唐の時代、26歳の玄奘は建国直後で不安定な国内を仏教で治めようとインドへ法典を求めて旅立つ。その旅路と推測されるシルクロードを万里の長城に沿って西へ西へと向いながら寺院や山脈と言った絶景を4Kドローン収録した番組だ。
参考:空旅中国「玄奘の冒険」
http://www4.nhk.or.jp/P5501/3/
4Kの解像度で奇岩や寺院の仏像、万里の長城を視聴すると中国の大きさを実感する。広大な土地に民家や自動車と言った人工物が映っていないことが多く縮尺が分からなくなってくる。木々の高さから距離感を掴めばその広さに呆れるばかりだ。この様な光景もしっかり細部まで見渡せるのも4Kの解像度があってこそ。
ただしドローンが高速飛行して撮影しているシーンは解像度の低下が著しく残念画質となっているのが気になった。
朝日や夕日に照らされる絶景シーンが多くHDRらしいコントラストも楽しめる。崖に掘られた仏像達も陰影があってこそ立体感を出てくる。
BT.2020の広色域で絶景が朝日や夕日に染まるシーンも美しい。地層ごとに成分が異なるのでストライプカラーとなる山脈等、色彩的にもBS4Kならではの映像を観ることが出来る。
2chステレオ音声だがBGMがメインなので特に不満はない。軍馬を飼っている遊牧民のインタビュー音声で風吹き音ノイズが大きく、風が強い場所と分かったので、臨場感を得るためにも少しは現地の音も入れても良いと思った。
ドキュメンタリーとして、遠方の万里の長城が単なる土壁でも匈奴である遊牧民の飼っている羊が跳び越せない高さがあれば有効だったこととか、明時代(1368年〜1644年)の万里の長城建築と同じ方法で今も土壁が作られていることといった情報は興味深い。雨が少ない土地だと単なる土を押し固めただけで400年近く残るのかと驚くばかりだ。
なお番組紹介に書いてある”孫悟空”とは軍馬を飼育している青年のこと。東京23区以上の広さを誇る軍馬牧場は紀元前の漢時代に作られたとの話で玄奘もここで新たな馬を手に入れ従者を得たと言う。飼育青年が「乗馬は空を飛ぶようだ」と答えたことで「西遊記」の”孫悟空”と觔斗雲はこのエピソードが由来ではないかと推測している。
中国の広大さと歴史の長さを4Kで体験出来るこのシリーズは面白い。録画済みで未視聴の「英雄たち8つの峠」や次回放送の「空海のまわり道」も楽しみだ。(^_^)
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