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2017年10月24日

ノバー・ブルナの映画が日本で見られるとは言っても……3(十月廿一日)



承前
受難のジョーク
 何だろうこれと思ったら、日本語への翻訳もあるミラン・クンデラの小説『冗談』の映画化だった。クンデラはフランスに亡命して以来、フランス語で作品を書くことも多いがこの時点ではまだチェコ語で書いていたはず。当然チェコ語の題名は「Žert」で前に「受難の」なんて形容詞はついていない。内容を考えて邦題にはつけたのだろうけど、チェコ映画の邦題には、一番有名な「コリャ」を含めて問題ありすぎである。
 監督はヤロミル・イレシュ、スロバキア人ぽい名前である。この人の作品も見たことがない。出演者で大切な俳優は、一番上のヨゼフ・ソムルと三番目のルデク・ムンザル、それにヤロミール・ハンズリークの三人。ソムルは、「厳重に監視された列車(Ostře sledované vlaky)」にも登場するチェコスロバキアを代表する名優の一人。ハンズリークはフラバル原作の「断髪式」で主人公の叔父のペピン役を演じて印象的な俳優である。二人とも、いろいろな映画やドラマに出演しているので、どこかで見たことがある人もいるかもしれない。ムンザルが出た映画はあまり見ていないけれども、「チェトニツケー・フモレスキ」に、それなりの役で登場するから重要な俳優であることは間違いない。
 ハンズリークは以前、共産主義時代の自分の出演作について、党主導のあからさまなプロパガンダ作品には出演しなくてもいいように、そういう企画が出てきたときには、すでに別の映画の撮影に入っているように、知り合いの監督に頼んでスケジュールを調整していたと語っていた。人気俳優というのは共産党も宣伝に使いたがったはずだし、大変だったのだろう。共産党政権の宣伝臭が強いとされる「ゼマン少佐の30の事件」で主役を演じた俳優は、共産党員ではなかったにもかかわらず、ゼマンを演じたという事実に付きまとわれて人生が変わってしまったと嘆いていたらしいし。


火葬人
 チェコ語は「Spalovač mrtvol」。これについては以前書いたから省略。次に放送されたら見てみようかな。


つながれたヒバリ
 イジー・メンツル監督が、当時のアイドル、バーツラフ・ネツカーシュを主役に据えて撮影した映画の二作目。原題の「Skřivánci na niti」を「つながれたヒバリ」と訳したのは、チェコの映画の邦題の中では秀逸である。かつて国外ではよく知られているわりに見たことがないと言うチェコ人が多いのに驚いたことがあるのだが、完成と同時にお蔵入りにされてしまって公開されなかったからだという。
 第一作の「厳重に監視された列車」もそうだが、この作品も、バーツラフ・ネツカーシュが素晴らしい。ちょっと頼りない、世間のことがわかっていないナイーブな男の子を演じさせたら、当時のネツカーシュの右に出る存在はいないんじゃなかろうか。チェコの歌手や俳優って、一見単なるアイドルに見えても、実は演劇関係の高等教育機関のDAMUで勉強していることが多いので、日本のアイドルとかタレントなんかとは比べてはいけないぐらいの演技力、歌唱力を誇るのである。ビロード革命後は事情も結構変わってきたらしいけどさ。ヘレナ・ボンドラーチコバーと競演した異色の童話映画「狂おしく悲しむお姫様(Šíleně smutný princezna)」も傑作だと思う。

 もちろん、この映画の完成度の高さについて考える場合には、監督のメンツル、脚本のフラバルというコンビも忘れちゃいけない。「厳重に監視された列車」「断髪式」「福寿草の祝祭(Slavnosti sněženek)」など、どれも一見の価値のある特徴的な作品である。
 出演者をみると、ルドルフ・フルシーンスキー、ブラディミールブラスティミル・ブロツキーの二人が重要。フルシーンスキーは、戦前、戦後、革命後の三つの時代をまたにかけて活躍したチェコ最高の名優だけど、ブロツキーの存在感も決して劣ったものではない。この二人が出ている時点で、作品の少なくとも役者の演技の面では、満足できることがほぼ確定である。

 ブロツキーで思い出すのは、以前娘で女優のテレザ・ブロツカーとともにトーク番組に出たときに、娘に、母親との結婚式を目前にして雲隠れした理由を問われていたときのことだ。正確には覚えていないけれども、確か「実は結婚式の前日に、闘病を続けていた祖母が……」「亡くなったんですか」「いや、その後元気になって今はアルゼンチンで別名で暮らしている」とか何とか。何の言い訳なのかわからなくなるような話に、よくわからないまま笑ってしまった。南米に逃げたナチスの高官が多いことをあてこすったのかなあ。
 ブロツキーの、このいたずらなと言うか、でたらめな側面がうまく出ているのが、くそジジイ二人組の活躍を描いた(それだけではないけど)「Babí léto」である。この映画の題名は「小春日和」と訳されることが多い言葉であるが、微妙に指すものがずれているような気がしなくもない。共演のもう一人のくそジジイは、「チェトニツケー・フモレスキ」で年配のチェトニーク、トゥルコを演じているスタニスラフ・ジンドゥルカである。


闇のバイブル/聖少女の詩
 この映画、邦題をチェコ語に訳して似た題名のものを探しても出てこない。原題は「Valerie a týden divů」。直訳すると「バレリエと不思議の一週間」。出演者についても特に語るべきことはない。ようは知らない人ばかりということである。

 見たことのない映画を出汁に、見たことのある映画について、三回分も薀蓄をたれてしまった。
2017年10月22日22時。




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2017年10月23日

ノバー・ブルナの映画が日本で見られるとは言っても……2(十月廿日)



承前
愛の殉教者たち
 チェコ語だと「Mučedníci lásky」。「パーティーと招待客」と同じく、ヤン・ニェメツの監督作品。イメージフォーラムの解説文には、「チェコの国民的歌手マルタ・クビショバー」も出演と書いてあるけれども、60年代のクビショバーは、国民的歌手というよりはアイドルである。
 クビショバーが、ヘレナ・ボンドラーチコバー、バーツラフ・ネツカーシュと組んで結成したゴールデンキッズは、「プラハの春」 によって緩和した時代を象徴するアイドルユニットというにふさわしい。1968年初めに結成されたこのグループは、プラハの春がワルシャワ条約機構加盟国軍の侵攻によって壊滅させられた後、1970年初めにクビショバーが公演を禁じられたことで、崩壊する。実質二年しか活動できなかったということになる。

 クビショバーが歌手としての生命を事実上絶たれたのに対し、ボンドラーチコバーは体制内で歌い続けることを選び共産党御用達の歌手となった(そんな印象がある)。ネツカーシュはその二人の間の道を行き、問題を抱えながらも歌手として歌い続けた。ただ、そのストレスからか、見る影もなく太っていて、テレビで初めて革命後の姿を見たときには別人かと思ったほどである。
 クビショバーは現在、確か引退コンサートと称して、各地でコンサートツアーを行なっているんじゃなかったかな。最近は歌手というよりも社会活動家としての側面が大きく、チェコテレビでは長年にわたって捨てられた犬や猫を収容する施設を紹介して、支援を求めたり犬や猫の引き取り先を探したりする番組の司会者を務めている。

