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2017年12月24日
チェコ語の動詞0(十二月廿一日)
久しぶりに、昔々の記事にコメントを頂いた。仕事をしながら真面目にチェコ語を勉強されている方のようで、コメントを読んでちょっと昔の真面目にチェコ語を勉強していた頃の気分を思い出してしまった。チェコ語を始めて半年かあ。一番楽しく、同時に辛い時期かもしれない。ここに書き散らしたチェコ語に関する文章が、勉強の役には立っていないだろうけれども、勉強の合間の気分転換や、気休めになっていれば幸いである。
ということで、最近ご無沙汰のチェコ語について書くことにする。名詞については全部書いたと思っていたのだが、実は、手、目、耳などの人体に二つずつ付いているものに特別な双数という形についてまだ触れていないことに気づいた。しかし、名詞についてあれだけ書いて、格変化はちょっとうんざりという気分もある。だから次は形容詞だと思っていたのに手を付けることができなかったのだしさ。
コメントには動詞の活用についてリクエストされているようなので、格変化する言葉から目先を変えて動詞について書いてみよう。これも結構厄介ではあるけれども、完了態とか不完了態とか考えなければ名詞よりは楽かな。
その前に、頂いたコメントの中で気になる部分にコメントをしておく。
テキストには簡単そうに法則を説明していますが、納得できない不規則性の壁に何度もぶつかってしまいます。
いやあ、わかる。よくわかる。チェコ語にはルールなどないところに無理やりルールを設定して、それに当てはまらないものを例外だと処理してしまうケースが非常に多く、いい加減にしてくれと叫びだしたくなったのは一度や二度ではない。最初から、こういうものだと決まったルールはなくて、言葉によって変わるんだという説明であれば、面倒ではあっても覚えるだけだからまだ納得はいく。それが、こういるルールがあると言われてそれを必至で覚えこんだ後で、これは例外だからちょっと違うというのが連発して、例外の方が多いんじゃないかといいたくなるようなことがあると、もう止めちまおうかという気分になってしまう。
ルールではなく、こういう傾向があるという説明であれば、それに当てはまらないものが出てきたときに裏切られたという気分にはならないのだろうけど、チェコの人はルールにしたがるのである。いや、チェコ語に関する感覚が鋭いはずのチェコ人であれば、ルールとしても例外の裏側にあるチェコ語的な考えかたが読み取れて、納得できるのかもしれない。ただそれを外国人に求められても困るのである。
最近はチェコ人が主張するルールで説明しきれない部分をコレクションしておいて、いざというときにチェコ人に反撃するための武器にしている。最近も、スポーツの名称で、日本語で「〜ボール」で終わるスポーツの場合に、チェコ語では読みが「ボル」になるものと、「バル」になるものがあるのだけど、それは何でだという質問でチェコ人を困らせることに成功した。ベースボール(baseball)のように英語のつづりをそのまま使っているものは、「ボル」もしくは「ボール」となり、バスケットボール(basketbal)のように、微妙にチェコ語化している(末尾のlが欠落)ものは、「バル」と読まれるようだが、チェコ語化するしないの境目がどこにあるかとなると、誰も答えられない。
だから、不規則性に出会ったときには、こういう使用目的でメモしておくことをお勧めする。チェコ人に対する嫌がらせとして使用していれば、繰り返すことにもなるので、その例外性が覚えやすく忘れにくい物になることは確実である。例外事項ばっかり覚えてしまって、本則事項があいまいになるという弊害もあるかもしれないけれども。
さて、本題の動詞である。本題なんだけど、例によって例の如く、枕が無駄に長くなってしまったので、今回は最初の部分だけ。
チェコ語では、伝統的に動詞の種類を、5つに分けて説明するが、言語学上の研究に関して走らず、外国人がチェコ語を勉強するのには、名詞の格変化の分類ほどには役に立たない。ことに動詞の種類をこれは1型とか2型とか覚えていくのは何の意味もない。動詞の現在の人称変化を覚えるに当たって、大切なのは原型と一人称単数の形を覚えていくことである。
チェコ語の動詞の中には、原形から人称変化させるときに、詐欺だろといいたくなるほど形が変わるものが、特に重要な動詞に多く、原形を覚えただけでは使い物にならない。その代わり一人称単数の形がわかれば、少数の例外を除いて、4つのタイプの変化しかないので、覚えるのは楽である。
次回からは、実際の人称変化について、あれこれいちゃもんを付け、薀蓄をたれていく。
この話、本当は昨日書くはずだったのだけど、ロシツキー引退という衝撃のニュースが入ってきたために一日延期してしまった。
2017年12月21日23時。