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2020年05月07日

FF7リメイク フィーラーについて



何度も何度も行われたリメイクではなくリマスター発表のFF7、待望の作品、クリアしました。22時間ぐらい掛かって、一週目クリア。今、二週目で半ば放置していた、クラウドの「なんでも屋」の仕事回収等を行っている最中。ゲームの戦闘はアクションゲーに近いところがあり、FF10以降離れていた所為か、大きく戦い方が変わったなぁと思いつつも、バトルやアクションが苦手な人でも充分にクリア可能(とはいっても、バイクバトルのラスト直前は三回ぐらいリトライしてしまったが……)。
個人的には、時間先延ばし的なダンジョンの追加や狭い路地を移動する際のゆったりとした動きが気になったものの、原作ではさほど強調されていなかったウータイ戦争や本アバランチなどの掘り下げが良かった。
フィーラー(ハリポタのアズカバンの囚人で出てきたディメンターみたいな奴)を通じて、キャラクター達が未来を見ることになるのだが、今回はフィーラー及び様々な要素について考察していきたいと思う。

【考察】


まず、完全攻略とは言えないもののプレイを終えた感想としては、「このリメイク作品って、ループや平行世界なんじゃね?」と、プレイ中、誰もが思った疑問を抱いた。

作中で明言されたフィーラーの役割としては、ナナキレッド13いわく「星の運命を定める」といったもので、クラウドをはじめとしたキャラクターが星の予定にない行動や動きを見せた途端、阻害したり逆に助けたりしている。顕著な例としては邪魔する場合、タークスによるプレートを落とす際の大量発生。助力する場合、教会でエアリスを助ける・セフィロス(偽)に刀で刺されたバレッドを治療するなど。
朧げな記憶だが、原作FF7では古代種の都に行く途中のダンジョンで、時間の番人的なキャラクターと追いかけっこした記憶があるほか、時計の針を使ったポケモンのジムみたいな謎解きにすらなっていない単純なダンジョンがあった。もしかすると、フィーラーはこのキャラクターと関係性があるかもしれないが、リメイク版ではミッドガル脱出までなので、未だ不明。

フィーラーは単純に訳すなら、フィラーであるものの「空白など埋める・繋ぐもの」を意味する。セフィロスやティファの名前の由来と思わしき、セフィロトの樹やセフィラを視点に考えるならば、単純に考えてカバラ思想から派生したタロットカードである「運命」や「世界」、「審判」などが該当していると推測される。

作中でフィーラーが及ぼした影響として、クラウドをはじめとして、クライシスコアのやアドベントチルドレンの映像がキャラクターたちの脳内に流れ込んでくるが、クライシスコアは前日譚(終盤)、アドベントチルドレンは後日譚(序盤)など、示唆的に感じる。

その他に話を先取る形で、神羅が人間を魔晄液に浸してモンスターを創造していたなど、原作ならばミッドガル脱出後、クラウドの口から語られる自身の過去から判明する社の暴露、本来ならば死亡確定していたはずのビックス(不明)、ウェッジ(確定)、ジェーシー(推察)が生存しているなど、大きな違いがある。原作厨と言われるフィーラーであるが、本当に原作厨なら、アバランチのこの三人は生きていないはず。いや、原作厨だからこそ生かしたのかもしれないが……。
その他に、エアリスが古代種でありながらもその存在を知らなかった。神羅に幼少期囚われていた時期、彼女が発言したところ「黄色い花が道しるべ」、「フィーラーが接触する度記憶が抜け落ちていく」などの発言をしている。

神羅社を脱出した後で、本格的にフィーラーが活動するのだが、フィーラー・ロッソ、ヴェルデ、ジャッロが敵対する。この三体を通じて、本体のフィーラーにダメージを与えていくのだが、ロッソは剣でクラウド、ヴェルデは格闘、ジャッロは銃を操り、星の未来を守るといったことがモンスターマテリアルで明記されている(みやぶる使用必須)。
ロッソ、ヴェルデ・ジャッロの三人は明らかに、クラウド・ティファ・バレッドの三名を彷彿させる他に、単純に訳して「赤・緑・黄」になる。セフィロトの樹で考えるなら、赤(ロッソ)はケブラー、緑(ヴェルデ)はネツァク、黄(ジャッロ)はテイファレト。

ケブラーは峻厳、ネツァクは勝利、テイファレトは美を意味するが、前述で記載したタロットカードの関係性におけるところ、

  • ケブラー&テイファレト=「正義」
  • テイファレト&ネツァク=「死神」


と、相反するものになる。
なお、ケブラー・ネツァク・テイファレトの三要素は三柱と三組、そしてタロットカードにおける三例になっていない他、ケブラーとネツァクの守護天使であるカマエルとハニエルの二つが「神を見るもの」であるのに対して、テイファレトは「神の存在を疑問に思うモノ」とこちらの方も合致していない。
フィラー名義の場合「空白を埋める・繋げる」モノといった要素がある程度、関与しているかもしれない。

誰でも推察できるように、今後のゲームの選択肢次第ではエアリスの生存が示唆されている他に、ザックス生存説(クライシスコアのムービーとリメイクで明確に異なる点として、犬のイラストの有る無し。神羅兵に勝利?)が囁かれているように、セフィロスの方も意味深な発言を繰り返している。

クラウドがセフィロスに出会ったのは、原作におけるホーリー発動前のライフストリーム内の精神世界内であるが、リメイク版はクラウドが覚醒していない所為か翻弄されている。その際にセフィロスはクラウドを「未来を変えたくはないか」といい、仲間に誘うような発言をしている。
そこで疑問に思うのは、『なぜセフィロスがクラウドを仲間に誘うか』といった点である。
リユニオン(集合)の性質を考えればさして疑問に思わないが、原作厨たるフィーラーが未来を変えないように動き、シナリオ通り順調にいけばクラウドは黒マテリアを自ら手渡すため、わざわざそうする必要はない。
たとえエアリス同様、ある程度未来を知っていたとしても、アドベントチルドレンにおける「地球を舟にして宇宙を旅し理想の土地を見つける」といった発言通りに明確に敵対しているため、利用する腹積もりであったとしても、セフィロスが仮や偽りとは言えども性格的に勧誘するのは考えづらい。
なお、リメイクでも「生きたいだけ」と言っていたようにアドベントチルドレンでは「私は思い出なんかにならないさ」とは矛盾しない言動をしている他、個人的にどうも敵なのかどうか、態度が曖昧に感じた。ジェノバを母と定める以前のセフィロスの雰囲気があったような気もする……。
もしかしたら、エアリス生存説のようにセフィロスが仲間になる説もあるかもしれない。ドラクエ4でもデスピサロが仲間になったし……。
エアリスがセフィロスに対して「あなたは間違っている」、「本当の敵は神羅ではなくセフィロス」と述べていたが、リメイク版はセフィロスの目的は単純にメテオをぶつけてライフストリームを溢れさせるものではなく、別のモノになっている可能性があるが。でも神羅内でエアリスはフィーラーの接触により、不完全になっているから、鵜呑みにしちゃいけないと思う。

まだゲームリメイクの序盤ゆえ色々と考察の余地と情報不足だが、エアリスはクラウドの行動や選択肢次第によって生死が分かれるものだと十二分に推察できる。しかしFF7が人気になった最大の理由としてエアリスの死が挙げられるので、二週目は分からないが、死亡は避けられないものだと思われる。

というか、フィーラーの存在を通じて浅慮ながら考えた結果、もしかして「白マテリアの発動条件は術者(エアリス)の死が前提」なのではないだろうか……?

クラウドとエアリスがはじめて教会で出会ったとき、「使い方を知らないだけだろう」といったように、ホーリー発動条件が上記の考察が本当なら、個人的にフィーラーの阻害や助力などの行動源にある程度、納得ができる。
上記を踏まえた点で、フィーラーを通じた未来予知のような能力はもしかすると、エアリスが生存しホーリーが発動せずメテオが衝突し、地球滅亡に陥ったのではないだろうか。時間のマテリアもあるし(原作では序盤では手に入らなかったはず)、パラレル説も有力であるが、時間を巻き戻したのかもしれない。
ちなみにホーリー発動によりライフストリームがメテオを退けたのは、星自身による判断と原作では明言されていたので、的外れではない……はず……。続きを読む...

2020年05月03日

幽☆遊☆白書の「禁句(タブー)の能力」⓶

【概要】


飛影の魂が海藤の手により人質に取られたことにより、ソレを取り戻すため一行はかなり不利な状況であるにも関わらず、海藤に挑むことになる。蔵馬は「お前を倒したら飛影の魂は戻るのか」と質問しながらも、「負けたことがないから分からない」と返答し、テリトリー内に、海藤独自の俺ルールはあるものの出入りの方は自由であり、帰るか戻るかの二択を迫られることになる。
しかし、桑原は「選択肢はもう一つある」といい、その方法は飛影の魂を放置して先に進むといったものであった。桑原は海藤に「意外と頭が良い」と言われつつも、柳沢が次へ移動するための鍵を所持している状態であった。桑原は暴力を用いて、鍵を奪おうとするも海藤を斬りかかった飛影と同じように、テリトリー内は言葉のみが力を持つ空間のため、ダメージを与えることは出来なかった。

