癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

この世を去る時のシチュエーションを考えた人は多いだろう。
私も幾度となく考えたことがある。

それこそ子供の頃、既に考えていた。
もちろん深い意味はなく、テレビで人が亡くなるシーンを真似ていただけだ。
それでも、あんな死に方カッコいいな・・・とか子供ながらに
死ぬときのシチュエーションを思い描いた。

年を重ねるごとに、そんな妄想は現実のものとして認識されるようになり、
タレントが、知人が、恩師が、親がこの世を去る度に考えさせられている。

どのような死に方が一番良いのか・・・
それも個人個人の考え方次第。
どんな死に方が一番いいだろう。

正直言って、今の自分の考えは一つにまとまってはいない。
逆に、嫌な死に方ならばいくらでもある。

基本的に、人は自分の死に方とシチュエーションを選ぶことはできない。
例えば病気を患い、余命宣告をされ、治療しながら天命を待つ状況であれば
何らかの準備や支度が出来るかもしれない。

しかし、突然死ならばどうだろう・・・。
他界する数か月前、若しくは数日前に
突如として身の回りの整理を始めた人がいるという話は聞いたことがあるが
それは稀な出来事なのだろう。

何の前触れもなくこの世を去る人は後を絶たない。
何の準備も出来ずに、心半ばにしてこの世を去らなければならない。
もちろん心の準備も出来ていない。
そう考えただけでも心残りを感じる。

その中で、孤独死というシチュエーションでこの世を去る人も多い。
私は孤独死は避けたいと願っている。
もちろんそうでない人もいると思う。

動物の中には自分の死期が分かると群れから離れて
孤独の中で死にゆく動物もいるらしい。
同じ動物である人間がそういう感情を持ったところでなんら不思議はないだろう。

人も動物も必ずしも寿命では死なないし、必ずしも病気で亡くなるわけでもない。


ある人は言う、何の痛みも苦しみも感じることがないくらいに
突然逝きたい・・・と。

確かにそれもいいかもしれない。
ただ、何の前触れもなく、何の準備も出来ていない状態では・・・
果たしてどうだろう・・・
やはり心残りという観点では悔いが残るのではなかろうか？

どうしてもある一定の範囲でシチュエーションであったり
死期であったりと、条件付きのものになってしまう気がする。

基本、死に方は選べない。
人の死に方には似ているものはあっても同じものはない。
1000人いたら1000通りの死に方が存在するはずだ。
原爆の被害者も津波の被害者も一人一人にドラマがあるように。

人の数だけ、死に方が存在する。


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