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2017年12月25日

バビシュ内閣成立(十二月廿二日)



 スポーツ、特にハンドボールにかまけている間に、チェコでは十月の下院の総選挙以来二ヶ月弱のときを経て、新しい内閣が成立したらしい。選挙で第一党になったANOの党首であるバビシュ氏にゼマン大統領が組閣の命令を出して、バビシュ氏が大臣を選んでいるのは知っていたし、他党との連立の交渉がうまく行かず、交渉自体をしていない可能性もあるけど、ANO単独で少数与党として政権を運営していく道を選んだことも知っていた。
 だから、内閣が成立したこと自体は意外でも何でもないのだけど、意外なのはいつまでたっても国会で内閣を信任するかどうかの採決が行なわれないことである。内閣の信任投票はそっちのけにして、来年度の予算の審議を進めている。この予算案は、もともとソボトカ内閣時代に作成されて、解散前の議会で審議されていたはずだから、今更審議しても仕方がないと言うか、選挙の前に成立させておくべきだったのではないかという気もする。選挙がない年でも、審議に時間がかかりすぎて年内に成立せず、暫定予算で新年度を始めるなんてこともあるのかな。

 日本の場合には、正確には覚えていないけれども、衆議院の総選挙が行なわれた後の最初の招集で首班指名のための選挙が行われるんじゃなかったか。その後、組閣作業を経て、天皇による任命という経過をたどることになっているはずである。組閣が終わった後の内閣への信任投票は行われないと記憶している。首班指名の投票の時点で、首相候補者が過半数を確保しているわけだから、その首相候補者の組閣した内閣に対して、わざわざ信任投票をするまでもないということであろう。

 チェコの場合には、首班指名は国会の選挙によるものではなく、大統領の指名に基づくため、指名された時点で、国会内に過半数の支持を確保しているという保証はない。だから、改めて信任を得るための投票が必要になるのだろう。不思議なのは、大統領による首相と閣僚の任命が、その信任投票の前にあることである。
 現在のバビシュ内閣は、少数与党のANOの単独政権である。他の政党の動きを見ていると、国会で信任されるとは思えない。信任されなかった場合には、組閣のやり直しということになるのだが、それが大統領に任命された内閣の総辞職という扱いになるのか、信任が得られなかったことで、任命が無効になるのかはわからない。過去に総辞職した内閣の閣僚が、新しい内閣が決まるまで辞任手続き中の大臣とかいうややこしい名目で仕事をしていたことがあるような気もするから前者かな。
 とまれ、信任を得られなかった場合、再び大統領が首班指名を行なう。一回目の指名と同じ人物を選んでもいいし、別な党の党首を選んでもかまわないらしい。この前、最初の組閣で信任をえられなかったミレク・トポラーネク氏の場合には、二回目の指名を受けて組閣をやりなおし(閣僚に変化があったかどうかは知らない)、当時政界を引退していたゼマン大統領の支持で社会民主党の議員が何人か投票に参加しなかったことで、辛うじて信任を得られたといわれている。

 それを考えると、今回も二回目の首班指名が一回目と同様にバビシュ氏に降りることは、ゼマン大統領が大統領である限り、間違いない。二回目の信任投票で、共産党とオカムラ党の支持を得てバビシュ氏が信任をえるというのが、個人的に想定しているシナリオなのだが、二回目でも信任を得られなかった場合には、三回目の首班指名が行なわれる。この三回目の首班指名を行うのは、大統領ではなく、下院の議長ということになっているらしい。だから、選挙直後に市民民主党が、最大の会派から議長を出すという慣例を破って、議長の座を強硬に求めていたのである。
 ANOの議員が議長になっているので、三回目の首班指名もバビシュ氏に降りるのはほぼ決定的である。だからと言って信任されるとは限らないのが、困ったところで、この三回目の試みも失敗に終わった場合には、下院を解散して、再び総選挙が行なわれることになる。こういう事態になると、現状では不満はバビシュ氏側ではなく、かたくなにバビシュ氏を拒否している既存の政党に向かうような気がするが、どうだろうか。

 10月の選挙で、ANOが圧勝したけれども過半数には届かないという微妙な結果に終わった時点から、この再選挙の恐れというものは認識されていて、ゼマン大統領が信任を得ない内閣が、今回の下院の任期期間存続してもいいじゃないかと言い出した。不信任案が可決されたり、信任案が否決されたりして、辞職した内閣が、次の内閣が決まるまで辞任中という状態で政権を担当することがあるのだから、その期間が延びただけと解釈すればいいだろうというのだけど、これには当のバビシュ氏からも反対論が出た。
 現時点では、バビシュ氏であれ、他の誰であれ、組閣して信任を確実に得られるという候補者は存在しない。だから総選挙を避けるという意味では、ゼマン氏の主張も現実的ではあるのだけど、民主主義の原則に反するという反対論が強いので、実現することはないだろう。だから三回目のバビシュ内閣も信任を得られなかったら、再選挙が行なわれるのは確実である。それにしても、以前は下院は解散できるのかできないのかでもめていたのに、いつの間にか、解散できることが前提になっていることに少々驚いてしまう。

 本当は内閣が成立したら、大臣の紹介をするつもりだったのだけど、長続きしない可能性が高いので、国会で信任を得られてから紹介することにする。
2017年12月22日23時。



カレル・ハヴリーチェク伝 あるチェコ人の生涯ージャーナリスト、詩人そして政治 [ 山下貞雄 ]








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