2018年05月22日
うま味は海外でも「UMAMI」として通用 日本の伝統食品「塩麹」
近年の流行によって、知られることになった塩麹。最近はブームが下火になったものの、塩麹はスーパでも簡単に手に入るようになっている。この塩麹が海外でも注目されているという。
□塩麹は海外からも注目されるように
味噌メーカーで知られるハナマルキは、国際的な食の祭典に、自社の製品である液体塩麹の「SHIOKOJI」を出品したところ、海外のシェフから高い評価を得たという。SHIOKOJIが注目された主な点は、うま味と機能性だ。たしかに液体状の塩麹は、単に味付けとして使うだけでなく、漬けたり、和えたりするなど、さまざまな料理にも応用が効きそうだ。
□塩麹はこんな食品
塩麹は、もともと麹に塩と水を加えて常温で発酵したものだ。見た目は甘酒のようで、塩味の中にほんのりとした甘味がある。また塩麹に含まれる酵素が、食材を分解することで柔らかくなるだけでなく、うま味も増すようになる。塩麹を新しく開発された調味料と考える人もいるかもしれないが、その歴史は江戸時代にまでさかのぼり、日本の伝統食品のひとつだ。
□UMAMIは世界共通語
海外で注目された塩麹のうま味とはどんなものか。うま味と聞くと、さまざまな味を総合した味のような印象を受けるが、そうではない。うま味は、甘い、しょっぱい、酸っぱい、苦いなどの味とは独立した味のことで、昆布のだし汁を元に日本人の科学者によって発見されたものだ。研究成果は世界で発表され、うま味は海外でも「UMAMI」として通用する。
□うま味があると美味しいと感じる
人間の舌にはうま味など味に応じた化学成分をキャッチするための受容体があり、この刺激が脳で統合されて、味覚として認識される。
筆者が観た海外の番組に、うま味に関する実験を行ったものがある。料理を2つに分け、片方にうま味成分をひとつまみ加えて、どちらが美味しいか食べた人に選んでもらうという内容だ。結果、同じ料理でも、うま味成分を加えた方が、美味しいと感じた人の方が圧倒的に多かった。これは、被験者がうま味を感じ取れたことを意味するものでもある。
□時短料理にも塩麹が活躍するかも
うま味を利用するのに昆布やかつおから出汁を取るのは、手間かかるものだ。時間のない人は塩麹を使用して、食材のうま味を引き出すのもよいだろう。