蔵馬・ぼたん・桑原だけの三人でテリトリーを突破する方法はあるものの、「飛影の魂を取り戻すことが優先」されたために、異常な湿度と高温度の中で持久戦は余技なくされる一行。
持久戦の戦いとはいっても、ただタブーである「あつい」を言わなければ、どうということもないので、座っているだけで刻一刻と時間が過ぎる状況に、桑原は我慢が出来なくなって来たのか、「禁句を言わなければいいだけ」と考え、蔵馬経由で海藤に関する情報を入手する。
一通り海藤の説明が終わった後、蒸す部屋に咽喉の渇きを汗だくになりながら悪態を吐く桑原に冷蔵庫に飲み物があることを教える。桑原は敵側が提供する飲み物に「自白剤が入っているのではないか」と警戒心丸出しで詩的するも、「その発想はなかった。キミ、本当に頭が良いな」と言われるも、前述で文章の天才だと述べられていた桑原は素直に喜ぶことは出来なかった。
じっとしていることに落ち着きがないのはぼたんも同じなのか、自ら率先して「自分がやる」と言い、冷蔵庫の中を空ける。
オレンジジュースで良いよねとぼたんが尋ねたところ、双方は承認。しかし、桑原は「ああ。ついでに氷を入れてくれ。コップは透明でストロー付き」と、やたら多い注文をぼたんに指示するも、その途端、魂が引き抜かれる。ぼたんは咄嗟に「桑原くんは、あついといっていない」と飛影同様の失態を犯し、蔵馬を残して皆は魂を引き抜かれる結果になった。
実はテリトリーにはとある落とし穴があり、「聞かれなかったから言わなかったけど、を連続して言ってはいけない」という、隠しルールがあったのである。これは単純に「熱い」ではなく「あつい」にすることで、タブーの判定の幅と応用性を高めるためのものであり、海藤が意図的に熱帯植物を育てる環境を室内に拵えていたのは、先入的に「あつい」とは「熱い」だと誤認識させるためのものだと推測される。

霊力の力とは異なった、ハンターハンターの念能力に近いテリトリーの能力であるが、植物を操る能力を持つ蔵馬からすれば、攻撃を行えなければルール違反の当たり判定にならないと判断したのか、柳沢が胸ポケットに入れておいた鍵を盗み出す他に、室内にあった植物を利用して眠らせるなど、機転の利いた行動を実行している。

蔵馬と海藤が二人きりになった状況下、蔵馬は「いつまで経ってもタブーを言わないことを前以て予想していたのか」、海藤は元々テリトリー内のルール―を上級にするつもりでいた。ルール―変更(タブー)の申し込みを出したのは蔵馬の方からであるが、禁句を海藤の任意で変更することが可能。テリトリーの範囲は10m程度とものであるが、黙ってタブーを変更するなどの方法を取れば、ほぼ最強の能力と言ってもいいかもしれない。

さて、蔵馬は45分以内で勝負をつけると宣言し、その変更内容は「半濁・濁音を含めた五十音が1分経過するごとに使用できなくなる」というものであった。最初の一分では「あ」、二分では「い」、三分では「う」といった具合に、言葉の制限が掛かるといったものである。
幽白の『タブー』の話は海外でも翻訳され、自分は惜しむらくべきことに英語はサッパリなのでよく分からないが、あいうえおよりも半分程度少ないアルファベットで表現するなど、その完成度はSCP-931並みに完成度が高いらしい。

蔵馬が提案した時間が経過するごとに言葉の制御が重く圧し掛かるタブーであるが、母音の「あいうえお」がなくなっても存外喋れることが判明。か行の文字が消える中、言葉のスペシャリストであったとしても、さすがに焦りを覚えられなかったのか、海藤は蔵馬に何が目的なのか尋ねるも、「さてね」の言葉ではぐらかせられる。
便所に立つ海藤であったが用を足す途中、蔵馬の目的について考えを巡らせる中、真相に気付いた海藤は急ぎながら、トイレから出るも柳沢が眠れされた状態で発見されている。

海藤は「会話ができなくなる状況で言葉を発せさせることが蔵馬の目的である」と既に見破っており、部屋中に植物を操る能力で異常に繁栄した、ジャングルのような状態になった室内の中、「喋ってはならない」と口元を抑え、草の茂みの音にびくつきながらも、残りの言葉が「わ・を・ん」しか喋れない状況下、シャンデリアで待機していた蔵馬は海藤を驚かすため「わ!」と声をかける。しかし海藤は思わず声が出かけたものの、何とか堪え、勝利を確信し背後にいる蔵馬の方を振り返るが、その行動が災いして、蔵馬の変装もとい変顔を直視し、「あははは!」と大爆笑して参加者同様同じリスクを負っているのか、自分の魂がむき出しになった状態で敗北することになる。(後に幻海の手によって、魂は肉体に戻させられた)。

海藤の敗北で、三人の魂が肉体に戻るが、蔵馬は海藤に何を見せたのかと尋ねるも、「企業秘密」との一言で教えてくれない。
蔵馬がいなかったらぞっとすると桑原が感想をもらす中、「こういうのは心理的にタブーを言わなければ勝てると思っていた方が撒ける」と述べていたように、海藤も無言のままでいればあと一、二分で勝利出来ていた事実があるものの、蔵馬の言うことは確かに正しかった。
あとクイズゲームに強いことは松尾末吉でも知っている。
天沼のポロロッカは有名。

【余談】


実は海藤は、幽助・ぼたん・飛影・蔵馬などをはじめとした主役キャラ以外の脇キャラであるにも関わらず、蔵馬の正体を知っている人間である。魔界の穴の協力者であったことも関係しているだろうが、お得意の植物で記憶を消されておらず、意外と本音で喋り合える珍しいキャラクターだったりもする。
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2020年05月02日

幽☆遊☆白書の「禁句(タブー)の能力」


【概要】


『幽☆遊☆白書』とは冨樫義博により、週刊少年ジャンプで1990〜1994年にかけて連載された、後半かなりの駆け足であったものの完結した漫画である。個人的に幼少の頃、再放送などで視聴した記憶はありながらも、記憶は結構曖昧。中学生頃になって漫画を購入し、キャラクターが『飛影・蔵馬・幽助・桑原』といった順に好きであったが、大人になって読み返すと、趣味が変わると言うか今では『桑原・幽助・蔵馬・飛影』といった順に好きな順番が様変わりしている。

幽白は三十年近く連載が終了しているのにも関わらず、レベルEと同じくらい根強いファンの多い作品であるだけでなく、戸愚呂弟の「下戸なんでオレンジジュース下さい」だの、戸愚呂兄に至ってはモンストのコラボCMの際、又吉が戸愚呂兄を演じるだけでなく、姉者役として椿鬼奴が演じるなど、今でも話題は事欠けない。邪念樹の幻覚世界かな?
なお、二次創作で戸愚呂神話なる「わけがわからないよ」の一声につきるファンアートが作成されている。いやもう本当にわけがわからない。邪念樹の幻覚世界かな?

また元祖・中二病の原点にして頂点といっても過言ではない、蛇王炎殺黒龍波、「残像だ」、コミケで蔵馬との薄い本が九割方席巻するなど、数々の伝説を作り上げている。始祖的な男バージョンのツンデレとの声が多い。女性版のツンデレはルイズではなく、手塚治虫の漫画『リボンの騎士』に登場するヘケートであるらしい。
個人的には男版のツンデレで完璧な存在なのは犬夜叉に登場する殺生丸様。女版のツンデレで一番好きなのは「遊んでくれてありがとう、つまらなかったわ」との発言で有名な早過ぎたツンデレことDQZのマリベルだと、個人的に思ってるの。好意を示す意思表示による行動はあからさまだが、表面上はそのままの状態を維持しているのが高ポイント。

幽白はなろう系の異世界転生小説の先駆け(?)なのか、主人公である幽助が冒頭で死亡し、コエンマの采配で「予定にない死」を理由に復活するための善徳を積むだけではなく、物語り後編で魔族大覚醒なるジャンプ特有の後付け設定により、ほぼ生まれ変わり転生に等しい形で魔界に赴き、魔界トーナメント編ではS級妖怪になったことも手伝ってか、案外、異世界転生小説の先駆けといっても過言ではない。
他になろう系転移モノとして挙げられるのは、烈火の炎の作者の作品である『メルヘヴン』であるが、あちらはあちらでチェスのトーナメントバトルで敵側が背中から倒れて死亡するなど、ワンパターンな敗北と捻りのない戦闘が目立ち、前半は面白かったのに後半のストーリーはいまいちである。『メルヘヴン』は他の作者により続編が作られたものの、そっちの作品の評価も個人的に芳しくない。

ちなみに、どろろや鬼太郎の妖怪ブームに便乗したのか、それともリメイクのフラグかどうか不明だが、2018年10月にブルーレイで漫画版の内容を忠実に再現した最終話がアニメ化(TWO SHOTS・のるかそるかの二編)している。

【内容】


さて、今回紹介する内容は幽白の13巻の『禁句の能力』、『禁句は一文字』の二編について、取り扱っていこうと思う。個人的には幽白の中でも好きである、初恋ハンターこと蔵馬の双方両想いであるにも関わらず悲恋を迎えた喜多嶋麻弥の話・躯の過去編・食脱医師(くだくすし)の話にしようか、かなり迷ったものの蔵馬と海藤の直接戦闘を行えない頭脳戦のストーリーを選ぶことにした。

冒頭は、首くくり島で定期的に拒否権なしのゲストを招いて行われる暗黒武術大会直後に、新章が始まるといったものである。ぼたんいわく「奇跡的な進級おめでとう」の皮肉めいた言葉を受けるも、そもそも義務教育である中学生ってアメリカとは違って、病気などの例外はあるだろうが、成績の有無に関係なく進級するものではなかったっけ?

