2016年09月16日
新素材セルロースナノファイバー(CNF) (ポスト炭素繊維)
新素材という言葉が新聞紙上を常に賑わしていますが、繊維に関してはこれまでは主に炭素繊維が主役でした。
炭素繊維使用製品はスポーツ用品から始まり、機械部品を経て航空機、車に使われ出し完全に一大産業素材となりました。
世界の主要メーカーが開発を断念するなか、日本のメーカー3社が50年以上も頑張り続け、世界生産量の大半を製造するに至りました。
ポストカーボンファイバーとし、最近は、カーボンナノチューブ(CNT)、炭化珪素(SiC)繊維、クモの糸、セルロースナノファイバー(CNF)などが新聞を賑わしています。
このなかでセルロースナノファイバー(CNF)はカーボンナノチューブ(CNT)と言葉上は一寸紛らわしいのですが、
全く違った素材ですので、今回はより身近で、大量生産の可能性が近いセルロースナノファイバー(CNF)についてその概要をご紹介します。
CNFはセルロースからなる植物に化学的、機械的処理を施して取り出した直径数〜数十ナノメートルの極細繊維状物質で、重さ(軽さ)は鉄鋼の5分の1、強さは5倍以上とされ、熱による膨張収縮が少なく、樹脂等に添加することで様々な機能を持つ素材を製造出来、国も経産省始め農水省、文科省も積極的に産業化を支援する体制に入っています。(詳しくは下記動画@、Aご参照)
原料が炭素繊維の様に石油ではなく植物なので、森林国である日本が原料から自給出来る素材です。
その結果、木材産業、竹産業、製紙産業、柑橘類処理業等々植物廃棄物が出る日本全国でCNFを新たな地域産業に育てようと実用化を目指す連携組織が相次ぎ発足しています。
「セルロースナノファイバー(CNF)の概要は分かった。一体どんな製品が出来ているの?」という声が聞こえてきそうなので、早速現在迄の応用品の一部を紹介します。(出所:5月7日経産業新聞)
<CNF使用による効果> → <基礎製品> → <市販商品> → <メーカー>
・粘りを増す → インク、塗料、化粧品 → ボールペン → 三菱鉛筆ら
・金属イオンを吸着 → 消臭性物質 → 紙おむつ → 日本製紙
・高い透明度となる → 透明フィルム → 曲面ディスプレイ → 王子、三菱化学(開発中)
・機密性が高い → 高気密性シート → 食品包装材 → 大王製紙、愛媛大学(開発中)
・軽くて強い → ゴム、樹脂強化素材 → スポーツシューズ → 神栄化工(開発中)
靴底
そうそう、
今年の伊勢志摩サミットで上記ボールペンが各国代表に配られ好評だったことは記憶に新しいことですね。
CNFを使ったボールペンはここから購入出来ます。
またCNFを使った紙おむつは
尚、日本の状況は上記の通りですが、当然新セルロースファイバーの開発は世界中で競争が起きています。
各国の特許出願状況では、さすがに森林王国フィンランドの2社が上位1,2位を占め圧倒していますが、
3位には三菱化学、中国精華大学、5位王子ホールディングス、6位日本製紙、7位凸版印刷、8位花王、9位カナダ企業、10位京都大学。(1980〜2013年、天然高分子系ナノファイバーでの調査結果)
と日本勢が頑張っています。
セルロースナノファイバー(CNF)は現在はまだ高価(1万円/kg)の為、電気製品や自動車などの本命部材で実用化はまだなされていませんが、製造コストの大幅な低減が進めば大きな産業に育つ可能性は大です。
その時汎用品の分野から現在の炭素繊維製品に置き換わっていく事は十分予想されます。
今後セルロースナノファイバー(CNF)は眼を離せない素材分野です。
以下の動画をみればCNFが良く分かりますよ。
@優しい解説動画:脚光浴びるセルロースナノファイバー
Aより詳しい動画:TV「夢の扉」
炭素繊維使用製品はスポーツ用品から始まり、機械部品を経て航空機、車に使われ出し完全に一大産業素材となりました。