 しかし、それよりも何よりも、この映画には共産党政権の時代から現在に至るまで、本当の意味でチェコの国民的歌手であり続けているカレル・ゴットも出ているのである。亡命したことがあるのだが、その喪失を恐れた政府が懇願して帰国してもらったという説もあるぐらいの人気を誇っていた歌手で、現在でも過去を懐かしむ世代だけでなく若い世代の中にも一定数のファンを確保している。『チェコ語の隙間』では、「チェコのサブちゃん」と評されているのだが、日本のサブちゃんよりは、歌うジャンルが幅広いし、ファン層も幅広い。それにチェコとスロバキアだけでなくオーストリアやドイツでも大人気というあたりがゴットのすごいところである。
 最近は絵画にも目覚めてあれこれ描いているようである。ゴットの絵を集めたカレンダーなんてのを見たことはあるけれども、どこがいいのかわからなかったので買いはしなかった。やはりカレル・ゴット、もしくは神のカーヤが、神から与えられたのは歌声であって、絵筆ではないのである。

 とまれ、ビロード革命の際に復帰して群衆の前で歌を歌ったクビショバーが、ビロード革命の旧体制が倒され新しい時代が始まったという「革命」の部分を象徴しているとすれば、カレル・ゴットは、革命が起こったにもかかわらず旧体制側から粛清されるものが出なかったという「ビロード」の部分を象徴していると言えよう。映画とは全く関係ない話なので、頑張ってきれいにまとめてみた。



狂気のクロニクル
 この作品の監督カレル・ゼマンは、予算が足りないのを逆手にとって様々な工夫を重ねて、言わゆる特撮の手法を編み出した人物である。原題は「Bláznova kronika」で、直訳すると「狂者の年代記」となる。この作品も実写と切り絵アニメーションを組み合わせているそうだが、その手の作品としては、ほら吹き男爵を映画化した「Baron Prášil」は見たようなきがする。あまり覚えていないけど、これが確かゼマンのこの手の作品の最初のものじゃなかったかな。

 しかし、カレル・ゼマンと言えば、ゼマンの作品で現在でも繰り返し繰り返し放送される人気作品と言えば、「原始時代への旅(Cesta do pravěku)」をおいて他にはない。「ほら吹き男爵」なんかは、何かの特別な機会にしか放送されないが、こちらは毎年のようにどこかのテレビ局で放送されている。内容はSFというか、子供たちに生物の誕生の歴史を教えるための教育映画というかだけど、最初の設定さえ許せれば、面白く見ることができる。
 発端は子供たちが三葉虫の化石を発見したことで、四人組の子供たちがボートに乗って、洞窟の中から流れてくる川をさかのぼっていく。川をさかのぼると地球の歴史をさかのぼることになり、すでに絶滅した動物や植物が見られるようになって、子供たちは観察日記をつけることになる。

 洞窟の中だったはずなのに、川を上っていたはずなのに、いつの間にか海にたどり着いてしまうあたりあれっと思った記憶もあるけど、恐竜に追いかけられたり、ボートが壊されたり、スリリングな展開もあって飽きさせない。最後は海で生きている三葉虫を見つけるという形で物語は閉じる。
 この映画では切り絵のアニメーションではなく、粘土で恐竜などの動物や植物を作成し、少しずつ動かしながら一コマ一コマ撮影していくという手法かとられている。動物などの造形に関しては、専門家に指導してもらって当時の最先端の研究成果を取り入れたらしい。ぎこちなさは意外と感じなかった。1950年代に、東側でこんな作品が作られていたというのは、日本の映画の歴史を知らないという点を差し引いても、驚いてしまう。

 話を戻して「狂気のクロニクル」に出演している俳優としては、ペトル・コストカとブラディミール・メンシークの二人が重要。特にメンシークは、チェコスロバキアのコメディーには欠かせない人物であった。



大通りの商店
 チェコ語の題名は「Obchod na korze」。『チェコ語の隙間』によれば、日本のテレビでも放送されたことがあるらしい。チェコでは滅多に放送されない。監督は名前のヤーン・カダールから考えるとスロバキア人、もしかしたらハンガリー系のスロバキア人ということもありうるので、チェコスロバキアのスロバキア側が中心になって撮影された映画の可能性も高い。
 出演者のリストを見ても知っている名前が一つもないし、もちろんチェコスロバキア時代のチェコ側の俳優をすべて知っているわけではないけれども、共産主義の時代の俳優であっても有名どころは、繰り返し繰り返しテレビに登場するのでだいたい知っているはずである。念のためにヨゼフ・クロネルのページを開けてみたら、ありゃ、この人、「遺産相続」に登場した白髪の爺さんだ。
 なんだかんだでつながっているものである。
2017年10月20日23時。





狂気のクロニクル(短編「プロコウク氏 発明の巻」) [DVD]







2017年10月22日

ノバー・ブルナの映画が日本で見られるとは言っても……1(十月十九日)



 渋谷のイメージフォーラムで「火葬人」が上映されるという情報をhudbahudbaさんからいただいたので、イメージフォーラムとは何ぞやとネットで検索してみた。そうしたら今年の十一月には、チェコスロバキアのノバー・ブルナ(ヌーベルバーグとは言いたくない)に属するとされる(一部あやしいのもあるけど)作品をいくつも上映すると書いてある。
このページね。
 http://www.imageforum.co.jp/theatre/movies/955/
 全部で九つも作品が並んでいるのだけど、ちゃんと見たことがある作品が二つしかない。うーん。チェコのノバー・ブルナの作品って実はあんまりいいとは思えないんだよなあ。名作と言われる「ひなぎく」もどこがいいのかさっぱりわからんかったし。
 せっかくなのでちょっと調べてあれこれ書いて見ることにする。


パーティーと招待客
 チェコ語の題名は、前に「〜について」という意味を表す前置詞の「O」がついて「O slavnosti a hostech」。前に「Zpráva(ニュース)」をつけて、「パーティーと招待客についての情報」とでも訳せる別題も存在するようだ。
 監督のヤン・ニェメツの名前はよく聞くのだけど、作品は一つも見たことがない。「夜のダイヤモンド(Démanty noci)」は、以前チェコテレビがノバー・ブルナの作品を集中的に放送していたときに、一部だけは見たはずだが、深夜の放送だったこともあって最初の部分をちょっと見ただけで、どんな話だったかも覚えていない。気になるのは「Démanty」で、今の正しいチェコ語であれば「Diamanty」となるはずなのだけど、スロバキア語とか方言とかだったりするのだろうか。