ぼたんはコエンマが頭を抱える、人間界に発生している異常事態について、霊界探偵である幽助に調査の任務を託そうとメッセンジャーとして派遣されながらも、浮竹の登場により、一時退散することになる。幽助にキッチリ「放課後までいるように命じるも」、本来不良であり真面目ではない彼はサボることをぼたんに言われた時点で決めている。
なお、幽助の不真面目さ性は、先輩である仙水忍が生真面目過ぎて融通の利かない性格であり、人間を大量虐殺するなどの蛮行をキッカケに、「今度は不真面目な奴を選ぼう」という霊界側の判断であった。御手洗が桑原襲撃後、コエンマから語られた内容であるが蔵馬は「なるほど」と激しい同意を示している。

連載初期から、今のご時世では決して許されないであろう喫煙・飲酒・パチンコなどを行っていた幽助であるが、例の宣言通り、本当にサボる。
しかも、幽助は何も知らなかったとは言え、奈良シカマルのような影踏みを行えば相手を拘束できるシャドーの能力を持った木戸亜沙戸、触れた相手の能力や記憶を読み取れるトレース能力を持った柳沢光成、禁句の言葉を発した場合相手の魂をむき出しの状態にして容易く殺せる海藤優などの三名から喧嘩を吹っ掛けられる形で、「サボる口実ができた」と人気のない空き地に行くことになるが、木戸の影の能力により幽助は身動きが取れない形で、無名の芸術家が建築した見た目も内装も奇抜な敵の本拠地に、ぼたん・桑原・飛影・蔵馬が乗り込むことになる。

家の入口には、

「この家には入ったものは決して、『あつい』と言ってはいけない。
もし言えば…………」


との張り紙が張られていた。
一行は張り紙に不信感を覚えつつも、敵陣に入らないことには話が進展せず、気乗りしない状態でありながらも、家の中に入っていく。家宅に侵入した一行であるが、張り紙による警告があったにも関わらず、植物を育成するために室温27℃・湿度80%という亜熱帯空間と化した室内で、ぼたんが「あつい」と言いかけるも蔵馬の手により口を塞がれている。

飛影と蔵馬(厳密には幽助もであるが)は、家に入った時に感じた違和感――まるで異空間に入ったような感覚を自覚しながらも警戒心を怠ることはなかったが、中にいたのは海藤であり、その奥には柳沢が奥の部屋に繋がる鍵を待機している状態であった。桑原は霊感が一時的に抑えられている状態であり、何も感じなかった模様。

桑原が「幽助を攫った一人」だと指摘する中、蔵馬の「同じ高校の同級生であるが特に親しくない」関係性であることが判明している。蔵馬曰く「(自分ほどではないにしろ)成績はトップクラスであり、若手の小説家」として活動している模様。
蔵馬はクラスメイトに幽助や飛影などのことについて教えていないにも関わらず、海藤は暗黒武術大会の情報ならび、飛影の戦闘能力などについて言及している。本人曰く「ある人から教えてもらった」らしい。
海藤としては突然、奇妙な能力に目覚め、腕試しとして強敵である暗黒大会の優勝者に挑みたかったと言い、飛影に「無謀(能力に目覚めつつも肉体的には普通の人間と変わりない)」と斬られるも、剣が海藤に直撃することなく、真っ二つに折れることになる。

「どういうことだ」と戸惑う飛影に、海藤は「この領域(テリトリー)では言葉のみが力を持つ。暴力は無意味」だと告げ、海藤の設定した俺ルールに強制的に従わなければならないことが発覚する。ちなみに飛影に斬られる際の海藤の読んでいる本のタイトルは「無意味の意味」という、かなり皮肉めいた内容の本である。著:ジーン・ブロッカー、翻訳:山内登美雄、実際にある本だろうか?

「テリトリー内じゃいくら肉体的に強がろうが、お前はただのチビだぜ」と、挑発される飛影。蔵馬の制止の声を受けるも、長男でも耐えきれなかったのか飛影は玄関口に張られていたタブーである「あつい」を口にする。
その瞬間、飛影の肉体に異変が生じ、魂を引き抜かれる失態を犯した。むき出しになった魂魄は無防備の状態ゆえ、戦闘力のない人間でも簡単に破壊することが可能であり、幽助含めて、人質が二人になるという失態を犯すことになった。


幽☆遊☆白書の「禁句(タブー)の能力」⓶に移る。
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2020年05月01日

インドの大英雄・カルナ(FGO)とは2


マハーバーラタのカルナさんの解説が終わったところで、Fate及びFGO内での解説を行っていきたいと思う。

カルナさんは以前も述べたように、その性格はぐう聖の一言に尽きる。相手がいかなる強敵で瀕死の状態であろうと、マスターを守るためならば戦うことに臆することなく挑む果敢さ。強きを挫き弱気を助けるだけでなく、相手の全てを現場猫よろしく良しとし、受け入れるなどの懐の大きさ。アルジュナや父であるスーリヤ神などの例外はあるが、基本的に誰に対しても素直かつ順々でありつつも、余計な一言が多く、肝心な一声が足りない朴念仁である。表情の乏しさと寡黙、そうしてビジュアル系みたいな強面が更に拍車を掛けている。そして何より、マイペースで天然であった。端的に述べると、富岡義勇やゴブリンスレイヤーみたいな人。違いがあるなら、超絶ポジティブ。
カルナさんは、人は好いものの自他ともに認めるほどコミュニケーションが苦手らしく、相手を賞賛しつつもその褒め言葉は煽っているようにしか聞こえないほど。最早、ほんにゃくこんにゃくが必要なほどであり、その点をジナコやナイチンゲールに指摘されつつも、まだまだ改善の余地がある。

(例:つまらんな。
 訳:俺のような人よりも他の人を相手にした方が良いかもしれませんね)

その他にFate/EXTELLAにおいて玉藻の前に副官として迎え入れながらも「詐欺当然」などと言及しているが、一応協力する姿勢を見せている。左記の発言をメデューサに指摘されたとき、「自分もかなり口下手だが」とかなり彼女から困惑されていた。言葉選びのチョイスの最悪さの他に、「貧者の見識」なるスキルを有しており、相手の本質を見抜いて、ズケズケと発言してしまうことも関係しているが、逆に自分の悪い部分などを指摘された場合、かなり狼狽する様子を見せ、「そうだったのか。そうだった……のか……そう……だったのか」と、同じセリフを何度も繰り返すほどショックを受けている。

なお、カルナさんはあのギルガメッシュ(弓)と比肩するほどの実力を持っており、かなり魔力消費のコスパは悪いものの、戦闘力は確かなもので、FGOの第五特異点『北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム』ではロマニ曰く「神話大戦を再現している」と慌てながら言われるほどである。実際、TVCMでは槍の一振りで山を爆散させた。
アポクリファでのジークフリート(ジーク)との最終決戦では眼から高威力のビームを出したり、出鱈目っぷりな圧倒的な強さを見せたが、三人掛かり(ジークフリート・アストルフォ・アキレウスの盾)で、ようやくやっと倒せるレベルである。大体、最終決戦前の次元を高速移動するアストルフォのピポグリフに追い付くとか、そこからしておかしいんだよな……。
ちなみにアルジュナの幕間の物語で宝具であるパーシュパタで森を一瞬で更地にする他にイベント「アイアイエー」ではブレーキ役ではなくアクセル全開脳筋タイプであるなどオリオンに指摘されており、双方生真面目でマスターに配慮が出来る性格でありながらも、天然ボケで力加減の出来ないタイプだと思われる。やっぱ兄弟なんだな……。
好きなものは、「友情・和解・努力」であり、カルナさんはジャンプ愛読者になる可能性が十二分に存在している。関係ないが、イベントではカニが横歩き出来ない様子に難儀を覚えていた。なんでさ。
Fate/EXTELLAでは役目を終えた後、定期的に陣地を見回りながらも、食べ歩きをするなどの様子を見せている。
なお、カルナを召喚して聖杯戦争で勝利できないマスターはトップクラスで戦いに向いていないダメ人間だと公式で明言されている。
また、カルナさんはバレンタイン返礼激重四天王の一角であり、FGOのマスターが渡した手作りチョコに対して、お返しとして渡したモノは鎧のパーツの一部分を材料にして、ダヴィンチの協力を得ながらも打ち直した黄金のピアスである。カルナさん曰く「そのまま渡そうと思ったが、お前をイメージして打ち直した。俺も気が利く男ということだ」とドヤ顔で語っている。アルジュナの場合は「カルナの首を落とした弓」を渡す、パールヴァーティは物理的に思い等身大のスケールのナンディチョコなど、基本的にインド人は加減を知らないようである。だからなんでさ。

カルナさんは那須きのこをはじめに多くの開発スタッフから愛され、FGOの宝具の新モーション改定されたのだが、その演出はかっこよすぎるの一言に尽きる。何かと風俗店に行く銀魂の東城歩と同じ声優とは思えねえな。
ぐう聖ぐう聖とカルナさんを神聖視することを述べてきたが、カルナさんは神の血が混じれども『人間』であることを忘れてはいけない。理不尽な目にあえば憤るなど、人並みの感性は持っている模様。

【関係者】


・ジークフリート(黒のセイバー)
自分と似たような人生と性格を持った幸薄の相手こと、すまないさん。カルナさんは好敵手(アルジュナ)と似たような気配を感じており、ジークフリートと戦うことを聖杯戦争中、唯一希望した。

・ジャンヌダルク
アポクリファでマスター(天草)の命令で襲撃するように命じられた。FGO内ではジャンヌからは「マスター運がない」と言及されているが、カルナさんは全くそう思っていない。むしろ絶え間ない幸運に満ちていると思ってさえいる。

・ヴラド三世(黒のランサー)
彼の本質(杭が攻撃であり防御でありつつも、畏怖の対象)を見破った上で、好戦。カルナさんは彼を賞賛していたが、持ち前の言葉足らずで全ての言葉が挑発に受け取られていた。わけあって、ヴラド三世は自身が最も嫌うドラキュラだとマスターになじられた際は珍しく、むっとした表情をしている。

・ジナコ=カリギリ(大いなるガネーシャ神)
CCCにおけるマスター。怠惰な様子に苦言を呈しているものの、自ら動かないと意味がないと考え、生活態度の改善を矯正することはなかった。ジナコ曰く「小言を言うオカン」と言われ、仲は険悪のことであるがでこぼこコンビ感は否めない。荒ぶる鷹のポーズを一緒にしてくれる。CCC内での別れ際の会話はカルナさんが、どれぐらいぐう聖なのか分かるので必見。FGO内ではBBの命令で二部インド異聞帯に登場し、「放っておけない存在」と発言している。声優である悠木碧はカルナさんを大変気に入っており、カルナさんがジナコのことを覚えていると聞き、FGOを始めたほどである。その他に新章・インド異聞帯の発表において、その熱愛っぷりを見せている。

