2017年04月13日
赤ちゃんの安心感を優先して。 添い寝のススメ
今回は、赤ちゃんと一緒に寝ることのメリットについてお伝えしながら、幅広い年代の子どもとの添い寝について考えたい。
□子どもは別室…欧米の育児方法は間違っている?
本当にアメリカの研究者が?と思ってしまうが、アメリカのノートルダム大学母子行動睡眠研究所のジェームズ・マッケナ博士は、赤ちゃんと一緒に寝ることを勧めている専門家の1人だ。
日本では添い寝は一般的だが、欧米ではむしろ少数派だ。赤ちゃんの頃から、自分の部屋を与えられ、1人で寝るのが普通だ。
そのアメリカで、マッケナ博士は添い寝を勧めている。欧米の育児の考え方は、「赤ちゃんにこうあってほしい」という大人の意向を反映したものだと言われており、マッケナ博士は自分の子どもが産まれたときに育児本を読んでショックを受けたほどだそうだ。
□人間の赤ちゃんを自然人類学的にみると成長はかなりゆっくり
なぜ、マッケナ博士は添い寝を勧めるのか。
テレビで動物の出産シーンにお目にかかることがよくあるが、牛や馬など動物の赤ちゃんは、産まれてたったの数時間で立ち上がり歩くことができる。それに比べて、人間の赤ちゃんはどうだろう。一般的には1歳になってから歩くのが普通だ。1年もかかるのだ。
人間の赤ちゃんは他の霊長類に比べても、成長のスピードが最も遅い。人間の赤ちゃんはお母さんやお父さんの手を借りて、ゆっくりと成長していく。
□おなかの中の環境と同じが「安心」
お母さんのおなかの中で赤ちゃんは、約10カ月間ずっと、お母さんの鼓動や呼吸、声、体温などを感じながら過ごしている。生まれてからも、これらの音が聞こえる場所が、赤ちゃんが安心できる場所だ。
赤ちゃんは頭を下向きにしておなかに入っているので、お母さんの心臓に近いのはお尻の辺りなのだ。この方法で寝かし付けると、確かに、すーっと寝ていく。
だから、少し大きくなっても、お母さんの呼吸や心臓の音、声を聞いて寝ると、子どもたちは安心して眠ることができるのだ。
さて、いつまで添い寝を続けるか。ここが問題なのだが、ここは子どもの成長具合を見て決めていくしかない。