ひなぎく
 ノバー・ブルナの最高傑作とも言われる作品だが、そのよさが全くわからない。正直日本で立ち見が出るとか、通路に座ってみるとかいう話が信じられない。不条理劇というのは見る人を選ぶところがあるのはその通りだけれども、この映画は、単なる悪ふざけの域を出ていない印象がある。話の種に一回見ておけば十分で、二回、三回と見たくなるようなものではない。
 チェコ語では「Sedmikrásky」。これを日本語に訳すと「ひなぎく」になるのだろうけど、それぞれの言葉で持つイメージが同じなのかは心もとない。「ひなぎく」という日本語の響き、ヨーロッパ原産の植物らしいから、日本語でのイメージを云々しても仕方がないのだろうけど、「ひな」も「きく」も、あの二人の主人公にはそぐわない感じがするんだよなあ。

 とまれ、作品そのものよりも重要なのは、監督のビェラ・ヒティロバーである。絵本のところで取り上げたシースと一緒に登場したトーク番組を見て、そのとんでもなさを思い知らされたけれども、この人の作品のテーマというのは、男という存在のしょうもなさを描き出して糾弾することなのだろう。人権が抑圧されていた共産党支配の時代に、さらに抑圧されていた女性の権利を求めて戦っていた人だから、強烈な人になってしまうのは仕方がなかったのだ。
 もうだいぶ前の話だが、「チェトニツケー・フモレスキ」でカレル・アラジムを演じた俳優のトマーシュ・テプフルが、市民民主党から上院議員選挙に出馬したときに、ニュース番組に一緒に登場して対談をしていたのが、ひどかった。アラジムが自分の政治的な主張について語るたびに、「あんたは男だから」とか、「男のやることは」とか、「あんたら男はどうせ」とか、男性が女性に言ったら女性差別だといわれかねないような発言ばかり連発していた。チェコテレビも、同じ業界で政治的な発言の多い人物ということでヒティロバーを選んだのだろうけど、人選を間違えたとしか言いようがない。もしかしたらこのときヒティロバーも選挙に出ていたのかもしれない。確かプラハの選挙区から立候補したアラジムは当選して上院議員を一期務めたはずである。

 他のヒティロバーの作品で見たことがあるのは、「Pasti, pasti, pastičky」と「遺産相続」の二つ。前者はまだ日本にいた頃に、チェコ大使館で在日のチェコ人とチェコ語学習者のために開催されていた映画の上映会で見たのかな。これも「ひなぎく」と同じで一回見ればいいやという作品である。「ひなぎく」よりはストーリーがある分、見る甲斐はあるのだけど、そのストーリが……。
 強いて見所を上げるとすれば、チェコの建築探偵ことバーブラやハナークなどの、かつて文字通りアンダーグラウンドだった地下室劇場(Divadlo ve Sklepě)の連中が出演していることか。それにミロスラフ・ドヌティルも出ていたような気がする。このころからどこでもドヌティルだったんだなあ。とまれ、あんまりお勧めはしない。

 後者の「遺産相続」のほうは、こちらも救いのない話という点ではあまり変わらないのだけど、主役のモラビアの田舎者を演じる(演じていないという説もある)ボレク・ポリーフカの存在が、救いのない中の救いになっているというか、結末に救いのない救いがあるというか、ヒティロバーのいたずらが、「ひなぎく」よりはいい意味で効いているような気がする。
 モラビアの国民的映画なんていう話もあって、うちのはそんなことを言うと怒るけど、全編モラビアの方言がバリバリに使われていてチェコ語が結構できるようになってからじゃないとわからないところが多いと思う。初めて見たときには、登場人物が酔っ払ってしゃべっているシーンが多いこともあって、大体の状況は理解できても、何言ってるかわからんという場面も多かった。
 好みの別れる映画だろうけど、ヒティロバーの作品の中では、これが一番じゃないかなあ。テレビで放送されることも多いおかげか、登場人物の発言をいきなり引用してくるやつがいたりするし。自分でも、いいアイデアだねというときに「To je nápad, kolotoč kúpíme」とか言っちゃうけど。ちなみにこの作品にもドヌティルは結構重要な役で登場する。ああ、それから「神のカーヤ」こと、カレル・ゴットも本人役で登場するのだった。

 念のためにストーリーを簡単に紹介しておくと、モラビアのど田舎の村に住んでいる男(ポリーフカ)のところに、弁護士(ドヌティル)が現れて、アメリカに亡命した親戚が多額の遺産を残して死んだという情報を伝える。その遺産相続をめぐるドタバタ劇というか、ポリーフカとヒティロバーが好き放題にやらかしたというか。いい意味でとんでもない映画である。なんだけど……。
 ビロード革命直後の混乱した社会で、資本主義という怪物に飲み込まれて拝金主義的になっていたチェコ社会を描き出していると言えば言えるのだけど。ポリーフカには実は相続権がなかったことが判明した後の絶望を受けてのあのラストはちょっとなあ。なんでペハが出てくるかなあ。とまれ、他の二作品以上に、一見の価値があると思う。わかるようになるまで5回ぐらい見てもいいかもしれない。うん。
 上映される映画とは関係ない話ばかりなのは、このブログの記事である以上仕方がないのである。
2017年10月20日16時。





2017年05月24日

日本で見たいチェコドラマ(五月廿一日)


Aさんに

 二つ目のコメントをもらってしまった。ありがたいことである。コメントの返事代わりに、新しい記事のねたにさせていただく。正直、「ラビリント」、いやAXNミステリーでご覧になったようだから「ラビリンス」の記事に反応があるなんて思ってもいなかった。日本での放送は終わったみたいなので、記事を読んで、見たいと思われた方には、お詫び申し上げる。
 気になるのは、日本で放送されたときにどのぐらいの人が見たのかである。AXNの関係者が、たまたまこのブログを見て、情報を提供してくれるなんて偶然はないだろうし、問い合わせたら答えてくれるのだろうか。視聴者数が多ければ、再放送もされるだろうけど、よく考えたら、そこまでして知りたい情報でもなかったや。

 ただ、せっかくチェコのドラマが放送されたのだから、単発で終わらずに、「ラビリント2」は、いまいちだというので、同じストラフ監督の「悪魔の罠(デャーブロバ・レスト)」と「失われた門(ストラツェナー・ブラーナ)」も放送してもらえないものだろうか。「ラビリント」より、こっちの方が面白いと思うんだけどなあ。

 もしくは伝奇色が強い同じアルノシュト・バシーチェクが原作を書いた「ストラーシュツェ・ドゥシー」でもいい。こっちは、UFOとか宇宙人とかが出てくる話だっただろうか。ラングマイェルと並ぶ80年代後半のアイドル、バツリークが、こっちも渋くなりきれないおっさんを演じている。バツリークのパートナーを演じるズザナ・ノリソバーは、スロバキア人だけど、このドラマでは、チェコ語で話していたような記憶がある。ノリソバーは、邦題詐欺ミュージカル映画の「プラハ!」で主役の女の子の一人を演じているから見ればわかる人もいるかもしれない。

