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2018年10月06日

読書感想★垣谷美雨の「定年オヤジ改造計画」を読んで

定年オヤジ改造計画(垣谷美雨著作、祥伝社刊)を読みました。
著者は、1959年生まれで、社会問題を題材にした小説家です。
本書は、2018年2月初版で最新の作品です。

大手石油会社で部長を最後に定年退職した東北出身の元サラリーマンが
定年後に夢見ていたこととは違った生活を送るはめになった物語です。

最近、良く耳にする「夫源病」、「家庭内別居」など、自分が数年後に
迎える定年後の人生をどう生きるかを考えさせられる一冊でした。

主人公は、既に定年を迎えている先輩の失敗人生にはならないよう気を付けて
いるつもりですが、自分の考えが今に時代にはそぐわないことに最初は気づかず
自分の考えが常に正しいと確信しています。
ですが、孫の保育園の送り迎えをすることがきっかけで、自分の考えが間違って
いることに気づき、息子が少し前の自分と同じような考え方をしていることに
心配し、考えを改めさせようとします。

少し前の時代であれば、多くの人が同意していたであろう考え方を、今も正しいと
思い込んでいる人でした。
 ・女性は結婚したら会社を辞めて、専業主婦になり子育てをするとか
 ・子育ては、少なくとも3歳位までは、保育園に預けず、自分で育てるとか
 ・男は、会社で大変だから、家庭では家事一切を女性がするものとか
 ・専業主婦は、三食昼寝付きで気楽だとか
その他にも、いろいろな点で昔の考え方や勝手な思い込みを主張します。

しかし、実は昔から子育てや家事は大変であり、女性にとっては、必ずしも楽しいものでは
無かったことに気づかされます。

そのことで、嫁さんや娘から、冷たい目で見られることになります。
実は、だいぶ前からだったのですが、それに気づかなっただけだったのです。
その挙句に、嫁さんは”夫源病”になってしまうし、娘からは”アンタ”呼ばわりされてしまいます。

最後には、孫の送り迎えと、息子の嫁が帰宅するまで、孫の世話をすることで
働く女性や子育てがいかに大変か、また世の男性がいかに女性を軽く見ているかに気付きます。

読んだ感想としては、決して他人事ではないと思いました。
自分にも、すくなからず主人公の考え方を持っている面があることに気づかされました。

読み終わった後、すぐに嫁さんに、明日から自分も家事やりますと宣言しました。
見放されては、困りますので。

ちなみに、昔は男性は企業戦士として、女性は専業主婦として、生活することが一般的だと
国が思わせてきたと言うセリフがありますが、まさにその通りだと思いました。
今は、少子高齢化のため、女性が社会進出して頑張ってもらおうとしているのも国の誘導だと
思います。
我々は、国に踊らされているのかもしれません。








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