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2017年12月05日
ハンドボール世界選手権開幕(十二月二日)
二年に一度行われるハンドボール女子の世界選手権がドイツで始まった。正確には、昨日の金曜日に開幕戦として地元ドイツの試合が行われているので、本日は開幕二日目である。チェコ代表は、南米のアルゼンチンとのグループステージの初戦を迎えた。去年のオリンピックでは地元のブラジル代表が意外な強さを発揮したが、基本的にヨーロッパ以外のチームは、草刈場となるものである。非ヨーロッパの強豪国としては、韓国が上げられるぐらいか。
だから、この試合、6チームからなるグループステージを勝ち抜いて、ベスト16に進出するためには絶対に負けられない、できれば大差で勝っておきたい試合だった。グループの他のチームは、まず、優勝候補の筆頭ノルウェー、最近の国際大会でノルウェーのBチームに負けたことを考えると、勝てるとは思えない。次にハンガリー、今年はじめのヨーロッパ選手権では、劇的な勝利を挙げて、それが大会唯一の勝利になったけれども、連続で勝てるとは思えない。
残りの二つのスウェーデンとポーランドはあまり情報がない。でも厳しいヨーロッパの予選を勝ち抜いての出場なのだから、簡単に勝てる相手ではありえない。チェコ代表がグループリーグを勝ち抜くためには、この二つの国のどちらかを追い落とすしかないのである。前提としてはもちろん、アルゼンチンに勝つことなのだけど。
それなのに試合の入りは最悪だった。最初の5分、10分は、アルゼンチンの攻撃は止められず、こちらの攻撃は得点にならずで、0−2、1−3ともどかしい展開が続いた。そこからドイツで活躍するフルプコヴァーとルズモバーのシュートが入るようになり、キーパーのサトラポバーが相手のシュートを止められるようになったので、一気に逆転して差をつけることに成功した。
最初はこの二人しかシュートを決められず、ベロニカ・マラーの惜しいシュートが二本外れたし、また二人におんぶに抱っこの試合になるような嫌な予感もした。強豪相手ならともかく、アルゼンチン相手にそうなってしまうと、先行き不安である。しかし、その予感は、前半の真ん中ぐらいから交代で出てきた選手たちが、次々にシュートを決めることで払拭された。特にフランスのディジョンでプレーしているリシャーコバーは、代表では過去最高というぐらいの活躍を見せてくれた。
点差は次第に開き始め、最大で7点差、前半終了時点では、15−9の6点差をつけていた。プレー内容でも、試合開始直後の10分前後を除けば、アルゼンチンに格の違いを見せ付けていたので、これなら大丈夫だろうと安心してしまった。それがいけなかったのだろう。ハーフタイムの特別プログラムで、2010年に監督に就任して以来、どん底にあったチェコのハンドボール女子代表を立て直すのに成功したバシュニーの特集が流れるのを見ているうちに、テレビの前で眠り込んでしまって、目が覚めたら試合は終了していた。
結果を見ると28−22、後半は13−13で引き分けに終わったようである。うーん。後半にも点差を広げて最低でも二桁の差をつけてくれると思っていたのだけどなあ。ちょっとばかりがっかりの結果である。これで、第二戦目のポーランドとの試合がますます重要になってくる。テレビの前で根落ちしないで、気合を入れて応援するぞと決意したところで、明日はブルノに行く用件があって、試合を見られないことに気付くのであった。大会の時期が一週間でもずれていてくれればよかったのに、残念。
テレテキストで他の試合の結果を確認していたら、日本がブラジルと試合をしていた、経過はまったくわからないものの、28−28で引き分けていた。相手がヨーロッパ外のチームだとは言え、勝ち点を取れたのはすばらしいことである。勝ち抜けは難しいだろうけれども、グループで最下位にならないことを祈っておこう。
正直な話、誰がいるかも知らない日本代表よりも、顔と名前の一致する選手の増えたチェコ代表のほうを熱心に応援してしまう。ベテランの域に入っているルズモバーが頑張っている間に、世界選手権でも、ヨーロッパ選手権でもいいので、優勝は難しいにしても、メダルに届くような成績を残してくれないかなあ。体格的にはサイドの選手でありながら、パワーとスピードで攻撃のときにはセンタープレイヤーを務めるフルプコバーも今の見ほれてしまうようなプレーを何年も続けられるものでもないだろうしさ。
2017年12月3日19時。
日曜日の試合で、チェコはポーランド相手に試合の大半を負けていたのだが、最後の15分ぐらいで大逆転に成功した。二試合終えて二勝、勝ち点4、これで勝ちぬけがほぼ決まりだったらいいのだけど、残念ながらそうは行かなかった。土曜日にポーランドがスウェーデンを破り、日曜日にはハンガリーがスウェーデンに負けてしまった。その結果、混線に拍車がかかってしまった。確実にづループステージを勝ち抜くためには、もう一勝勝っておく必要がありそうだ。