 いや、警察ドラマ、推理ドラマということで、ここはやはり「チェトニツケー・フモレスキ」の日本進出を目指すべきだろうか。大戦間期のヨーロッパが舞台になっているのは、日本人にとっても魅力的だろうし、比較的時代考証もしっかりしているので、当時のチェコスロバキア国内の情勢も、楽しみながら認識することができる。っていうとあんまり娯楽作品にならないか。

 同じモスカリク監督の「犯罪捜査における冒険」も捨てがたい。一話完結方式で、犯罪捜査に画期をもたらした技術が導入された経緯を描くドラマである。全部で26作、舞台となる国も、時代も(近代以降ではあるが)、登場人物もみな違っている。だから、全部まとめて放送する必要もない。
 もちろん出演者はチェコ人でチェコ語で話しているのだけどね。毎回見ないと話がわからなくなるということもないので、再放送のたびに、時間があって面白そうな内容の回だけ見ている。最近見た戦後すぐのオランダで発覚したフェルメールの贋作事件を描いた回は、面白かったなあ。

 ところで、よく考えたら、日本語でチェコの映画やドラマを見たことがないのだった。日本のテレビで見たのは、せいぜい「モグラと自動車」ぐらいのもので、これは子供向けのほとんど無声アニメだったから、日本語もチェコ語も関係なかったし。東京のチェコ大使館では、日本在住のチェコ人、チェコ語を勉強している日本人向けに、チェコ映画の上映会を行なっていたけれども、基本的に英語の字幕つきだったはずだ。だから、チェコ語で聞いても、英語を読んでもほとんど理解できないという状態で、苦しみの度合いは一年目のサマースクールと同様だった。
 当時ビェラ・ヒティロバーの「パスティ・パスティ・パスティチキ」を見たのは覚えているけれども、衝撃的な映像以外、ストーリーなどはまったくといいほど覚えていない。また見たいとは思えなかったのでチェコに来てからも見ていない。それにしても、「セドミクラースキ」などで、チェコ映画の「新しい波」の代表的な監督の一人だと目されていたヒティロバーが、あんなとんでもない女性だったとは、予想もしていなかった。というのは、チェコに来て、トーク番組や政治的な対談番組に登場したのを見ての感想である。

 特に映画ファンというわけでもなかったので、「つながれたひばり」や「厳重に監視された列車」なんかの存在は知っていたが、何としてでも見ようなんて気にはなれなかったし、見ようと思えば見られたはずの「コリャ」は、「コーリャ、愛のプラハ」という邦題のこっぱずかしさに見たいとは全く思えなかった。
 チェコに来てからは、チェコ語の勉強もかねてという言い訳で、テレビで映画やドラマをあれこれ見るようになった。アメリカの映画やドラマも、日本ではほとんど見ていないからチェコ語で見たものの方が多い。さすがに日本の番組は、と言いかけて、テレビドラマはともかく、映画はチェコ語吹き替えで、もしくはチェコ語の字幕つきで見たものの方が多いかもしれないことに気づいた。日本ではテレビなんか見ない人間だったのに、どうしてこうなってしまったのだろう。

 当初の予定では、コメントを残してくださったアッキーさんの住まれているというターボルについて書くつもりだったのだけど、枕が長くなって一回分になってしまった。ということでターボルについては、またの機会に。

5月23日10時。



 おっ、メンツル(メンツェルではない)の映画が日本でも買えるみたいじゃないか。字幕作るの大変だったろうなあ。ついでなので「セドミクラースキ」も。こっちは言葉なんて不要だったかな。5月23日追記。

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2017年05月19日

日本で見られる「ラビリント」(五月十六日)



 昨日の続きだけれども、ちょっと題名を変えてみた。毎回数字をつけてごまかすというのも、なんだか芸がない気がするし。日本のAXNミステリーの紹介ページを開くと、第一シリーズの主役二人の写真が出てくる。男のほうは、チェコ人のイジー・ラングマイェルで、女性はハンガリー系スロバキア人のズザナ・カノーツである。

 ラングマイェルは、1966年生まれで、80年代の後半には、ルカーシュ・バツリークと並んで、アイドル的な人気を誇る若手俳優だった。それが、今では髪に白いものも見えるようになって……。それでも、どこか若やいだところがあって、渋いとかいぶし銀なんて言葉が似合うところまではきていないような気がする。
 80年代の代表的な主演作としては、徴兵された若者と、配属された部隊の隊長の妹の恋愛を描いたコメディ映画、「軍人がこんなんでいいのか……」(仮訳)が挙げられる。背が高くてかっこいいんだけど、どこかいい加減で頼りない主役の若者を演じていた。この映画で隊長役を演じたのが、ハリウッドでも活躍するカレル・ロデンである。

 「ラビリント」の監督ストラフの出ていた「俺達五人組」(日本語の題名としては「無敵の」とか入れたくなるけどね)には、ストラフ同様、脇役ながら重要な役で出演していた。「チェトニツケー・フモレスキ」にも出演していたのは、確かなのだけど、誰の役を演じていたかが思い出せない。婚約者を亡くした若い男だったかな。
 ストラフ監督作品だと、伝奇推理ドラマ「失われた門」で非常に重要な役を演じていた。主演作品はそれほど多くないけれども、さまざまな作品に出演して、チェコの映画、ドラマには欠かせない俳優の一人になっている。
 監督には、使いやすい俳優、使いにくい俳優がいるのか、同じ監督の作品には結構同じメンバーの俳優が集まることが多い。その意味では、ラングマイェルは、ストラフ監督にとっては相性のいい使いやすい役者ということになるのだろう。

 スロバキアからやってきた女刑事という役どころのズザナ・カノーツは、名字を見てわかるとおりハンガリー系である。スロバキア人であれば、名字が「オバー」で終わるのだが、ハンガリー系の人の中にはハンガリー語の名字をそのまま使っている人たちがいて、その場合末尾に「オバー」をつけなくてもいいのである。
 出身は東スロバキアのコシツェで、高校まではハンガリー語で教育を受けたようである。チェコやスロバキアの少数民族に対する言語政策は、至って穏当なものである。少なくともチェコのポーランド人居住地域、スロバキアのハンガリー人居住地域では、高校まではポーランド語、ハンガリー語での教育が受けられるようになっている。
 スロバキアで、民族主義的な主張を掲げる政党が台頭しているのは、ハンガリー政府が、国外のハンガリー系の人々にハンガリー国籍を無条件に付与するとかいう意味不明なことを始めたのも原因のひとつになっている。スロバキア語を母語としていても、ハンガリー系だというだけで、ハンガリーの大学に入学できたりするもんだから、過剰なハンガリー民族意識に毒されて、ハンガリー人だという理由で警官に暴力を振るわれたなんて狂言をやらかす人間が出てくるのだ。