・玉藻の前
CCC、FGO、Fate/EXTELLAで何かと関係のある存在。同じ太陽属性ゆえか、ちょくちょく話し掛けてもらってうれしいのだとか。ちなみに、ガヴェインもそうであるが、FGOでオジマンのガバガバファラオ判定を食らっている。ファラオ判定は太陽に関わりがあれば、それだけでファラオらしい。

・ギルガメッシュ
ギルガメッシュが所持していないカルナさんの黄金の鎧を狙っている。CCCではあるワケあって諦めたが、機会があれば奪う算段。カルナさんからすればギルガメッシュは少し羨ましい存在であるらしいが、性格および「施し」の異名を持つ肩書からしてソリが合うことはないだろう。

・パッションリップ
同じく無意識で煽り体質を持つ、被虐体質のアルターエゴ。ギルガメッシュと同様に、カルナさんは苦手であるらしい。

・エジソン
1部第五章で出会った存在。最初は助けを乞われ助力する形になったが、ドゥリーヨダナと似た性格であるがゆえか、ジナコ同様放っておけない存在らしい。身体能力強化の際はヤバそうな薬を摂取しようとしたとき、エジソンの身を心配し止めに入っている。ナイチンゲールの容赦のない言葉に「そこは手加減してほしかった」と頭の中で嘆くなど、CCCから幾分心配りの成長した姿が見られる。

・エレナ=ブラヴァツキー
ハイアラキやアカシックレコードで有名なブラヴァツキー夫人。彼女はインドの生まれではないが、インドの英霊であるカルナさんに会えて嬉しいとのこと。

・ナイチンゲール
クリミアの天使。当時、看護師の仕事をするのは身分の低い人間ばかりで、貴族などの人間が行うものではなかった。献身的な姿はどこかカルナさんに似ているのかもしれない。「あなたは分かり易いんです」と彼女にきっぱり言われたとき、長い沈黙の末、「そうか」とだけ返事をした。

・ラーマ
同じくインドの英霊。カルナさんは本来、弓の名手であり、競技を競い合いたいと願われている。ちなみにラーマも弓の名手だが、クラスはセイバー。どうやって競い合うのだろうか?

・アルジュナ(アルジュナオルタ)
一部五章で、カルナさんがエジソン側についたのに対して、彼と戦いたいがためだけにケルト側につき、全力でぶつかり合うもクーフーリン・オルタに邪魔されて、勝敗が付くことはなかった。
二部のユガシェートラでは、オルタの中にわずかに残った人間性を刺激して、アルジュナを神から人へ戻した。長年の願いである全力同士のぶつかり合いが叶うことになる。カルナさんは兄として、人としてアルジュナを導いた。
お互いを宿痾と認め、カルナさんは「母がかつて望んだものがカルデアにある。その行く末を見守ろう」と、戸惑いながらも好意的な反応。
二次創作などでは何かとプリキュアの格好をさせられたり、高難易度イベントのネロ際で共闘したり、チャリチョコのダンスを完コピしたり、概念礼装(フォンダンショコラ)などでイメージカラーが反転していたりなど、営業不仲が囁かれている。サバフェスでは、カレー×ライスの薄い本が水着ジャンヌオルタ(バーサーカー)により、作られた。内容はバトルアクションモノ。

怒リング アシュヴァッターマン
二部のユガシェートラで登場。初登場時、怒リングの名に恥じないようにカルナさんが先に戦死したことに憤っていた。カルナさん曰く「アシュヴァッターマンは本来冷静な性格」と称されている通り、バラモンの僧侶であるがゆえに知的であり、インド英霊の中ではかなりの常識人。二部のアルジュナオルタとの決戦前、精神と時の部屋で訓練に付き合ってくれた。
パールヴァーティの幕間クエストではバトルマニアの様子を見せ、カルナさんもワクワクしながら待機待ちしている様子が見られる。続きを読む...

2020年04月30日

インドの大英雄・カルナ(FGO)とは


『カルナ』とはFateシリーズに登場するランチャーランサーのサーヴァントである。
何かと幸薄かつ不幸がちなランサーであるが、礼呪を以て自害を命じられたディムルッドやクー・フーリン、そうしてヴラド三世とは異なり充実した最後を迎えたサーヴァント……かもしれない。ちなみに本人の性格も合わさって、ほぼ死亡し易い聖杯戦争において、マスターの生存率はほぼ100%であるが、難ありつつも基本的にぐう聖であり、その生き様に思わず「さん」を付けずにはいられない存在である。

【伝承上のカルナさん】


カルナさんは神話的な要素を含んだ世界三大叙事詩の一つであるマハーバーラタに登場する、アルジュナ(主役)のライバルであり、立ち位置的には悪役。FGO内ではお互い宿痾と呼び合いつつも、バレンタインイベントではチャリチョコのちっこいおっさんのダンスを競い合った末、完コピするなどの激闘を行うなど、自己主張の少ないカルナさんには珍しくアルジュナが相手だと積極的に闘争心をむき出しにし、戦士(クシャトリア)としての一面を持っている。
マハーバーラタの分量は聖書よりも遥かに長く、読破するのにかなりの時間を要する。内容は曼陀羅式に似たような要点を踏まえた内容が続き、他の者が他者の物語や経験を教訓として諭す場面が多い。

カルナさんのマハーバーラタの一生を簡潔に纏めるならば、誤解や呪いに満ちた『不幸』の一言に尽きる。
まず生い立ちからして不憫なものであり、好奇心でインドの太陽神であるスーリヤを呼び出した母親に、Fate内におけるあらゆる伝説の武器の原点を貯蔵しているギルガメッシュの宝物庫にない光で出来た鎧を身に纏うも、生まれた直後、箱の中に入れられ川に流された挙句、本来の身分階級において王族であるにも関わらず、下層階級として貧しい暮らしを余儀なくされる。
光で構築された鎧には何物の攻撃を弾き飛ばす力があり、この武具を身に纏っている限りカルナさんはほぼ不死身であるが、アポクリファでヴラド三世が『杭を刺す概念』によって身体の内側から刺殺されるも、持ち前のタフさで耐えるなどの根性がある。Fateのカルナさんは意思の力のみで、既に死亡している状態にも関わらず、マスターを生存させるためならば、意地で生き長らえ主命を全うするなど、規格外のド根性を持っている。

カルナさんは御者の義理の親子に育てられるも、ある日、王族のみ参加できる弓の競技会に参加し、優れた弓の腕前を披露する。その武勇を賞賛され、身分を問われたところ御者の息子であるなど言えず返答に窮していたところ、カウラヴァ百兄弟の長兄であるドゥルヨーダナに見込まれたのか「強さに出自など関係ない」と、ぽんと一国を貸し与え、アンガ国の王とさせるも、義理の父親がカルナさんを讃えた為、出自が露見してしまう。
カルナさんは「王族に挑むものは同等の階級、もしくはそれ以上」というカースト制度による身分違いだと嘲笑されてしまうが、カルナさんはドゥルヨーダナに感謝の意を示し、永遠の友情を約束するのであった。
ちなみにドゥルヨーダナとは、何かとパーンダヴァ兄弟(アルジュナ側)と比較され、不吉だの冷遇されていた存在であり、双方には根強い確執さが拭えない関係であった。ドゥルヨーダナとしては、力強い戦力としてカルナさんを招き入れたのかもしれないが、クルクシェートラ戦争開始から二十日経たずして死亡したカルナさんの死を非常に嘆いたことから、当初は戦略的な意味合いもあったかもしれないが、本当の友情を築いていた可能性がある。

カルナさんと、パーンダヴァ(アルジュナ)との因縁はそれだけに終わらず、ドルパタ国の姫を夫に決める弓の競技会において、アルジュナにしか引けないだろうと言われた強弓を放つも、姫は身分違いを理由にカルナさんを花婿として迎え入れることを拒否。
その直後、アルジュナが現れ強弓を放ち、ドルパタ国の姫は正式にパーンダヴァの人間になるのであった。ちなみにアルジュナは姫(戦利品)をカルナの実母にどうすべきか相談したところ、忙しかった母は「兄弟仲良く分け合いなさい」と答え、兄弟全員の妻となってしまう(アルジュナとしては、兄弟同士の争いをなくすため、分け合った可能性がある)。その事実を踏まえて後のサイコロの博打においてドルパタ国の姫をカルナさんは罵り、呪いを受けることになってしまう。
カルナさんの不幸はそれだけで終わらず、アルジュナと共に師として仰いでいた人物から秘儀を授かることなく、業を煮やしたカルナさんは他の人物の元へ秘儀を授かるも、昼寝中、師を起こすまいと蛇に咬まれながら苦痛の声を一切出すことのなかった献身を顧みてもらえず、肝心な時に秘儀を忘れてしまうという呪いを受けてしまうことになった(その他にバラモンの飼牛を誤射で殺し、戦車が動かなくなる呪いも)。

賭博の賭けで勝利したドゥルヨーダナであるが、禍根が深いのか、森の中でみすぼらしい生活を送る羽目になったパーンダヴァ兄弟に追い打ちをかけるべく襲いかかるが、偶然不幸にも居合わせたガンダルヴァ族に壊滅の危機に陥られるならまだしも、パーンダヴァ兄弟に助けられてしまうという失態を犯す。
後述になったが、賭博の件で国から離れ森の中で暮らすことを約束されたパーンダヴァ兄弟であるが、賭けの内容が「森の中で十二年」、最後の一年は匿名として過ごす事をアルジュナが「女装」という形で乗り切っている。

