2017年04月18日
あなたの幸福度は遺伝子で決まっている? 幸せの3遺伝子発見
「あなたの人生は幸せですか?」
そりゃ、人が何と言おうが、自分が「幸せ」と感じるのなら、「幸せ」に決まっている。いわゆる“気分”と呼ばれるものだろうか。それも確かにある。
しかし、人が自分のことを幸せと感じる要因は他にもあるという。遺伝子の働きだ。
□幸福感は遺伝子が支配している?
ブルガリアのバルナ経営大学などの研究チームは、幸せ度を聞いた世界各国の調査結果と、快楽の感情などをつかさどる「アナンダミド」という神経伝達物質に関係するある遺伝子変異についての民族ごとの割合のデータを照合した。
その結果、幸せだと答えた国民が最も多かったメキシコで、この遺伝子変異を持つ人の割合が最も高いことが分かった。同じ傾向がみられたのは、ガーナ、ナイジェリア、コロンビア、ベネズエラ、エクアドル。どれも明らかに経済的に豊かな国とまではいえない。しかし、国民は幸せと感じている。
国民の幸福感には、国の政権の安定度や経済状況などが関係していると思われがちだが、遺伝子変異も大きく関係している可能性があるのだ。
□幸せと感じるかどうかには、3つの遺伝子変異がポイント
さらに詳しい調査も行われた。アメリカのベイラー医科大学など17カ国、140の研究機関、190人の研究者が関与した大規模な調査では、30万人のゲノムデータが分析された。そして、幸福感に関係しているのは3つの遺伝子変異であるということまでもが突き止められた。その遺伝子変異は主に中枢神経系で見つかることも分かった。
□では、特定の遺伝子変異がなければ不幸せなの?
それなら、もし、その遺伝子変異が自分には見つからなかったら、幸せにはなれないということなのだろうか…と心配になる。しかし、研究チームは、「遺伝子がすべてではない」と話す。遺伝子は幸福度を判断する目安の1つにすぎない。
人がある特定の症状を発症したときに、遺伝子がその原因を解明する助けになることは多い。それと同じように、特定の遺伝子変異があることは、人によって幸せの感じ方が違うことを説明するのに役立つ可能性がある。
とはいえ、幸せを感じる遺伝子変異が自分にもあったらいいなと思う。将来、その遺伝子変異を人工的に起こすことが可能になれば、世界中の人が幸せを感じることができる、そんな日が来るのかもしれない。