 カノーツは、基本的にスロバキアで活動しているようで、チェコの映画やテレビでは、ほとんど見かけた記憶がない。ビロード革命以前から、スロバキアの役者がチェコに来て、チェコで活動するという例は枚挙に暇がないのだが、その場合、チェコ人の役をするときには、チェコ語で話し、スロバキア人の役をするときには、スロバキア語で話すのである。それに対して、チェコ人の俳優がスロバキア語でスロバキア人の役を演じるということはめったにない。
 この「ラビリント」では、スロバキア人役なので、カノーツはスロバキア語で話しているが、以前、チェコのドラマに出たときには、チェコ語に吹き替えされていたというし、チェコ語がどのぐらいできるのかはわかならない。ちなみに第二シリーズには登場しないようである。

 他の出演者で気になるのが、ミロスラフ・ドヌティルである。この俳優、悪い俳優ではないのだけど、「どこでもドヌティル」と言いたくなるぐらいに、多くの映画、ドラマに出演している。特に最近は、俳優本人だけの問題ではないのだろうけど、どの役も同じような演じ方になってしまっている嫌いがあって、ドヌティルが出てくると見る気が半分ぐらいになってしまう。第一シリーズを途中で見なくなった原因の一つかもしれない。傑作ドラマ「チェトニツケー・フモレスキ」にも、第三シリーズになって登場しやがって、そのせいで第三シリーズは、あまり見る気になれないのである。

 第二シリーズには、名脇役のスタニスラフ・ジンドゥルカも出るみたいだけど、この人については、機会があったら、別に物することにしよう。結局三人しか紹介しなかった。
5月16日23時。




2017年05月18日

チェコのテレビドラマが日本で見られる?(五月十五日)



 うちのに突然「ラビリンス」って知ってると聞かれた。質問の意図がわからず応えかねていたら、日本語で「ラビリンス」と書かれたイジー・ラングマイェルの写真のあるページを見せられた。AXNミステリーとかいうテレビ局でチェコテレビが制作したオカルトじみた刑事ドラマ「ラビリント(迷宮と訳したいなあ)」が放送されるらしい(すでにされたのかもしれない)。その紹介ページがここ
 チェコでも衛星放送などで有料のチャンネルを展開しているAXNが、公共放送のチェコテレビが制作したドラマを放送するというのに、違和感を感じたけれども、日本のNHKが制作したドキュメント番組をチェコの民放のプリマが放送するのと同じだと考えればいいのか。ただ、チェコに同じAXN系列のテレビ局があるのが違うだけである。

 AXNミステリーのページには、このドラマについても、監督や俳優たちについての情報もあまりない。「北欧の香りのする東欧ドラマ」というキャッチコピーで、どれだけの人がどんなドラマか想像できるのだろうか。リンクされていたページにはもう少し詳しいことが書いてあったけど……。「監督のイジー」って、いや、カタカナで「イジー」と書かれていることは評価する。だけど、これは名前なので、名字のストラフを使ってほしかった。
 キャストについてはこっちのページに、出ている。ただし、主役の二人だけ。主役の男は「イジー・ラングマヤ」、うーん惜しい。女は「スザーナ・カノッツク」、名前はともかく名字は読めんぞ。

 ということで、せっかくなのでこのドラマにかかわる人々の情報を提供することにする。出演者や監督の見た目についてはチェコテレビの特集ページから見てもらうことにして、ストーリーについても、すでにリンクしたページに書かれている以上のことを書くとネタばれになって興ざめだろうから、いつものように周辺情報である。

 まずは、監督から。監督のイジー・ストラフは、1973年生まれで、もともとは俳優として活動していた。主役を演じた代表作としては、カレル・チャペクの原作をズデニェク・スビェラークとカレル・スミチェクが1997年に映画化した「ロトランドとズベイダ」が挙げられる。これは、子供向けの童話映画で、ミュージカル映画としても高く評価する人がいる。ここでは、ちょっと間抜けな盗賊の親分の息子を演じていた。
 それから主役ではないけれども、1994年放送のテレビドラマ「俺達五人組」(チェコ語だとBylo nás pět)で、主人公の男の子のちょっと年の離れた兄を演じていたのが印象に残っている。どちらかというとちょっととぼけたというか、ナイーブなというか、独特な味のある男の子の役を演じていた印象がある。

 それが、九十年代の半ばぐらいからテレビ向けの長編ドラマや連続ドラマの制作を手がけるようになり、現在では俳優としてよりも、監督として有名な存在になっている。劇場公開された映画では、子供向けの童話映画の傑作「アンデル・パーニェ」が一番有名で、続編も制作されて昨年末に公開されている。観客動員が百万人を超えたので三作目も制作されるはずである。いつになるかはわからんけど。

 テレビドラマとしては、日本のジャンルで言うと伝奇小説家のアルノシュト・バシーチェクと組んで制作した「悪魔の罠」「失われた門」の二部作が最高傑作である。どちらも、毎回一時間ちょっとで三回に分けて放送されたから、実質的には三時間ほどの長編ドラマということになる。こっちの方が日本でも受けるんじゃないかと思うんだけどどうかな。
 前者は、中世のカトリックの修道院内に巣食っていた悪魔崇拝の秘密結社の一員の生まれ変わりが、当初の目的に目覚めて儀式的な連続殺人を犯すというもので、後者は、別世界へとつながる失われた門を発見しようとしたフリーメーソンのプラハにあるロッジのメンバーが次々に殺されていくという事件である。どちらも、同じ捜査官二人と助っ人の宗教学者の三人が事件の解決に当たるのである。噂によると三作目も準備されているようなので、非常に楽しみにしている。

 他にもいろいろなジャンルの作品を監督していて、現在チェコで最も評価の高い監督のひとりである。ツィムルマンほどではないにしても、チェコ語がわからない人にはわかりにくい部分があるので、外国での知名度はそれほど高くないものと思っていた。それがドイツなどの近隣諸国ならともかく、遠く離れた日本で放送されるというのだから驚きである。この文章が、理解の一助に、なったりはしないだろうなあ。

 実は、この「ラビリント」、ちゃんと見ていないのである。部分的には見た記憶がある。七回とチェコのこの手の一つの事件を追うドラマにしては長すぎるので、途中でだれてしまって見るのをやめたのか、「悪魔の罠」「失われた門」には及ばないと評価したのか。今年の冬にある有名なスポーツ選手が、お気に入りの番組として「ラビリント」を挙げたのを見て、そんなによかったかなと、機会があったらちゃんと見てみようと思ったのだけど、機会を逃してしまった。
 今年の三月から、第二シリーズが放送されたのだけど、第一シリーズを見る前に見るのは避けたいと思って見なかった。その後、四月末から第一シリーズの再放送が始まった。しかし、その第一回を見逃してしまったのである。チェコテレビのホームページで視聴できるようになっている可能性はあるけれども、そこまでして見たいとも思えない。

