「鉄道人身事故」が気になっているところに12/05/25(金)『鉄道自殺は増えていない。自殺全体が増えている』というコラムが公開され興味深く読ませてもらった。杉山淳一氏は“自殺者全体が増えていた”ことで”鉄道自殺が増えた”と分析して「鉄道自殺は“カジュアル”すぎる」と嘆いている。
10/05/06の中村修治氏のコラム『過去最悪! “鉄道自殺年間647件”が道連れにしているもの』では”私たちは「30センチ前へ踏み出すことにより、死ぬことができる日常がある」社会に生きているのである。”とまとめている。
以前「鬱病は発症直後と回復直後が危険」と聞いたことがある。重症の時は自殺する気力すらないのでまだ安全だと言うのだ。12/05/09『鉄道自殺は「晴れ」の日が最多 昼は飛び込み、夜は侵入』から出勤途中や買い物途中の軽度の病人が発作的に飛び込んでいるのではないかと推測出来る。
特定の駅や路線で事故が重なると言うのも、日頃利用している路線で起きた事故を見聞きした病人が確実に死ねる方法と場所を知ってしまい、模倣する『ウェルテル効果』が原因と考えられる。
軽度ということは家族も病状を知らず、その突然の死に驚き嘆き悲しむだろう。何故家族として「自殺を思いとどませることが出来なかったのか」と自責の念に襲われるとも聞く。
こういった悲劇を減らす為にも前回「ホームドア(スクリーンドア)の積極的な導入を希望」したが、その進まない理由は12/03/16のコラム『なぜ駅にホームドアの設置が進まないのか』に書かれてあった。主な理由は4つあるが「設置コスト」など運行中止の社会的な損失を考えれば費用対効果は高いと思えるのだが。
もっとも今後少子高齢化で労働人口が減るということは利用者が減少するということで売上減少が予想される中、鉄道会社としても積極的な設備投資を行いにくい状況なのかもしれない。こんな所にも少子化の影響が出始めているようだ。
酔っ払い、目の不自由な人、車椅子の人の転落事故もまれに報道されるし、時にはホームに並んでいた人の列に誤って人が衝突して一番前に並んでいた人が押し出されて事故に遭ったというニュースを聞いたこともある。そんなこともあり私は電車待ちの列の先頭には立たないようにしているし必ず片足を前に出し、後ろから押されても踏ん張れる体勢を取っている。(汗)
工場ではKYTと呼ばれる危険予知トレーニングが行われ労働災害事故を防ぐ努力を日々積み重ねている。労災が発生すれば労災保険率が上がるのでそれなりのコストも掛けている。ところが鉄道会社はアナウンスと点字ブロックだけで客が事故に遭う危険性を防ごうとしている。
今まで疑問にも思わなかったホームドアの無いプラットホーム。こうして改めて電車事故について考えると、私達は毎日30センチの死線を踏み越えながら生きている戦士なのかもしれない。
【関連リンク】
『鉄道自殺は増えていない。自殺全体が増えている』
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1205/25/news002.html
『なぜ駅にホームドアの設置が進まないのか』
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1203/16/news010.html
『過去最悪! “鉄道自殺年間647件”が道連れにしているもの』
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1005/06/news033.html
『鉄道自殺は「晴れ」の日が最多 昼は飛び込み、夜は侵入』
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/120509/cpb1205091325001-n1.htm
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image