に針圧やインサイドフォースキャンセラ等の調整が必要となる。 6)レコードが傷付き易い。 7)熱でレコードが歪む。 8)曲の頭出しにコツがいる。 9)サブソニックフィルターを使うと低音がカットされる。 10)針とレコードは消耗品だ。
レコードを聴く前に行う儀式と思えば、埃除去やトーンアームの調整は苦にならず「これから音楽を聴く」という気分を高めるのに最適と言う話を否定する気はない。でもものぐさな私はレコードとの相性は良くなかったらしく音楽ソフトを買うようになったのはCDからだ。
色々なイベントでアナログソースを聴く様になって気にはなるものの、やはり簡単に高音質が楽しめるSA-CDやBDミュージックを選ぶだろう。
番組ではマムフォード&サンズや寺内タケシのレコードが紹介されていた。気になったのは、ダウンロードカードのパスワードをしっかり映していたこと。あれを見てちゃっかりファイルをダウンロードした視聴者がいたのではないかと心配している。(苦笑)
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