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2019年01月19日
ハンドボール男子世界選手権2019開幕続(正月十七日)
ハンドボールについて書くつもりが、金氏朝鮮の所業に腹を立てるあまり、あれもまたハンドボールについてではあったけど、今大会のハンドボールそのものについては書きそびれてしまった。一次グループもおわりに近づき、二次グループに進出するも決まりつつあるので、気づいたこと、気になることをいくつか書き留めておこう。
一番大事なのは、これもハンドボールそのものとは直接関係はないのだけど、新たな特徴的なハンドボール用語を覚えたことである。その前に、ハンドボールの中継を見ていると(聞いていると)、「trhák」が連発することは指摘しておかねばなるまい。日本のハンドボール用語だと速攻という身も蓋もない言葉で表現されるプレーが、一つ目のトルハークである。
もう一つは、得点差のつかない均衡したゲームで、片方のチームが連続して得点を決めて突き放すような状況を指す。大抵はキーパーの好セーブや、相手のミスから、トルハーク1を連発して、スコア上もトルハークになるということが多い。本当に強いチームは終盤まで競っていても、最後にトルハークを決めて勝つものである。ちなみに日本代表はやられるほうね。
テレビで見られた月曜日のスペインとの試合は、スペインのトルハーク2は、キーパーを中心に守備で頑張ってぎりぎりで防いでいたけど、トルハーク1は何度も食らっていた。日本側のトルハーク1は、後半に1本あったきりだったし、攻撃が、コンビネーションで相手を崩すところまではいっても、シュートが決まらないというのが多くて……。
この試合、日本がスペイン相手に前半はリードして終了するなど大健闘だったのだけど、会場の観客もチェコレビの解説者も、アウトサイダーの日本の予想外の頑張りに大喜びで、なぜかクロアチアのファンたちが熱心に日本を応援していたし、見ていて本当に面白かった。スペイン相手にあれだけロースコアのゲームに持ち込めたのだから、あの1点差に詰め寄れるはずだったペナルティが決まっていれば……。何とか勝ち点につなげてほしかったなあ。チェコが出ていないこの大会、日本を応援するしかないのだから。
いや、でも、これだけトルハークが連発されるのに、トルハークという言葉のスポーツでの意味を知らないチェコ人がいるというのはどういうことなのだろう。ハンドボールほどではないにしても、陸上や自転車、スキーなんかでもしばしば出てくるんだけど、新しい言葉を身につけることを意識しつつ中継を聞いている学習者とは違って、チェコ人は集中してコメントを聞いていないということなのかもしれない。一番よく使われるハンドボールの試合の中継を見ている人が少ないというのも理由のひとつだろうけど。
話をもとに戻そう。新たなハンドボール用語である。日本国内でも地域によって、いや同じ県内でも学校によって使う言葉が違うというのはよくあるのだが、「ロシア人」とか「ロシア風フェイント」という言葉を使っている人たちはいるのだろうか。チェコ語では、「Rusák」でセンターの選手が、ディフェンスの選手を抜くのによく使うフェイントを指す。
最初にこの言葉に気づいたのが、ロシアとセルビアの試合だったので、文字通りロシア人、ロシア選手のフェイントと理解していたのだが、ロシア人を「Rusák」と呼ぶのは、あまり褒められたことではないので、元ハンドボール選手の解説者が使うならともかく、チェコテレビのアナウンサーが使うのにはどことなく違和感があった。
そうしたら、「ロシア選手がロシア人を使ってセルビアのディフェンスを抜いた」とか、「ロシア人のロシア人は効果的だ」みたいな、ちょっとありえんだろうという表現も出てきて、最後は「セルビアの選手がロシア人を使ってロシア選手をかわした」とかいうのを聞いて、ロシア人はロシア人ではなくて、あるプレーを指しているのではないかということに思い至った。最初は別な言い方で「ruský náznak」だか、「ruská kulička」だかいうのを聞いても、フェイントだと理解できなかったんだよなあ。でもこのアナウンサー、ロシアの試合だからということで、意図的にこの「ルサーク」を連発していたはずである。おかげで新しい表現を覚えたからよしとしよう。使う機会はなさそうだけど。
このフェイント、80年代の中学レベルのハンドボールではほとんど見かけなかったので、日本で何と言われているか知らなかったのだけど、探してみたら出てきた。とりあえずこれ。「リバースフェイント」、うーん、聞いたことないなあ。ディフェンスの前でボールを持った手を大きく振り回すことになるから、松脂使用禁止だった中学生じゃあできなかっただろうなあ。
また、本題からは外れていってしまった。
2019年1月17日23時10分。
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