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2014年12月31日

2014年放送のテレビ番組で一番面白かったのは「臨死体験 立花隆 思索ドキュメント」!

2014年もあっという間に大晦日となってしまった。年齢を重ねるごとに本当に1年が短くなっていく。(驚)

2014年色々と見て来たテレビ番組で何が一番面白かっただろうと振り返えるとNHK総合14/09/14(日)「臨死体験 立花隆 思索ドキュメント 死ぬとき心はどうなるのか」が科学的にも哲学的にも人生観的にも考えさせられることが多く大変面白かった。放送直後からブログに取り上げようと思っていたので、この話題で今年を締めくくろうと思う。

1991年に「臨死体験」について取材したジャーナリスト/評論家立花隆氏が再び「臨死体験」の最新研究の現場を見て回った。

【第1章 臨死体験の謎】
 国際臨死体験学会に参加して脳神経外科医 エベン アレキサンダー博士に会う。彼は生還率2%と言われた脳死状態から蘇生してから魂の存在を信じるようになった。心停止から蘇生した5人に1人は臨死体験の体外離脱、神秘体験を経験していると言う。

【第2章 臨死体験を科学は解き明かせるのか?】
 神経科学ジモ ボルジギン准教授は鼠の脳に直接電極を入れて心停止させたところ4秒後も続く微細な脳波を見つけた。神経科学ヘンリック エーソン教授は体外離脱を経験することが出来るバーチャルリアリティ実験を行っている。利根川 進センター長は想像力を持っている人間はフォールスメモリー作り易い動物と考えている。

【第3章 心はどのように生まれるのか】
 精神医学ジュリオ トノーニ教授は統合情報理論を唱え、意識は複雑に絡み合った蜘蛛の巣の様な神経細胞が生み出すものと説明した。意識の量を現す数式を現し、これは複雑な情報の繋がりを持つ機械を作れば意識を持つ可能性があることを意味している。

【最終章 臨死体験 なぜ人はなぜ”神秘”を感じるのか】
 脳神経外科ケビン ネルソン教授は”神秘”を感じるのは死の直前脳の辺縁系が脳を白昼夢の状態とし神経物質を放出するからと説明する。取材の最後に友人のレイモンド ムーディ博士に会う。彼は臨死体験後死後の世界を信じるようになっていた。


ネルソン教授が「科学は”仕組み”を説明するものであって”何故か”という問いに答えるものではない」と言っていたのが科学者らしい答弁で好感を持った。臨死”体験”は個人的な経験なのだから第三者が正否を論ずるものではないという立場に同意する。

この番組を見て私が考えたことを書き残しておこう。

「死後の世界はない」そう確信した。例えば米国について何の知識もない老若男女がアメリカ旅行に行ったとする。その時、各人ごとに知識や興味や経験によって異なる感想を述べることだろう。ところが神秘体験は年齢性別宗教国籍に関係なく皆が同じ話をしているという。それはまるで「林檎の木からリンゴが落ちるのを見た」という物理現象を語っている様だ。この統一性が逆に無い証拠と考えられる。

爬虫類も持っている脳の辺縁系が何故神秘体験をさせるのか、これについて私は「動物が九死に一生を得た後の生存率を高める為進化の過程で得た能力」と推測している。爬虫類が捕食者に襲われ怪我を負い瀕死ながら逃げられた時、傷が治るまで恐怖に怯えている個体と幸福感を感じている個体がいたらどちらの方が生存率は高いだろうか。

また両方とも生き延びたとして、捕食者の影に怯え活動が消極的になった個体と、生きることに前向きで活動的になった個体がいたらどちらが多く子孫を残せるだろうか。こう考えると辺縁系の仕組みは理に適っている様に思える。

番組では脳の機能を統合するものが意識=自我として説明されていた。人間では2歳前後から自我が芽生えてくると聞く。知識、経験を得て脳神経細胞が複雑に絡み合ってきた幼児期に自我が発生する理由が分かった気がした。

怖いと思ったのは脳に直接電極を刺さないと測定出来ない微細な脳波があるということ。脳死と判断されながら蘇生したアレキサンダー博士の例もあり現在の脳波測定器では正確に脳死を判断出来ないのではないか。そう考えると楳図かずおの『恐怖』「うばわれた心臓」のエピソードを思い出してしまった。(冷汗)

まあ自分が死ぬ時は幸福感に包まれ人生最後の謎の答えを知ることが出来ると思えば死も怖くなくなりそうだ。除夜の鐘の音を聞きながらそう思う。

今年1年ご愛読頂きありがとうございました。来年も変わらぬご愛顧の程よろしくお願い致します。良いお年をお迎え下さい。



【関連リンク】

『臨死体験 立花隆 思索ドキュメント 死ぬとき心はどうなるのか』
 http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0914/
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