クルクシェートラの戦いの前、カルナさんは日課である沐浴を行っていた。この沐浴にはカルナさんなりの流儀があり、沐浴後、バラモンの願いを断らないというものである。
弱味に付け込む形で、息子を大戦争に勝利させるためアルジュナの実父であるインドラがバラモンに化けて現れ、不死身の呪いを寄越すよう要求する。カルナさんは「黄金の鎧は皮膚と一体化しており脱ぐことは出来ない、別の要求にしてくれ」と頼むも、バラモンに扮したインドラは意見を変えることはなかった。
押し問答の中、カルナさんはバラモンの正体を見破り、ナイフで黄金の鎧を自らの肉体と切り離して渡した。全身の皮を剥がす苦痛だけでなく、相手の正体(インドラであり、アルジュナを勝利させるためアルジュナとその親友であるクリシュナでは勝利できないことに姦計を働いた)ことを承知の上で、微笑みながら不死身を手放したカルナさんに、インドラはその高潔さに恥じ入り、黄金の鎧の代わりに一度だけ相手を必ず殺せる槍を授かることになる。
不死とさえ言われる鎧と、一度だけ必ず殺せる鎧のその比較は到底、釣り合うものではないのは自明の理である。ちなみにスーリヤの最後はカルナの末期に酷似しており、そのことも関係して必殺の槍を渡したのかもしれない……。

カルナさんの制約はそれだけに留まらず、大戦直後にカルナさんの実母とアルジュナの親友・クリシュナが現れ、「パーンダヴァ側の人間だから、こちらの陣営に入って欲しい」と願われるも、カルナさんは以前よりドゥルヨーダナと交わした約束である「永遠の友情」のため、拒否。更に言えば「私は母に捨てられ、本来得られるべきであった名誉を貴女(母)の身勝手な行いで得られなかった」と非難している。
しかし、母親を慮ってか、それともアルジュナ以外のパーンダヴァ兄弟に興味がなかったのか不明だが、「アルジュナ以外の兄弟は殺さない」と母親に約束する。実際その契りは非常に忠実なものであり、パーンダヴァ兄弟を確実に殺される場面であったにも関わらずアルジュナ以外の兄弟を意図的に見逃した。

カルナさんの大決戦中の最後は、戦意を殺ぐ御者の言葉だけに留まらず、前以て受けていた呪いが悉く発動するというものであった。必殺の槍はすでに大戦前に使用しており、弓術におけるマントラを使用しようにも二番目の師による忘却と、バラモンの飼牛を殺してしまったことによる車輪の陥没。
戦争には身動きの取れなくなった相手には攻撃してはならないという一定のルールがあったが、ドゥルヨーダナ側の違反行為、クリシュナの唆しがあったにせよ、戦う術のなくなったカルナさんをアルジュナが弓で首を切り落とすという最後を迎え、カルナさんは死後、スーリヤに迎え入れられ太陽神と一体化し昇天したと言われている。
ちなみにカルナさんには息子がおり、その聖人っぷりはもしかすると父親以上かもしれないと思われるほどのものである。そして、何かとアルジュナと競い合っているが、年齢差は18歳ほどである。傍から見ればおっさんが青年に突っ掛かっているようなもんだったんだろうな……。

カルナさんはインド内においては絶大な知名度を誇っており、悲劇的な人生であるがゆえかその人気は非常に高く、マハーバーラタ自体が国民的に愛されているほどである。日本でいうところの牛若丸と似たようなものだろうか?


インドの大英雄・カルナ(FGO)とはその2へ続く
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2020年04月28日

今回は、『自分を大蛇丸と信じて止まない一般男性』で優勝していくことにするわ


『自分を大蛇丸と信じて止まない一般男性』とは、Twitter上で大蛇丸をはじめとして、友情出演なのかハリポタのスネイプ先生やリヴァイ兵長の声真似が度々入り混じる、嘗め回すようなアングルで作った料理を撮影した後に、金色の奴(ビール)と共に晩酌するだけの内容である。名前?の元ネタは「自分を野原ひろしだと思っている一般男性」だと推測される。
当初はTwitter上のみで料理動画をアップしていたが、ニコ動及びYouTubeの方にも投稿が行われている。当初はTwitterでの投稿であった所為か内容は二、三分程度で終わるほどの短いものであるが、短時間で動画内容を楽しみたい多忙の人にとっては非常に嬉しい適度なボリュームになっている。
なお、弟に褒められて、大蛇丸の声真似を極めたのだとか。
そして非常に有名な話なのであるが、声優である大蛇丸の声優であるくじらからTwitter上において、自分を大蛇丸と信じて止まない一般男性にファロバ・リプライなどの反応を貰っている。
どうでも良いが大蛇丸だと信じてやまない一般男性本人は、「研ぎたての包丁で白髪ネギを切っている時が安らぐ」らしい。

【内容】


・セブルス・スネイプ(声真似)
初期の頃、ハンバーグを作る際などに主に出ていた。気まぐれというかほとんど、八つ当たりに近い形でグリフィンドールに対して、ハリポタの寮対抗の優勝戦で大どんでん返し的にダンブルドアでさえ決して覆ることが出来ないほどのマイナス点を理不尽ながらに加算している。

・リヴァイ兵長(声真似)
個人的には、あまり声真似は似ていないと思う。大蛇丸だと信じてやまない一般男性に「デブ」だの何だの結構辛辣な口調である。

・「ウマ過ぎてウマになったわ」
自分の料理を賞賛する際に使用される言葉。ウマと言っているわりには、字幕の絵文字にウマが出てきたことは一度もなく、クジラやヘビなどの動物が使用されている。パリにもなった☪

・AJIHEN KUNG-FU GENERATION(アジヘンカンフージェネレーション)
酢や柚子胡椒などで、味付けを変更する際に多発されるコレ(木の葉丸)。「福岡はとんこつの街ではなく全ての料理に柚子胡椒を味付けとして使用する国」であるらしい。ちなみに調味料四天王は、「酒・醤油・味醂・蜂蜜」だとか。ちなみに本人は埼玉県出身。

・「理由は知らないけどね〜」
料理のワンポイントアドバイスを教えてくれたあと、ほぼ高確率で発せられる言葉。類似物として、「まあ私帰る里がないんですけどね」などの抜け忍ジョークもある。

・Now Loading…
動画内で1秒程度の間の中、瞬間的に表示される文字。

・猪うりぼう
ゴメンネカラシニヨワクテ。
鬼滅の刃ネタ。
最近ではどこぞの人気声優とコラボした。一体どこの炭治郎なのだろうか。

・暇すぎてひまわりになった鼻
??????????????
大蛇丸繋がりでナギニもパーセルタングで発言。

・潜影蛇手(せんえいじゃしゅ)
NARUTO本編においては、中忍試験の時にアンコが大蛇丸を差し違える覚悟で使用した術。初期で使用された非常にマイナーな技であるが、大蛇丸だと信じてやまない一般男性本人は下拵えを終えた食材をフライパンや電子レンジなどにビャッとぶち込む際に、多く使用されている。

・写輪眼
うちは一族に遺伝する血継限界のひとつ。全ての血継限界の大本は日向一族の白眼であるが、大蛇丸だと信じてやまない一般男性は写輪眼の話を料理の比喩表現として多く使用しており、「あら〜、この餃子サスケくんの万華鏡写輪眼並みに綺麗」だの基本的に赤系統やいい焼き加減の料理に述べている。ちなみにうちは一族は、酒に弱い体質であるらしく、すぐ目を真っ赤にするとか。日向一族は木の葉において最強なので、酒に強い。

・「あらぁ〜ハート(トランプ)美味しそう〜ハート(トランプ)やだぁ〜ハート(トランプ)
料理が完成した直後、もしくはテーブルに並べて嘗め回すようなローアングルから撮影する時に多々使用されている台詞。色々なヴァリエーションがあり、Y(やだ〜)、O(美味しそう)、Y(やだ〜)と字幕で略される場合がある。最近ではエコーがかかっている。

・「〇〇の奴」
晩飯のお供であるアルコール。金色・銀色の奴など多数あるが、中にはコーラや、休肝日の際には麦から離れていないが麦茶をイッキキしているときもある。飲酒後、砂漠葬送でアルコールの缶を握り潰すが飲み足りなかった場合、写輪眼の無限ループ技である、「イザナミ(イザナギ)」で明らかにテーブルに一回目に飲酒した握りつぶされた缶があるにも関わらず、二缶目はまるで初めて飲むような態度を装う。大蛇丸ほどの忍になれば、容易くビールや餃子などを口寄せの術で召喚できるらしい。最近ではサントリーから、黄金の奴を貰っている。元ネタ……というより、気まぐれクック(同じ事務所のYouTuber)のリスペクトだとか。

・はい、エドテン(穢土転生)
「イタダキャス」の挨拶の後、全ての食事を間食し終えた、大蛇丸だと信じてやまない一般男性が、「ごちそうさま」の意味を込めて、両手を合わせて動画の締めに言う言葉。NARUTO作中において穢土転生は死者を復活させ傀儡的に操る術であり、薬師カブトが過去に本編で死亡したキャラを敵側として使用する外道術である。


【余談】


大蛇丸と信じて止まない一般男性は、料理の動画投稿以外にもゲーム実況など、様々な活躍の場が広がっている。
しかし、大蛇丸と信じて止まない一般男性の動画が大勢にウケたのは、一般男性の料理技術の巧さが関係しており、他の声優の声真似が得意なユーチューバーが似たような料理動画を投稿しているが『コミュニティの一生』のように、

1,面白い人が面白いことをする
2,面白いから凡人が集まる
3,すみ着いた凡人が居場所を守るため主張を始める
5,面白い人が見切りをつける
6,残った凡人が面白くないことをする
7.面白くないので誰もいなくなる

といった状態を迎えつつあるのではないかと一種の危惧心を抱いている。
個人的には第2段階まで「〇〇だと思っている一般男性」の『コミュニティの一生』は進行しており、そう遠くないうちに第3段階に突入しないか、非常に不安である。
「〇〇だと思っている一般男性」シリーズに、新しい風が吹くか、新機軸で斬新な内容を期待するより他にない。
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2020年04月27日