 長くなってしまったので、出演者については次回に回すことにして今日はお仕舞い。個人的には、特に理由はないけれども、「北欧の香り」のするドラマと言われると、こっちを思い浮かべてしまう。
5月15日22時。



「ラビリンス」で検索したら……。さすがになかった。なんだかよくわからないけど、せっかくなので載せておく。5月17日追記。

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2017年01月16日

シャーロック・ホームズ(正月十三日)



 コナン・ドイルが生み出したこの希代の名探偵の物語は、これまでに何度も映像化されているが、初めて見た八十年代にNHKで放送されていたイギリスのグラナダTV制作のやつの印象が強すぎて、他はどれを見ても違和感しか感じない。あの俳優、ジェレミー・ブレッドだったっけの演じたホームズの適度の奇矯さは、原作のホームズそのまま、少なくとも田舎の中学生の想像ではそのままだった。
 そのシリーズのうち、どれだけの作品を見たのか、どの作品を見たのかは覚えていないのだが、少なくとも大学進学で実家を離れテレビのない生活を始めるまでは、万難を排してとまではいかないが、熱心な視聴者であった。「踊る人形」だけは見たのを思い出した。

 そのグラナダTVのホームズにチェコで再会したのが、十年ぐらい前だっただろうか。民放のノバかプリマで放送されたのだが、実際にどちらであったかはどうでもいい。チェコに来て最初の贅沢として購入したハードディスク付きのDVDレコーダーで、録画したところ、英語とチェコ語の二ヶ国語放送になっていて、片方ではノバもう一方ではプリマが放送すると言っていたのだ。ハードディスクからDVDにコピーするときに、英語音声は消えてしまったけど。
 チェコ語版のこのシャーロック・ホームズも、ホームズ、ワトソンに声をあてている俳優達の演技のおかげか、これがホームズだと納得のいくものだった。残念なのは、放送されたのが、「バスカービルの魔犬」「四つの署名」など一時間半ぐらいの長編として製作されたものばかりで、日本のNHKで見ていた三十分ぐらいの短編は、今に到るまで放送されていないことだ。この手の本格的な推理物を、チェコ語で細かいところまで意識しながら見るには、短編の方がありがたいのだけどね。

 昔、日本にいたころは、外国のテレビドラマや映画は吹き替えでなく、字幕で見るほうがいいなんてことを言っていた。高校時代だったかなあ、英語が得意な連中がそんなことを言っていたのに、別な理由で同調していたんだったかな。あいつらは英語を聞いて勉強に役に立てたいようなことを言っていたけれども、それはどうでもよくて、字幕つきを見る方がかっこいいとかそんなしょうもない理由だったような気がする。
 こちらに来てからは、チェコの吹き替えのレベルが高いこともあって、こちらに来て考えが変わった。いや、実はチェコ語の字幕を読みきれないというのが一番の原因なのだけど、チェコ語でしゃべっていても、本来の言語である英語やフランス語でしゃべっていても外国語であることには変わりはないので、違和感を感じないという面はありそうだ。
 だから、逆に日本の映画なんかが、アニメであってもチェコ語に吹き返されていると見るのがつらい。何年か前に放送された藤沢周平原作の時代劇は、字幕つきだったのだけど、字幕も読みきれず日本語の発音も聞き取れずで途中で見るのをやめてしまった。多分、方言の部分が聞き取れなかったのだと思うのだけど。

 隣のポーランドでは、外国作品の吹き替えは、すべての登場人物に一人の俳優が声をあてるという、かつての活動写真の弁士を思わせるものだったらしいし、スロバキアでも以前は、吹き替えが行なわれている部分はBGMなどの効果音が消えてしまうというものだったらしい。チェコでもそんな吹き替えだったら、字幕のほうがいいと思ったかもしれない。

 さて、日本でも多分話題のBBC制作の舞台を現代に移した「シャーロック」、チェコでも現在第四シリーズ(と言っても三作だけだけど)が放送されている。これもホームズとワトソンの配役は当たりだと思う。話も面白くよくできている。だけど、話がチェコ語で完全に理解するには難解すぎて、一回見ただけではよくわからないのが困り物である。そして見返すのにも、気合というか、一時間半集中して見るぞという覚悟というかが必要で、なかなか手が出せない。
 今週末に放送される回のタイトルが「最後の事件」なのだけど、今シリーズで最後ということなのだろうか。それとも、書籍版と同じで視聴者の要望が強くて何年後かに復活なんてことを想定しているのだろうか。いや、でも、既に一度ストーリー上はホームズ復活しているんだよなあ。どうなるんだろう。
 チェコでは、最初のシリーズは、チェコテレビの第一で、午後八時から放送されたような記憶があるのだが、今回は第二でしかも午後十時という遅い時間の放送開始になっている。絶対に見るというコアなファンは、うちのも含めて一定数いそうだけれども、視聴率が予想ほど上がらなかったことが原因なのだろう。最近のチェコテレビは民放出身者が社長になって、以前よりも視聴率争いに汲々とするようになっているのだ。
1月14日23時。



 やはり、これこそホームズである。1月15日追記。

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2017年01月13日

ルハチョビツェのチェトニークたち(正月十日)



 普段からディープなチェコファンにしかわからないような文章を書き散らしている自覚はあるが、本日の分はその中でも、チェコ系日本人とか、日系チェコ人になりつつある人にしかわからないようなものになってしまいそうである。ちなみに、チェコ語が堪能な日本人と、日本が堪能な日本人のことをこのように呼んでいる。ただ、どっちがどっちになるのか決めきれていないのだけど。

 すでに記事にはしたが、アントニーン・モスカリークの畢生の大作「チェトニツケー・フモレスキ」は、チェコのテレビドラマ史上における最高の傑作である。「マヨル・ゼマン」だという人もいるかもしれないけれども、それにこういうのは好き好きだとも思うけれども、あれは共産主義のプロパガンダ臭が強すぎて、見ていられない部分がある。
 とまれ、近年チェコテレビでも、民放でも量産されているテレビドラマの数々は、「チェトニツケー・フモレスキ」の足元にも及んでいない。いや、まあ、いくつかそれなりに評価できるのはなくもないのだけど、とりあえず、「チェトニツケー・フモレスキ」は、チェコのドラマ史上に於いて隔絶した存在であることを断言しておく。

