2018年05月19日
傷の治りかけのケロイドがかゆい!知っておきたい正しいケロイド治療
出来た傷がなかなか治らず、赤くはれ上がっている。ミミズ腫れのような跡になってしまっている。このような人はいませんか?
これらのような症状を、「ケロイド」と呼びます。ケロイドは、痛みやかゆみがあるだけでなく、見た目にも目立つため、人に指摘されてしまうことも悩みの種です。
そこで、ケロイドの原因や治療方法・予防方法などのついて、ご紹介します。
要チェック項目
□ケロイドには2種類ある
□ケロイドは治療によって改善することができる
□ケロイド予防には体質改善と傷のケア
ケロイドとは?
ケロイドとは、皮膚に出来た傷がなんらかの原因でコラーゲンが増殖したことによって、傷が盛り上がってしまった状態のことです。
ケロイドは、遺伝や体質によって起こりやすいものであると考えられています。ケロイドには2つの種類があります。
真性ケロイド
真性ケロイドは、もとの傷跡を超えて範囲が大きくなるのが特徴で、境目のはきりとした扁平隆起性から半球状隆起がみられます。
色は鮮紅・紅褐・褐色となっており、かなり目立ちます。少しずつ側方に進行しながら中央部が退色扁平化していきます。
横からつまむと痛みを感じる「側圧痛」というものがあります。
肥厚性瘢痕
肥厚性瘢痕は、傷の部分を越えて周囲に拡大することはなく、隆起や紅色調も少ない傾向にあります。側圧痛を感じることもありませんが、かゆみを感じることがあるようです。
ケロイドが出来る原因ときっかけ
ケロイドが出来る原因やメカニズムについては解明されつつありますが、いまだにわからない点も多い疾患です。ケロイドが出来る原因やきっかけについて、みていきましょう。
ケロイドが出来る原因
ケロイドが起こる原因は体質といわれており、この体質は遺伝である場合があります。このように遺伝で出来るケロイドを「家族性ケロイド症」といいます。
家族性ケロイド賞は黒人種に多く白人種には少ない傾向にあり、日本人は中間に値するといわれています。
ケロイドができるきっかけは?
ケロイドは、首や肩など、体の中心部となる体幹に出来やすく、腕や足などには出来にくいといわれています。帝王切開による出産をした女性が、切開跡がケロイドになってしまうケースは比較的多いようです。
また、ピアスをあけた穴がケロイド化してしまうこともあるようです。
ケロイド体質かどうかを見極める方法
ケロイドは、大きさによってはとても目立ってしまいます。また、かゆみや痛みなどを伴う場合には、苦痛も感じることでしょう。そのため、できればケロイドとなってしまうのを避けたいところです。
自分がケロイド体質かどうかを知っておくことで、傷が出来た際のケアなどによってケロイド化してしまうのを防ぐことができるかもしれません。
家族にケロイド体質の人がいるかどうか
家族の中に、ケロイド体質の人がいるかどうかをチェックしてみましょう。もしいるとしたら、自分もケロイドが出来やすい体質かもしれません。
ニキビや虫さされの治り方で判断
ニキビや虫さされの後がジュクジュクしたり赤く盛り上がったりすることが多い場合には、ケロイド体質である可能性があります。ニキビや虫さされの跡が赤く盛り上がり、その跡がなかなか消えなかった人は、要注意です。
ケロイドの治療方法は?
出来てしまったケロイドを消したい! 痛みやかゆみから解消されたい! という人も多いのではないでしょうか? ケロイドには、症状にあわせた方法で治療をすることで、ケロイドの悩みを解消することが期待できます。
レーザー手術
ケロイドの治療には、内科的レーザー治療という方法があります。ケロイド部分に弱いレーザー光を照射し、血行を改善したり炎症を抑え痛みを和らげたりする効果があります。
ケロイド部分を切除
ケロイドそのものを切除する方法もあります。この方法の場合、その手術跡が新たなケロイドとなってしまうこともあるため、手術後に適切なケアをする必要があります。
術後ケロイドができないように、ステロイド注射やレーザーなどを併用することが多いようです。
ケロイドが大きく目立つ場合には、切除することで見た目が大きく改善されます。
ステロイド治療
ケロイド内にステロイドを注入し、炎症を抑えて線維芽細胞の増殖を抑えることで、ケロイドを防ぎます。
ステロイド治療は、ケロイドに注射をすることになるため、かなり痛みを伴うのが懸念点です。病院によっては局所麻酔をしてくれるところもあるため、痛みに弱い人は相談してみると良いでしょう。
内服薬・外用薬
ステロイド軟膏やヒルドイド軟膏など、ケロイド組織の炎症を抑える働きのある外用薬を使った治療もあります。
内服薬については、「リザベン」という傷の回復を早める効果のある薬を処方されることが多いようです。そのほかに「柴苓湯」という漢方薬もケロイド治療に用いられることがあります。
圧迫療法
ケロイド部分にシリコンシートやシリコンテープを貼って力が加わらないようにすることで、ケロイド部分の隆起を防ぐ方法もあります。これを「圧迫療法」とよびます。
ケロイドは、傷の部分の皮膚が引っ張られるなど力が加わることで悪化する特徴があります。そのため、圧迫療法で傷を保護することで、ケロイドの悪化を阻止することが期待できます。
ケロイドにならないための予防方法や対策
ケロイドが出来やすい体質の場合、ケロイドができないように予防方法や対策をしっかりと実行することで、傷のケロイド化を避けることができます。
体質改善をする
ケロイドは、疲労や食生活などによって免疫力が落ちてしまうと、よりできやすくなってしまいます。そのため、適度な運動や栄養バランスの取れた食生活・質の良い睡眠などを心がけて、強い体を作っていくことが大切です。
また、ケロイドはアレルギーがあると悪化しやすい傾向にあるため、体質改善することでアレルギー症状が抑えられれば、ケロイドにもなりにくくなる可能性があります。
傷ができたら入念にケアする
ケロイドができやすいという自覚がある場合には、傷が出来てしまった後のケアを入念に行いましょう。傷が出来たらテープなどで保護し、傷に不要な力が加わらないようにすることで、ケロイドができにくくなります。
状況に応じて皮膚科を受診し、外用薬や内服薬も併用すると、よりケロイドができる心配がすくなくなるでしょう。
対策や予防を知ってケロイドを正しくケアしよう
ケロイドが出来やすいかどうかは、体質と傷へのケア方法が大きく関わっています。
もしもケロイドが出来やすい体質の場合には、傷跡へのケアをしっかりと行うことで、ケロイドを予防することができます。
また、すでにできてしまっているケロイドについても、症状に合わせた治療を行うことで、ケロイドの悩みを解消することもできます。