マダオの観察日記


マダオの観察日記とは、俺の印税収入の糧となってくれてありがとうございました。アニメ銀魂 君達のことは忘れても通帳に刻まれた数字は忘れないからの名言で有名な空知英秋の銀魂、32巻の第1話目「観察日記は最後までやりきろう」内に出てくる、北大路大五郎が寺小屋の夏休みの宿題として、提出した日記のタイトルである。
銀魂はパロディパクリだけではなく、使用されたモザイクトーンの量を考えれば単行本が何本分になるのか分からないぐらい多く、漫画よりもアニメの方がやらかしが多い(終わる終わる詐欺・プリキュア・ドラクエのBGM・ガンダムなど)。
でも漫画の方でも終わる終わる詐欺をやったし、実写映画化したが小栗旬と思しき人物が柳生九兵衛の誕生日パーティに登場していたりと、原作も原作である。

【内容】


明日から夏休みだからと思いワクワクして眠れなかった大五郎が、朝のラジオ体操に遅れながらも、公園に行くとそこには酒を渇望するマダオ(長谷川泰三)がいた。


7月21日、『公園の主でゴロゴロして何もせず、酒を持ってきたら喋るようになった。
マダオはいつになったら、咲くのだろう』


7月22日、『酒をやっているのにまだ咲かない。動きも働きもしないのを聞くと、
「一度枯れた花は二度咲かねーんだよ」と悲しそうな目で答えられた』


7月23日、『マダオはまだ芽が咲かない。お酒をあげても全部、目から流してしまう。
せっかくあげたのにどうして流すのと尋ねると、
「ごめんね。もう流さないから。もう泣かないからごめんね」
と謝罪。日が暮れるまで酒を飲んでいた』


7月24日、『マダオはまだ芽が咲かない。ケガをしているようなので様子を聞くと、首吊り用のブランコを作ろうとしていたらしく、失敗してケガをしてしまったらしい。
どうして、公園にブランコがあるのに作ろうとしたんだろう』


7月25日、『マダオはまだ芽が出ない。
ラジオ体操に行く途中、線路で寝ているマダオを目撃した。
線路上で寝ているのかと尋ねると、寝苦しくなってここまで転がってきたと答えている』


この時点で、職を失いホームレスと化したおっさんが二度も自殺未遂を起こしていることを察した先生が、大五郎の観察日記の内容を発表中止させるのだが、寺小屋の子供たちから「もっとマダオの話を聞きたい」とマダオコール。先生はマダオがどうして子供達の心を掴んだのか疑問に思いながらも、大五郎に要点だけ掻い摘んで観察日記の内容を発表するように指示する。

8月1日、『家族(マダオ)が増えました』


先生から「掻い摘み過ぎだろおおお!」などと大声でツッコミを入れられている。

『寝床は用意してやったが、相も変わらずマダオは芽が出なかった。
じっと虚空を見つめるだけのその乾いた双眸からは何も窺い知ることはできない。
地に墜ちた堕天使ルシファーの意を神が介することが出来なかったように。
一体何が不満だと言うのだ……。
そんな問いにマダオは答えることもなく苦い顔でウィスキーをなめるばかりだった』


そして寝床と記載されているが、用意されたモノは犬小屋であり、「何が不満なのか一目瞭然だよね!家族が増えたってそういう意味で!?いきなり文章が達筆になってるし、お前の成長が見たかったわ!大人の階段じゃなくエスカレータ!」と、先生。
しかも、日記内容には舞台が江戸なのにコンドルが上空を舞っていた。

それから10日ほどしてもマダオの芽が咲くことはなく、頑なに無造作にウィスキーの瓶を投げつける日々が続く。母親の方も犬ではなくマダオを飼っていることに勘付き始めていた。大五郎の母親は、女手一つで育ててくれており、母親がいつの頃からか男を信用しなくなったと家庭内の事情がつらつらと書かれているが、先生から「母のことはもう良いから締めて」と言われるも、まさかまさかの観察日記で過去編に突入する。

『3年前の8月10日、あの日もうだるように暑い日だったのを覚えている。
お袋の旦那、つまり俺の父親もマダオだった』


内容を要約すると、腕の良い大工であったが事故で腕が使えなくなり、家族に暴力を振るい酒浸りの日々であった。母親を馬車馬の如く夜遅くまで働かせながらも、優しかった父親のことを知っている大五郎親子は、父親が元に戻ってくれると、まだ救いはあると信じていた。しかしある日、大五郎は母親と一緒に帰宅し、そこで目撃したのは父親の浮気現場であり、希望は粉々に打ち砕かれることになる。
大五郎は柄にもなくマダオ(長谷川)に話すも、マダオからは「俺を見せるなんて、かーちゃん苦しめるだけなんじゃないのか」と犬小屋の中から指摘されている。大五郎は後悔の念を覚え、いつしかマダオと父親を重ねてみていたのかもしれないと、心中で独白している。
母親を苦しめてまで何がしたかったのか、あの時の忘れ物を今さらになって取り戻すことが出来るのかと思う中、その日マダオはバーボンに口を付けることはなかった。

8月11日、江戸に台風が直撃する。犬小屋に住むマダオを家に避難させるために外に出る大五郎であったが、小屋の中にはマダオの姿はなく、酒浸りで弱り切った彼を救うために大嵐の中、外に出ようとした。当然のことながら母親から止められるも、どういった経緯で友情が芽生えたのか不明だが、マダオと言いかけた大五郎に母親は「やっぱりあれはマダオだったんだね」と言われるも、啖呵を切って友達だと断言する。

翌日、大五郎はマダオを見つけることが出来ず、風邪の所為か文章が巧く書けなくなっていた。そんな大五郎の元へ、マスクを付けた母親が現れ「マダオを飼うなら恥ずかしいから、家にしなさい」と言われる。
マダオは泣きながら大五郎の涙をハンカチでふき取るも、彼も同じように泣いていた。「酒を飲んだの?」と尋ねるが、

「いや……もう酒は飲まねーさ」


と答え、それからマダオの自堕落的であった生活は一変することになる。母親が仕事にいっている間、掃除・洗濯などの仕事を率先してやるだけではなく、買い物の帰りの途中で再就職先を探すために求人書を読み漁るなどの積極的な姿を見せた。
いつしか母親の方はマダオではなく長谷川さんと呼ぶようになり、彼はマダオではなくなった。その内、母親の方から「お父さん欲しくない?」と恥ずかしそうに尋ねられ、よく意味の分からなかった大五郎はマダオに尋ねるも「知らねーよ」とそっけない態度を取られる。

8月26日、いよいよマダオの芽が出る日が来ることになる。
マダオは大五郎の母にどん底からここまで這い上がることが出来たと述べ、面接のためにスーツを着用したマトモな姿であった。ところでセクハラ疑惑で裁判所に行くことになり、正妻のハツさんから渡されたボロボロのスーツとかそういった関連は大丈夫なの?
面接のため会社にいくマダオであるが、そこでは「真人間になった」長谷川と同じマダオがそこにいた。第二の元マダオは「何度も寄りを戻そうと妻と連絡を取っていたが考え直してくれと言われていた。散々迷惑かけていたし」と言っている。長谷川は気になって、第二の元マダオに息子を聞いたところ……。

一方、長谷川は大五郎の家に帰ることはなく、行方不明となっていた。マダオを心配する母親に「就職に落ちて合わせる顔がないだけ」と語るうちに、実親からの復縁の話が持ちかかり、元夫と出会った母親は嬉しそうな様子で接していた。
復縁相談の食事の帰りに、元の自堕落的な状態となったマダオに再開する大五郎であるが、母親からは「もうあの人に関わるのはやめなさい!」と言われている。しかし大五郎はマダオのことを「立派な侍」と述べたところで、二人は別れることになる。
公園のベンチでワンカップ片手に酔漢の様子を見せていたマダオであるが、カップの中身はただの水であり、実はマダオは酔ってなどいなかったのである。

日記はここで終わり先生含めて子供達が涙する中、観察日記ではなく小説と称される中、映画の如くエンドロールが流れる。
「いや素晴らしかった、みんな、大五郎くんに拍手!」

と先生が絶賛する中、エンドロールの最後に出てきたのは、



監督・脚本:



という衝撃的なオチが待っていた。
実はこれ、途中で文章が下手になったのは母が台風の中、マダオを探して風邪を引いただけである上に、「お父さん欲しくない?」はマダオ(長谷川)ではなく元夫との再婚を意味していたものだと思われる。
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2020年04月25日

映画版・ミスト2


物語は、ノームやブレントの死を筆頭に町でも有名な狂信者の発言力が増していく。彼女いわく「ハルマゲドンのはじまり」などと述べ、今後自分が化け物に襲われる明日が我が身のマーケット内の人間は、心が不安定で弱い人間をはじめに教信者の女性を教祖として祀り上げていくことになる。

夜間になると、霧内の化け物の襲撃がないか見張りを行っていた人物の眼前にイナゴとサソリを足して二で割ったような、巨大な虫が集まってくる。蛾が電光の光に集まるように、虫の化け物はランプの光源に引き寄せられていただけではなく、虫の捕食者であるプテラノドンのような見た目をした異世界の化け物の襲撃の追い打ち。
幸いなことに虫と鳥含め拳銃で倒せる程度の強さなので適切に対処すれば、さほど問題なく倒せるが、パニック状態になった人間には冷静な判断などできるはずもなく、全身火達磨になるなどの人災を引き起こす結果となった。
スーパーの若い女性は虫の化け物に毒針を刺され無残に死亡してしまうも、狂信者の女は身体に虫がくっついても大人しくじっとしていた所為か刺されて死ぬことはなく生き残り、ますます店内で権力を増していくのであった。