 さて、去年たまたまチャンネルを合わせていたトーク番組に登場した女優が、あまり知られていない人で名前も顔も覚えていないのだけど、少々誇らしげに、「チェトニツケー・フモレスキ」のあとにつながるようなドラマに出演するのだと語っていた。それが表題の「ルハチョビツェの憲兵たち」という番組のことだった。最初に話を聞いたときには、「フモレスキ」が終わったあと、つまりナチスによってチェコスロバキアの国土が奪われた時期、そして占領時代の話になるのかと思っていた。
 だから、多少は期待していたのだよ。「チェトニツケー・フモレスキ」とまでは行かなくても、そこそこ見られるドラマに仕上がって、毎週金曜日の夜はパソコンの前ではなくてテレビの前に座るようになるのではないかと。それにナチスドイツの占領下のチェコ系住民の生活を、憲兵隊員たちの活躍を通して描くのだとすれば、なかなか野心的な作品だということになる。
 この時代を描いた作品となると、どうしても保護領に潜入して総督を暗殺した部隊についての話が中心になって、一般の人の姿が描かれることはほとんどない。今でも繰り返し放送されるブリアンやノビーの出てくる戦前のモノクロ映画の中には、第一共和国の時代ではなくナチスの保護領下で制作されたものも多い。ただ、喜劇を演じる俳優たちがどのような葛藤を抱えて演技していたのかについては想像するしかないのである。

 話をもとに戻そう。年末に近づくと簡単な予告編が流されるようになり、最初の違和感を感じた。それは、まず憲兵隊達の制服が、「フモレスキ」のものとは違っていることだった。違っているのが、新しく見えるのではなく、古い時代のもののように見えた。違和感は、それだけではなかったのだが、正直な話、この予告編を見て、番組に対する期待は大きく落ち込んだのだった。

 そして、新年最初の金曜日、テレビの前の座ったのだが、途中からの予想通り期待は裏切られた。背景となる時代が「フモレスキ」よりも前の第一次世界大戦が終わってチェコスロバキアが独立した直後なのは問題ない。この時代の戦争から帰ってきた兵士たちや、ドイツ系の住民たちの扱いがどうだったのかなんてことが描き出されるのであれば、こちらもあまり取り上げられない時代だけに見るかいはある。だけど……。
 唯一、面白いなと思ったのが、ドイツ系のベテランの憲兵が登場してちょっと変なチェコ語でしゃべるところだろうか。新人たちに指示というよりは、ヒントを与えて捜査を進めさせていくのは、悪くなかった。ただ、あれこれ人気が出そうなものを詰め込んで、わけがわからなくなっているところがあるような気がした。いろいろ詰め込みすぎてまとまりがない。つまり、このブログと同じである。うーん、見続けるか、悩むなあ。

 ところで、ナチスの保護領時代の俳優たちの様子を描いたドラマも制作されていたようで、近々放送が始まる。ブリアン、ノビー、マルバンなど戦前のモノクロ映画でおなじみの俳優達が登場するというのだが、期待するべきなのかどうなのか、見るべきか見ざるべきか、それが問題である。テーマとしては面白そうである。ただ、昨年のクリスマスに放送された童話映画もひどかったし、ルハチョビツェの話もあれだたったし、チェコテレビの制作する作品に、今後も期待してもいいのかどうかがわからない。別のことをするったって大したことをするわけじゃないんだけど、せいぜいこのブログの文章を書いているぐらいか、ドラマや映画を見て時間の無駄だったというのはできれば避けたいんだよなあ。
 とりあえず、一回目ぐらいは見てみるか。
1月10日23時。



2016年10月05日

トルハーク四度(十月二日)



 また映画「トルハーク」を見てしまった。ブログの記事で確認すると前回は三月廿日に見ているから、半年振りということになる。この映画、以前は滅多に放送されず、チェコ人でも知らないという人、見たことがないと言う人が多かったのだが、今年はどういう風の吹き回しか、放送局は違うとは言え年に二回目の放送である。スビェラークが80歳になるというのが影響しているのだろうか。
「ポペルカ」などの本来クリスマスに放送されていた映画が年に何度も放送されるようになり、最初は嬉々として見ていたのに、飽きてしまって、最近は繰り返しにうんざりしてしまって、見なくなってしまったのに対して、「トルハーク」は、放送されていればついチャンネルを合わせ、他にすることがあるからながら見で済ませようと思いつつ、ついつい最後まで見入ってしまう。
 そして、毎回あまりのばかばかしさににやにやしながら、新しい発見をして、「トルハーク」の底知れぬ完成度の高さに胸を震わせるのである。今回もいくつか新たな発見があったので、いるかどうかは知らないけれども「トルハーク」ファンのために紹介しよう。

 まず、冒頭のキャスティングで小学校の女の先生を選ぶシーン。金髪の女性を選ぶはずなのに、ただ一人赤っぽい髪で出てきたハナ・ザゴロバーが選ばれるのはいい。しかし、そこで監督がザゴロバーにかける言葉がひどかった。けったいな眼鏡をかけていたので、「眼鏡を外して、髪を金に染めろ」と、ここまでは「染めろ」ではなく、鬘をかぶれだと思っていたけど、以前から理解できていた。実はその後に、「やせろ」という言葉が続いていたのである。実際にやせて映画に登場するのかどうかは気づけなかったが、女優というのも大変なものである。
 それから、貴族風の肉やレンスキー役を選ぶ部分では、他の候補者は実際に歌を歌うのに、ユライ・ククラは、声が出せないと言う理由で歌わない。その代わりマネージャーのような人物が出てきて、「治ったら、他の連中の何倍もいい声で歌います」とかいう一言で、役が決定していた。人気俳優であっただろうアブルハムのティハーチェク氏役や、歌手として人気絶頂にあったマトゥシュカの森林管理官役はキャスティングさえなかったから、このあたりに当時の映画の配役の決定のされ方が表れているのかもしれない。

 映画内で「ティハーチェクさんって英雄なの?」と先生に尋ねる子役のキャスティングでは、監督に媚びて「監督って英雄なの?」と言い換えた子供が選ばれる。それは以前から知っていたのだが、一緒に見ていたうちのが、「えっ、こいつ○○じゃない」と驚きの声を上げた。現在では映画監督をしているらしいが、ミロシュ・フォルマンの映画でカメラを担当した人物の息子として知られていたらしい。台詞が一つしかない子役だから誰がやっても大きな違いはないということで、監督に媚びる有名人の息子が選ばれるというのもかつての現実だったのかもしれない。共産党幹部の息子なんてことにすると、生々しすぎて検閲の対象になったのだろうが、いわゆる芸能界の有名人の息子であれば、許容範囲だったということか。大した役でもないのに、配役決定の字幕が出ていたから意図的であることは確実である。

 また、突然森林管理官が森に住む妖怪、化け物について、村民を相手に講義をするシーンが出てくるのだが、その意味がわかっていなかった。今回の見直しで、娘たちに近づく男たちが、妖怪を怖がって森林管理官の家のある森に入ってこないようにという意図があったことが確認できた。そして、講義には貴族の振りをするレンスキー氏も出席していたようで、ヒロインの小学校の先生エリシュカと夜の森を歩いているときに、恐怖に震えて、白雪姫に出てくる七人の小人におびえる男として愛想をつかされる伏線になっているのだった。気づかんかったぜ。

