米国財政の崖と欧州不安再燃から米国株下落とドル下落円買いが進んだと思われているが、これは季節要因だ。ヘッジファンドは四半期末に解約期限を設定しており解約には45日前に通知する必要がある。よって11/15(木)前後に集中している。しかも15日は四半期に一度の米国債の大型償還日だ。
ファンド解約に伴う株売却、リスク回避による円買い、米国債償還による円買い圧力が強い状況だが、今週後半(11/15頃)からドル円は底堅い動きとなるだろう。構造的な円買いは変化してくると見ている。目安は3月高値と9月安値の半値戻しの80円台半ばだ。上抜けすればそれ以上の円安になるが、押えられれば80円前後の動きとなるだろう。
というものだった。そして今朝11/20(火) のモーニングサテライトでは次の報道があった。
ゴールドマン・サックスのジム・オニール会長が「円は過大評価されている」と発言し、数か月掛かるが「円を売る時が来た」と言ったことが報道された。その理由は4つ。
1)日本の経常赤字
2)政府の巨額赤字
3)回復の見えない日本国内景気
4)自民党安倍晋三総裁のインフレ目標発言
これに対しシティバンク銀行 尾河尾河眞樹さんは「先の3点は以前から言われていたことなのに未だにドル円は80円台だ。アメリカQEが頭を押さえているからだろう。ただし思惑買いが盛り上がる切っ掛けにはなるだろう。」と解説した。
15日の日本株高は「新政権期待、日銀金融緩和策強化期待」が原因と説明されているが、それは単なる結果論で実はその地合いは既に出来ていたと見ると今日までの株価の動きが非常に興味深い。その上オニール会長までも援護射撃をしてくれるのだから円安待望の輸出企業にとってはありがたいことだろう。
確かにリーマンショック以降4年以上も円高が続いているのだからこの歪は解消されるべきだと思うが、その為には次に強くなる貨幣が無いとヘッジファンドが困ってしまうと思う。ユーロ復活は5〜6年は期待出来ないし、米ドルは政策金利ゼロ%が2016年まで続く可能性がある。中国元はまだ国際化されていないので扱い辛い。
ヘッジファンド自身がリスクオフになった時の逃げ場となる円を一方的に売りに出るとは考えにくい。結局85円を抜けることは無いだろうと個人的に予想している。
金融緩和だけでデフレを脱却出来るのであればとっくの昔に日本はインフレになっている。少子高齢化で人口ボーナス効果が無くなり国内の購買力が落ち需要が減っているという、その根本を解決しないと単にスタグフレーションになるだけだから勘弁して欲しい。
【関連リンク】
『日銀総裁、国債購入「通貨発行に歯止めなくなる」』
http://www.nikkei.com/markets/features/12.aspx?g=DGXNASFL200KT_20112012000000
『オニール氏「円安の潮目来た」 米で広がる日本株人気』
http://www.nikkei.com/money/gold/toshimagold.aspx?g=DGXNASFK20008_20112012000000&n_cid=DSTPCS008
『「安倍発言」で円の「堕落」連想』
http://www.nikkei.com/money/gold/toshimagold.aspx?g=DGXNMSFK1900T_19112012000000&df=1
『「日本病に罹った」とついに認めた韓国』
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20121115/330665/?ST=business
『15日東京株式市場終値 164円99銭高の8,829円72銭』
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00235453.html
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