翌日、全滅こそ免れたものの全身に火傷を負った人物を助けるため、マーケット付近にある薬局に薬を手に入れる必要があった。デヴィッドは「苦しい。殺してくれ」と訴える火傷の怪我人に「諦めるな」との希望の声をかけ、複数の同行者と一緒に霧の中に出ようとするも、狂信者の女をはじめ複数の人間に止めに入られる。
しかし、デヴィッドらは危険を承知の上で近隣の薬局に赴くことになるのだが、行きはよいよい帰りは怖いというべきか、慎重に進んだことが幸いしてか『行き』は襲われることはなかったが、薬局内は蜘蛛の巣だらけの状態になっていた。
老婆の指示の元、様々な薬品を入手する最中、技師はとあるものを発見する。それは蜘蛛の巣にグルグル巻きにされ、親蜘蛛の苗床になったMPの姿であった。
MPはしきりに謝罪の言葉を述べるも、その意図は不明。やがて間も無く、MPの体内で育ち切った蜘蛛たちが孵化し、大量の子蜘蛛が出現する。皆が一目散に、それこそ蜘蛛の子を散らすように薬局から逃亡しようとするも、MP同様他の犠牲者がいたのか、それとも最初から複数体いたのか、親蜘蛛に囲まれていることに気付く。蜘蛛は強酸性の糸を吐き、皆を苗床にするため攻撃をしかけるも老婆の即席の火炎放射器などの奮闘により、犠牲者を出しつつも逃亡することに成功。逃げ足でマーケットに戻り、倉庫裏に安置されていた大火傷を負った男性に決死の覚悟で入手した薬を投与しようとするも、既に死亡していた。

遣る瀬無い気持ちの中、恋人を失った若い軍人が「同僚を見なかったか」とデヴィッドらに尋ねるも「分からない」と答える。それほど広くはない店内で皆が探し回るも、倉庫内で首吊り自殺した状態で発見される。
デヴィッドは町でも噂になっていた謎の計画について軍人に尋ねるが、何も知らないと述べる。この主張は二等兵の下っ端であるがゆえ、軍上部の詳細は知らなかったが、「異次元へ干渉するためのアローヘッド計画」が行われていたと発言したところで、正気を失い狂信者の女の教徒となっていた技師が倉庫にデヴィッドらが入るところを目撃し、隠れて聞き耳を立てていた。
それから技師の男は、軍人に全ての責任があると大声で主張。それに乗っかる形で狂信者の女は軍人の男に責任を取らせようとする。彼はナイフなどで腹部をめった刺しにされた挙句、店外に放り出された。中に入れてくれと懇願するも、誰も聞き入れることなく触手に捕食され死亡することになる。

その夜、たった二日で、マーケット内は女性狂信者を信仰する異常な場になっており、いつ暴徒化するか分からない状況となっていた。副店長は「社会性がない孤立した場ではこのようなことが容易く起きる」と、人間の善性を信じていたアマンダに主張し、「次もあの女は生贄の要求を行うだろう」と危険性を指摘して、食料品などをできるだけ集めレジの内側に隠し、早朝マーケットを脱出する計画を立てる。
しかし翌朝、隠したはずの食料品がなくなっており困惑する一行に、狸寝入りしていたのか、脱出を計画する皆の周囲に集まる。デヴィッドは「あなた達の邪魔はしない。だが、食料品は譲渡してくれ」と頼むも、女教祖は要求を拒絶。そして「子供を生贄にしろ」と言い、デヴィッドの息子が標的になるも、副店長の手によって女教祖は眉間に弾丸を食らう形で死亡。
狼狽する教徒たちの隙をついて、デヴィッドらはマーケットを脱出するのだが、一人の男性は視界の悪い霧で彷徨い、副店長はクルマの一歩手前で触手に捕食され、その拳銃はクルマのボンネットに落ちた状態で、形見を残した。デヴィッドは危険を承知で命からがら拳銃を手に入れるも、後のことを考えればこれが決定的な悪手である。
ちなみにデヴィッドらに同行していた店長は店内の安全地帯に戻っており、マーケットの皆が凝視する中、クルマが発進していくのだが、一番最初にデヴィッドが目指したところは自宅。だが、家は蜘蛛の巣に覆われ妻はMPと同じく、蜘蛛の苗床になっていた。

他に安全なところはないか町内を走り回るのだが、スクールの送迎バスをはじめに町は廃墟と化していた。車内が絶望的な雰囲気になる中、とうとうガソリンが底を尽いたところで、皆の前で山のように巨大な異次元の化け物を目撃することになる。
これが希望を失う決定打となり、食料品などの生き延びるための道具や手段がないことを悟った全員は、「どうすべきか」を考えるようになる。
デヴィッドの手には拳銃があり、化け物に襲われたり、餓死するよりも安楽死を選ぶことになるのだが、弾丸数は4発しか入っていない。車内には、二人の老人、アマンダ、そうして息子であるビリーとデヴィッドの5名であり、1発、弾丸が少ない。
デヴィッドはマーケットを出る前、息子に「ぼくを化け物に殺させないで」と約束していた事実が後押ししてか「俺がやる」と述べ、車内の皆を撃ち殺すことにする。
射殺後、デヴィッドは車外に出て「殺せ!」と叫びながら怒りと悲しみに身を任せるも、彼の背後から現れたのは火炎放射器などの近代武器で化け物を駆逐する軍隊の姿であった。
しかもミストの凄いところはそれだけでは終わらず、デヴィッドの目の前に護送車が現れるのだが、そこに乗っていたのは物語冒頭、「地獄に落ちろ」と言い、子供達を助けるため、一番最初にマーケットを飛び出した短髪の女性が茫然とする彼を見下ろしていたのであった。


総論としてミストは、最良を尽くしたのに最悪の結果を迎える鬱エンドの映画である。
デヴィッドが短髪の女性と共に行動していれば助かったなどの意見があるが、これは彼女が単独行動で家に帰還したことによる結果である。
もしも一緒に行動してデヴィッドが息子と共に自宅に帰れたとしても、異世界の化け物は閉ざされた空間に入ることが出来ない習性があり、アトリエの窓ガラスが割れた家での生存は難しい。

一択として救済エンドを迎えることができるなら、あと少し、もう少しだけ射殺時間を引き延ばす、ただそれだけの一言に尽きるだろう。デヴィッドとしては決断を先延ばしにすれば決意が緩むと思い最善を尽くしたのかもしれないが、何もかもが最悪の結末を迎えてしまったのである。

2020年04月24日

映画版・ミスト1



『ミスト』とはスティーヴン・エドウィン・キングが執筆した小説に、映画監督であるフランク・ダラボンがラストに独自のアレンジを加え、作者であるキングが嫉妬するほどの衝撃的なエンドを迎えた、その親子愛に涙なしでは語れない傑作である。
ダークタワーシリーズと一部関係があり、主人公のデヴィッドが描いていた宣伝ポスターだけでなく、霧の中にいる異世界の化け物もダークタワーで登場するモンスターである。
ところでミストとは関係ないが、グリーンマイルやスタンドバイミー、IT(ベニーワイズ)、ミザリー、シャイニングなど名立たるヒット作品を飛ばしているキングは何者なのだろうか……。どうでもいいが、個人的にはグリーンマイルがミストの次に好きである。

【内容】


冒頭はデヴィッドが、ハリウッド映画用のポスターを描くところから始まる。順調にポスター作製をしていたデヴィッドであるが、突然の悪天候に地下に避難。アメリカなどのハリケーンの多い地域において、一般家庭でも地下室があることはそう珍しくない。
翌朝、デヴィッド一家は地下室から出るのだが、彼が仕事場として使っていたアトリエに向かうと、窓辺近くにあった木が倒れ窓硝子を直撃しているだけでなく、もう少しで完成目前であったポスターも破壊されていた。
デヴィッドは「ポスターなんてフォトショなんかで簡単に作れる」などの悪態をつきながら、家の外の様子を見るのだが、祖父が植えた木が倒れているのを目撃。若干の悲しみに包まれる夫婦であったが、息子であるビリーの能天気な言葉で、湖の方に向かうことになるのだが、遠方から気象予報士でなくとも不自然さを感じる霧の発生を確認。

その後、ほどなくしてデヴィッドと幾度となく公論を繰り返していた黒人男性のブレントと保険などについて話すも、境界線などについて険悪な仲であったが、ブレントのクルマが木々に押し倒され潰されており同情的な態度を見せ、多少和解したような雰囲気になった。
その後、デヴィッドは修理品や日用品などを求めて、クルマで息子・ブレントと共にマーケットに行くことになる。道中、やたら軍関連のクルマが多いことと、単なる噂話であるが「軍は何かの開発をしている」などブレントの冗談めいた話を聞いている内にマーケットに到着。
買い物途中、息子からお隣さんとは仲良くなったのかと尋ねられるも「仲直りからまだ遠いかな」と答え、修理や電気の止まった状況下、必要なものを購入していくのであった。
買い物途中、デヴィッドが様々な知り合いと出会う中、三名ほどの軍人が来店。彼らはバスが来るまでまだ時間があったので軽食を買うために立ち寄ったのだが、MP(上官)の指示により、休暇が取り消しになった。
田舎かつ町から最寄りのマーケットがこの店しかなかった所為か、町内の人々がごった返す店内に、突然血塗れの老人が恐慌状態で入店。何があったのかと皆が尋ねる中、男性老人は「霧の中に化け物がいる」と訴える。当初はデヴィッド含め、冗談か何かだろうと思いながらも、老人は至って真面目でそして本気(正気)である。
その内、マーケット周辺が『霧』に包まれていくのだが、子供を家に残してきた短髪の女性が我が子を心配して、誰か一緒に同行してほしいと願い出るも、誰も志願する者はいなかった。
理屈が分からないながらも『霧』の異様さに本能的に気付いているのか、皆、マーケットの外に出るのは危険だと判断。子持ちゆえ、短髪の女性に乞われるような視線を向けられたデヴィッドであるが、「自分にも子供がいる」とハッキリと否定。彼女は涙ながらにマーケットの皆に向けて「地獄に落ちろ」と言い、単身で『霧』の中に身を投じていくのであった。

