2016年07月08日
テスト前に深夜まで勉強して夜食…は記憶定着には最悪だった…!?
夕食は食べたのに深夜に小腹がすいてしまう。身体に悪いと分かっていても、ついつい夜食と称してスナック菓子に手が伸びてしまう、そんな習慣はついていないだろうか。
深夜の食事習慣は、体重増加をはじめとしてさまざまな健康への悪影響を与えることが知られている。加えて、最新の動物実験から、深夜の食事習慣が脳に対してもダメージを与えていることが示された。
■深夜の夜食と記憶力の深い関係
この研究を行ったのは、米カリフォルニア大学のDawn H Loh氏らの研究チームである。Loh氏らは、睡眠時に胃の内容物を消化しようとすることで、脳の記憶をつかさどる部位である海馬が障害を受けるということを、マウスを使って実験した。
この実験では、研究室のマウスが寝入る前の時間に食物を与えた。すると、マウスの短期記憶、長期記憶の双方が障害を受けていることが分かった。
これは、単純な食事調整のみで海馬での記憶力を変化させた初めての研究であると、Loh氏らは言う。睡眠時に脳が働くことができる環境を整えておくことも重要なのである。
■深い・浅いの両睡眠リズムを繰り返すことが記憶定着に
睡眠のリズムからも、人の記憶力と睡眠が非常に密接な関係にあることが分かる。
人の睡眠は、脳を休めるノンレム睡眠と、身体を休めるレム睡眠に分けることができる。このノンレム睡眠とレム睡眠は合わせて1時間半程度を1セットとし、入眠から起床までに5回ほど繰り返されている。そのうち初めの2回ほど、前半のノンレム睡眠は特に眠りが深く、脳を十分に休めることができている。一方、後半のノンレム睡眠では、脳はある程度活動を始めており、比較的浅い眠りであると言える。
記憶の定着や関連付けが促進されるのは、このうちの浅いノンレム睡眠のタイミングである。このタイプの浅いノンレム睡眠は一晩の睡眠の後半に訪れるため、記憶の定着のためにはノンレム睡眠とレム睡眠を何回か繰り返すことができるくらいの十分な睡眠時間を確保することが重要となる。
■夜更かし、深夜の夜食は今日からやめ!
「会社で試験があるから」と、睡眠を削ったあげく、深夜に小腹が減りお菓子をボリボリ…などという生活をしてはいないだろうか。
睡眠習慣の乱れ、夜更かしは睡眠不足を助長し、記憶力の低下を招いてしまう。さらに、それだけではなく、夜遅くまで起きていることは夜食などの好ましくない食事習慣にもつながりやすい。そして深夜の食事習慣は、海馬での記憶能力を障害してしまう。
さあ、今日から少し生活を見直してみよう。健康だけでなく、記憶力までも改善されるかもしれない!