世界の主要メーカーが開発を断念するなか、日本のメーカー3社が50年以上も頑張り続け、世界生産量の大半を製造するに至りました。
ポストカーボンファイバーとし、最近は、カーボンナノチューブ(CNT)、炭化珪素(SiC)繊維、クモの糸、セルロースナノファイバー(CNF)などが新聞を賑わしています。
このなかでセルロースナノファイバー(CNF)はカーボンナノチューブ(CNT)と言葉上は一寸紛らわしいのですが、
全く違った素材ですので、今回はより身近で、大量生産の可能性が近いセルロースナノファイバー(CNF)についてその概要をご紹介します。
CNFはセルロースからなる植物に化学的、機械的処理を施して取り出した直径数〜数十ナノメートルの極細繊維状物質で、重さ(軽さ)は鉄鋼の5分の1、強さは5倍以上とされ、熱による膨張収縮が少なく、樹脂等に添加することで様々な機能を持つ素材を製造出来、国も経産省始め農水省、文科省も積極的に産業化を支援する体制に入っています。(詳しくは下記動画@、Aご参照)
原料が炭素繊維の様に石油ではなく植物なので、森林国である日本が原料から自給出来る素材です。
その結果、木材産業、竹産業、製紙産業、柑橘類処理業等々植物廃棄物が出る日本全国でCNFを新たな地域産業に育てようと実用化を目指す連携組織が相次ぎ発足しています。
「セルロースナノファイバー(CNF)の概要は分かった。一体どんな製品が出来ているの?」という声が聞こえてきそうなので、早速現在迄の応用品の一部を紹介します。(出所:5月7日経産業新聞)
<CNF使用による効果> → <基礎製品> → <市販商品> → <メーカー>
・粘りを増す → インク、塗料、化粧品 → ボールペン → 三菱鉛筆ら
・金属イオンを吸着 → 消臭性物質 → 紙おむつ → 日本製紙
・高い透明度となる → 透明フィルム → 曲面ディスプレイ → 王子、三菱化学(開発中)
・機密性が高い → 高気密性シート → 食品包装材 → 大王製紙、愛媛大学(開発中)
・軽くて強い → ゴム、樹脂強化素材 → スポーツシューズ → 神栄化工(開発中)
靴底
そうそう、
今年の伊勢志摩サミットで上記ボールペンが各国代表に配られ好評だったことは記憶に新しいことですね。
CNFを使ったボールペンはここから購入出来ます。
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尚、日本の状況は上記の通りですが、当然新セルロースファイバーの開発は世界中で競争が起きています。
各国の特許出願状況では、さすがに森林王国フィンランドの2社が上位1,2位を占め圧倒していますが、
3位には三菱化学、中国精華大学、5位王子ホールディングス、6位日本製紙、7位凸版印刷、8位花王、9位カナダ企業、10位京都大学。(1980〜2013年、天然高分子系ナノファイバーでの調査結果)
と日本勢が頑張っています。
セルロースナノファイバー(CNF)は現在はまだ高価(1万円/kg)の為、電気製品や自動車などの本命部材で実用化はまだなされていませんが、製造コストの大幅な低減が進めば大きな産業に育つ可能性は大です。
その時汎用品の分野から現在の炭素繊維製品に置き換わっていく事は十分予想されます。
今後セルロースナノファイバー(CNF)は眼を離せない素材分野です。
以下の動画をみればCNFが良く分かりますよ。
@優しい解説動画:脚光浴びるセルロースナノファイバー
Aより詳しい動画:TV「夢の扉」
タグ:セルロースナノファイバーを使った商品、ボールペン、三菱鉛筆ユニボールシグノ、UMN-307 ポスト炭素繊維 セルロースナノファイバー(CNF)、炭素繊維、新素材、極細繊維、鉄の5倍の強度、鉄の5分の1の軽さ
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