機器構成はJVC DLA-X75R/DLA-X55R+スクリーン(不明)+AVアンプ(不明)+パナソニックBDレコーダー(型番不明)+SX-M7(31.5万)×5本+SX-DW75(22.8万)の5.1chという構成だ。比較対象として左側のスクリーンにDLA-X70Rの画が映されていた。なおDLA-X95Rはデモ後のフリータイムで観られたらしい。
4K e-shift2を進化確認するために参加したが、うっかり左側の席に座ってしまった。右側が新製品のスクリーンだったのでこれは失敗だ。DLA-X55Rでの視聴ソフトは次の6作品だった。
1)JVCオリジナル4K撮影ビデオ
2)BDダークナイト
3)DVDクラディエイター
4)BDオペラ座の怪人
5)BD-RスターウォーズEP2(WOWOW録画盤)
6)BD The Twilight Saga: Eclipse
まず専門誌にも掲載されている京都駅でのモデル撮影の映像を使い、映像解析画面で映像信号の周波数を色で見せて「まつ毛や髪の毛といった白やマゼンタで表示されている部分に高解像処理を行っています。黒く表示されている背景には何もせずそのままぼけさせています。」とMPC(Multiple Pixel Control)の映像処理能について説明があった。
画面左上に小さなマゼンタの長方形2つが表示されていて何かと思ったらポーズマークだった。あれもちゃんとHD解像度で描画されている訳だ。(笑)
「DVDクラディエイター」を上映するとX70RはそのままDVD画質だが、X75Rの「4Kプロファイル:HD」でアップコンバートした画質は一見BD画質の様。衣装の模様もしっかり見えて処理の巧みさに感心する。
「BDオペラ座の怪人」ではヒロインの顔のアップシーンで映像解析画面を見せて説明があった。宝石やまつ毛等が白やシアンで表示されていたが、実映像でもX70Rより解像感が優れていて装飾品が高価そうに見える。「解析画面で黒くなっていた肌にはエンハンスが掛からないので荒れることはありません。」とのことだ。
放送録画ディスクでも「4Kプロファイル:HD」は効果的で高画質に楽しめる。MPCの映像処理能力は単体画像プロセッサーとして販売したら50万円以上はする性能を持っているとの説明があった。X55Rは全てにおいてX70Rより解像感に優れており、X70Rが唯一優れているのはキセノンランプ光源色を持っていることだけと言う。
確かに観ていて最初からX55Rの色再現がビデオ的で色乗りが薄い気がしていたが、それは右側のスクリーンを見ている角度的な問題ではなかった訳だ。(苦笑) Xenonランプ光源色と幅広い色再現域やスクリーン補正モードの違いでこれだけ差が出るのかと驚かされる。
JVC担当者の自信満々の言葉からもMPCの能力はソニーの「4K表示デバイス向けデータベース型解像処理LSI」に匹敵する高性能ということは分かった。だが余りにX70Rが劣っているかのような比較をされるとユーザーが「アップグレードしろ!」と怒りそうな気がする。筐体は同じなのにそれほど中身の進化は著しく画質の向上に目を見張るものがある。
ここでDLA-X75Rに交換され次の3作品を視聴した。X75RになりX70Rと同じ色再現性であることが確認出来た。
1)BD The Twilight Saga: Eclipse
2)BD タイタニック
3)BD 塔の上のラプンツェル 3D
タイタニックでは老婆になったローズの皺の再現性やジャックの目の周りの皺といった部分に注目して欲しいとの説明があった。確かに映像解析画面では白くなっている。X70Rでどんなにパラメーターを調整してもX75Rと同等の解像感を出すことは出来ないと言う。
最後にPK-AG3とPK-EM2を使い3D視聴となったが2スクリーンで同時に3Dが観られるとはRF(電波)方式は便利だ。新しいメガネの装着感も良くフレームが視野に入らず快適だ。e-shift方式の原理から3DではHD解像度になってしまうがMPCの能力で解像感が向上しているとのこと。私の席の位置からでははっきりとその差を見比べることは出来なかったが、明るくクロストークの少ない3Dが羨ましい。X3ユーザーとして素直にそう思う。
こうして視聴するとX55RはX30+e-shift2モデルで電動レンズカバーもないことが分かった。色再現がビデオ的で映画を観ていて物足りずこれならX75Rを買おうと思ってしまう。それにしても外見からはマイナーアップデートに見えながらたった1年でここまで進化しているとは予想外だった。
正直LVP-HC8000Dを観た時にはX3を下取りに実質10万円強で買い替えようかとも考えたが、DLA-X75Rを観てしまったらここはもう1年我慢して来年の次期HDMI搭載モデルを狙おうと考え直した。リアル4Kモデルに興味はあるものの大きさや価格を考えるとおいそれとは手を出せそうにない。e-shiftとMPCの進化具合を見ると来年のモデルもリアル4Kモデルに対して十分対抗出来る性能になっていることだろう。そう期待出来る視聴会だった。
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