マーケット内で待機することを余儀なくされた皆は、徐々にその親睦を深めていく。『霧』の異様さと、店に駆け込んできた老人の言葉が合わさって、何かやらないと落ち着かない不安な状態であった。
そんな中、デヴィッドの元へ店内の電力はせめて回復させたいと倉庫の方へ行くよう願われる。デヴィッド単身で店の倉庫に行き機器の動力を止めた時、閉じられたシャッターから何かがぶつかるような音が響いてくる。
人間がぶつかっているような音とは思えない……それどころか、堅牢なシャッターを外側からへこませる異常な力を持った存在は、副店長をはじめとした数名の技師の到着と同時に、鳴り止む。デヴィッドは「何か聞いたか?」と尋ねるが、さほど相手にされず半ば蔑ろにされ、店外の排気口の様子を見るために倉庫のシャッターを開けようとする。
異音を耳にしていたデヴィッドは「危険だ」と述べ、外に出ることを阻止するも誰も聞き入れることはなく、僅かに開けられた隙間からノームが外に出ようとしたところで、シャッターにぶつかっていたと思わしき存在、タコのような吸盤を持った化け物がノームを捕食しようと外へと引きずりだそうとする。
先ほどまでデヴィッドを小馬鹿にしていた技師たちはうろたえ腰を抜かして何もできず、即座に反応して迅速な行動を起こしたのは副店長であった。ノームが倉庫から完全に引きずりだされた後、中に侵入した触手はペットフードを漁ったりする化け物にマスターキー(斧)をデヴィッドに手渡して、触手を切断し即座にシャッターを閉じる。
数名の技師たちは「何も知らなかったんだ」と忠告をしたデヴィッドに自己弁明じみた言い訳をするも、「何も知らないでは済まされない。ノームは死んだ!」と叱責の言葉を出し、倉庫で一人になった時、もう少し激しく止めておけばよかったと後悔があるのか自責の念に駆られた態度を出していた。

やがて倉庫から出るデヴィッドと化け物を目の当たりにした副店長と数名の技師は、今後どうすべきか話し合う。最初に「霧の中に化け物がいる」と店内に入った老人の言葉は真実であり、今後どうなるのか分からない。パニックに陥らないために、マーケット内の人間を先導するリーダー役が必要であった。それゆえ筆頭にあがったのが、弁護士であるブレントであるが、副店長らと共に霧の中の状況を説明するも信じてもらえなかった。
ブレントと共に店長もデヴィッドらを小馬鹿にするも、いつもは弱気な態度である副店長であるがこの時ばかりは強気で、店長を強引に倉庫で切り落とした触手を直接見せ、ようやく霧の化け物についての話を信じさせることに成功し、マーケットの外は危険であることが皆に通達される。
しかし、ブレントはその話について懐疑的であるだけでなく、「田舎者は排他的で新参者を除け者にする!」と、日頃鬱憤が溜まっていたのか感情的になる。デヴィッドと仲良くなりかけつつも、元々険悪な仲であったことから、二人の関係はここで決定的に決裂。店を出ると訴えるブレントにデヴィッドは最終確認をするも、
「それは俺が愚かだっただけだ」
と、返答。
それならばと、デヴィッドはどこまで霧の中を行けるのかロープを肉体に巻くことを提案する。救援を呼ぶためにブレンド数名が霧の中を進んでいくのだが、ロープを巻き戻して帰ってきたのは上半身を失った――明らかに短時間で人間では出来ない肉体の切断――下半身のみの帰還であった。

大勢の前で少数ながらも、直接目撃していないとは言え、明らかに霧の中に化け物がいること、そうして襲われた事実を認めた皆はマーケット内に留まることになる。店にある販売品が食料品だけではなく雑貨品が混じっていたことが幸いし、様々なものを使って入り口などにバリゲートを設置するも、それは非常に心許ない防壁で万全の状態とは、とても言えない。
そんな中、アマンダはハティが深夜トイレで用を足すためにビリーの様子を見てくれるよう頼むも、戻った時には大量のクスリを飲んで自殺していた。アマンダは当初寝ているだけだと思っていたと訴える中、自殺者が出た状況で場が混乱しないように倉庫に遺体がひそかに移されることになる。

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2020年04月23日

グラブルのベリアル



『ベリアル』とは、グランブルファンタジーの敵キャラであり、初登場はサンダルフォンが敵役として登場した『どうして空は蒼いのか』の続編にあたる、『失楽園 どうして空は蒼いのかPart2』と更にその続編にあたる『000 どうして空は蒼いのかPart3』で出てくる主役級のボスキャラである。
現在、グランブルファンタジーで『000 どうして空は蒼いのかPart3』の復刻版が開始されているが、パティシエであり手品師(嘘ではない。本人が嘘をついているだけ)のベリアルは、過去『失楽園 どうして空は蒼いのかPart2』の復刻開催時期がFGOのイベントの『深海電脳楽土 SE.RA.PH』と二度も被る他に、諸悪の根源と言っても過言ではない殺生院キアラと同じく性欲の権化で何かと縁がある。だが、キアラとベリアルの危険度の度合いは人類悪である彼女の方が上回り、性癖の方も男女の性差もしくは性格ゆえ正反対である。

完全に余談であるが、刀剣乱舞においてメカクレの刀剣男士が新しく実装されるたびに、FGOのサーヴァントであるバーソロミュー・ローバーツがTwitterでトレンド入りするなど、ソーシャルゲームの垣根を超えた、俗に異文化交流なるものが疑似的に催されている。
刀剣乱舞の七割方はメカクレ属性がやたら多く、もしもバーソロミュー・ローバーツが審神者に就任できれば狂喜乱舞していることだろう。非常にどうでも良い話だが、私が刀剣乱舞で一番好きなの刀剣男士は鶯丸です。個人的にマスター・騎空士・審神者を兼用している人はかなり多いものだと確信している。

さて、グラブル内で「仲間になってほしいが同じぐらい仲間になってほしくない」との意見が散見されるベリアルであるが、結構性格はフランクである。主人公を特異点と称しているものの、空が蒼いPart1のクリア後、味方になったサンダルフォンに対してサンディと呼んだり、ベルゼバブはバブさんなど様々な愛称を付けている。

空が蒼いPart3で判明するのだが、天使や悪魔・堕天使を自身が司る「狡知」を遺憾なく発揮させ、協力を仰いだほとんど全ての者たちを騙しているが、ルシファーだけには忠犬の如く忠実であり、彼が主人公たちの奮闘により異次元の穴に飛ばされた際は、救出するため自ら助けに行くなど意外な面を見せている(だがベリアル曰く「ルシファーが際どいぐらい偏っていた」から忠実であり、敬愛などの感情はあるものの服従しているとは考えづらい。もしもルシファーが日和るようなことがあればベリアルは裏切ることが予想される)。

ベリアルの意外なところはそれだけではなく、天司時代は部下などに誠実な人物を装いながらも、ルシファーの手によって必要以上に知性に制御が科せられ言動が幼く、感情の起伏の少なくなったサリエリに、ルシファーとは別ベクトルで興味があったのか、物語終盤騙し討ちする形で瀕死の重傷を負わせるも、核(心臓)を完全に破壊することはなかった。
ベリアルがなぜ、容易く殺せたはずなのに意図的に生かしたのかその本心は不明だが、過去の天司時代、サリエリが「兵器に感情など不要。兵隊蟻のように無感情で戦いたい」と述べており、その点を利用するなら中途半端に生かす必要はないように思われる。むしろ、核を破壊しなかった行いは、サリエルがこの先、時間を過ごす中で感情を取り戻す可能性があり、逆効果だと思われる。ベリアル持ち前の残虐性でサリエルを利用する算段なのだろうか? しかし、ベリアルはサリエルの意見にどこか同調している節があるので、本心は分からない。


さて肝心のベリアルの性格だが上記で述べた、複雑さゆえ心境を読み取れない以上に際立っているのは、その変態性である。初対面の人間に男女問わず処女か聞くだけではなく、アヘ顔で「ハハハッ!なんてこった、完全なる黄金比かよ!ヤバイ、達する達する!」など、これまでグラブルのストーリーの中でR指定になるようなものはなく、良くも悪くも勧善懲悪。小学生でも問題なくプレイできるが、大人ではちょっと満足できないモノが大半を占めていた。
だが、ソレを一変するかのように際どいセリフを皮切りにメインストーリーの方でも、甘いだけでは終わらないストーリー展開を見せるようになった。ちなみにベリアルの「達する」云々のセリフはそのまんまである。
空が蒼いのかPart2は無論、Twitterの方で話題になりベリアルがきっかけでグラブルをはじめた人も多い。初心者ゆえボスであるベリアルを倒すことはできないが、他の騎空士を応援に来てもらうことが出来るため、一部では初心者育成も手伝って「ベリアル幼稚園」と呼ばれている。
二度目の復刻では幼稚園の先生に、一年ほどの歳月を隔ててどれほど成長したのか高難易度をソロで挑む猛者もいる。ランクレベルが150〜200になったプレイヤーたちはすでにグラブルの勝手がわかっており、その結果は推して知るべし。

ベリアルはグラブル内でもかなりの人気キャラクターであり、2019年の大晦日、召喚石として実装されるだけでなく、ガキ使で賑わっていたTwitter内で、グラブル公式からの突然の報告で、ランキング上位に上がったほどである。
召喚石にはベリアル専用の戦闘曲「Parade's Lust」が流れるだけでなく、日本語で翻訳するとその内容は……察してください。

グラブルの中で大人気キャラであるベリアルだが、彼の他に「グリームニル」、「パーシヴァル」、「ローアイン」、「ゼタ」、「イルザ」など多数いる。

その他に、アルバハなどのかっこいい戦闘BGM、休む暇などないほど連発するイベント、腰が痛いなら立ってやれ・黙って走り続ける古戦場、破格の大サービス「ガチャピンモード」など、話題に事欠けない。運営はユーザーの一日の時間が50時間ぐらいあると勘違いしている。続きを読む...
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