 そして、最大の発見が、野外映画館で公開初日の上映で、最後の最後に強風でスクリーンがびりびりに破けるのを見たイジナ・イラースコバーが、「こいつはトルハークだ」と叫んでいることだ。これまでは、直後のスモリャクか誰かの発言に気を引かれて聞き取れていなかったのだが、これは非常に大切な発言である。
「トルハーク」と言う言葉は、この映画では、大ヒットして連日満員で観客動員数も興行収入も多い映画を指しているが、本来「ちぎる、破る」という意味の動詞からできた言葉であるから、スクリーンがびりびりに破れてしまうのも、「トルハーク」と言えるのである。
 ああ、これで今まで謎だった金のことしか考えていないペトル・チェペクが演じるプロデューサーが、感情が高ぶるたびに着ているシャツを引き裂く理由がわかった。あれもある意味でトルハークなのだ。いらいらの表れというだけではなく、映画が「トルハーク」になるようにという願いのこめられた行動なのかもしれない。さらに、プロデューサが舞台挨拶に出るのを拒否したときに、監督がいう我々はみんなそれぞれ何らかの形でこの映画の完成に貢献してきたんだというのも、そのことを指しているのだろうか。いや、そこまで行くと穿ちすぎか。
 穿ちすぎついでにもう一つ思いついたことを言うと、爆発シーンが重要になっているのも「トルハーク」と関連させられなくもない。爆発物を指す名詞「トルハビナ」も、「トルハーク」と同じ動詞から派生してできた言葉なのだ。爆発で牛糞がちぎれるように飛び散るのも、一種の「トルハーク」だと言えると、この映画の目くるめくような構造がさらに緊密に構成されたものになるのだけど、どうだろうか。

 やはり、「トルハーク」はチェコ映画史上最高の作品である。誰が何と言おうと最高の作品なのである。
10月3日23時。


2016年08月08日

ヨーロッパリーグ予選のチェコチーム、あるいはオーストリアのお粗末(八月五日)



 ヨーロッパリーグの予選に出場するチェコのチームは、昨シーズンの三位と四位のスロバン・リベレツ、ムラダー・ボレスラフのにチームに、ムラダー・ボレスラフがMOLカップに優勝したおかげで順番が回ってきた五位のスラビア・プラハの三チームである。このうち、スラビアは二回戦に登場して、エストニアのチーム相手にやっとこさっとこ勝ち抜けての三回戦である。

 二位のリベレツの相手は、オーストリアのアドミラ何とか、確かウィーンの一地区を本拠地とするチームじゃなかったかな。オーストリアで行なわれた初戦はひどかった。エゴン・ブーフの活躍でリベレツが勝ったので、結果は最高だったし内容も悪くなかったのだと思う。最悪だったのは、スタジアムと運営である。
 本来ならこの試合はテレビで見られるはずではなかったのだが、たまたまケーブルテレビでオーストリアのテレビ局が入っているうちのの実家にいて、最後の20分ほどだけ、ドイツ語のコメントを聞いても何のことやらわからなかったが、音なしで見ることができた。しかし、本来なら最後の20分も見られなかったはずなのである。十一時ごろにもう終わっているだろうと、テレテキストで結果を確認したら、この試合だけなぜか終わっていなかった。首をかしげながらチャンネルを変えていると、オーストリアのテレビ局で、サッカーの試合を放送していた。よく見たら、リベレツの試合だったので、そのまま最後まで見ることにしたのである。
 サッカーの試合という面では、最後の20分間には、特筆すべきことは何も、いやアドミラの選手が元オロモウツのナブラーティルを突き倒して退場になったの以外は、何も起こらなかった。しかし、突然照明が消えて真っ暗になるという事態が、たったの二十分の間に二回も発生したのだ。二回目は確か90分の試合時間が終わってロスタイムとか、アディショナルタイムとか言われる時間に入ってからで、そのまま終了にしてもよかっただろうに、審判は律儀に照明が戻ってからプレーを再開した。こんなことチェコでも最近は起こらないし、以前起こったときも、比較的すぐ復旧されたと思うのだが、オーストリアではなかなか照明が戻ってくることはなかった。
 後で確認したところ、照明が消えたのは二回だけではなく、三回起こったらしい。一回目が一番ひどく復旧まで三十分以上かかったらしい。時間がかかった理由は、電源を管理する部屋の鍵が見つからなかったことだと言うからひどい話である。そのおかげで、最後の20分だけでも見られたから、とも考えたが、こんなことを起こしたチームにはペナルティがあってもよさそうな気がする。しかも試合の終盤には、髭もじゃらの変な変装をしてメッセージらしきものを書いたファンがグランドに侵入するのを放置して、何回目かの試合の中断を招いていていたし。
 しかし、しかしである。ニュースによれば、この試合で起こったとんでもない出来事はこれだけではなかったらしい。ハーフタイムには主審が怪我のために続行を断念し、後半から笛を吹いたのは第四審判だったらしい。まあこれは不可抗力で、運営側のミスというわけではないのだろうけれども、オーストリアお粗末過ぎるぞと言いたくなってしまう。

 選手の話では、照明が復旧できなかったときには、翌日の金曜日に残った分を続行するというプランもあったらしいのだが、国内リーグならともかく、この手のヨーロッパのカップ戦では、主催者側の開催能力の欠如ということで、没収試合にしてアウェー側の勝利ということにするのが一番いいような気がする。実際リベレツは週末にチェコリーグの第一節を控えていたわけで、金曜日に試合の残りを続行するということになった場合には、国内リーグの日程や結果にまで影響を与えてしまいかねないのである。
 いや、リベレツがその第一節でムラダー・ボレスラフに0−3であっさり負けてしまったのは、アドミラとの試合で、試合以外の部分で神経をすり減らしていたことにも原因があるのかもしれない。選手がグラウンドに乱入したファンが、実は自爆テロのために爆弾を身に付けているのではないかと、昨今のヨーロッパの情勢から考えると、そしてこの日のオーストリア側の運営体制から考えても、ありえなくはない想像をして、恐ろしかったとコメントしていたし。

 リベレツでの第二戦は、木曜日ではなく水曜日に行なわれた。そのおかげでチェコテレビが放送してくれたのだが、前半は素晴らしかった。積極的に攻めて二点とって勝ち抜けをほぼ確定させてしまったのだから。初戦で大活躍だったブーフがほとんど目立っていなかったのは、相手に警戒されたからなのか、いつもの悪いときのブーフだったのか。後者かな。
 後半は、典型的な悪いときのチェコチームで、積極的に前に出なくなり、相手にボールを持たれて、無駄に攻め込まれていた。相手があまり強いチームではなかったので、そのまま問題なく勝ちぬけに成功したけど、リベレツはアウェーで3−0で勝って戻ってきたのに、ホームで守りに入りすぎて延長だったか、PK戦だったかの果てに敗退したという過去があるから、試合が終わるまでは安心も信用もできないのである。

 リベレツの次の相手は、スパルタク・モスクワを破ったキプロスのチームになったようだ。チェコのチームとキプロスのチームというと、何年か前にヤブロネツが手も足も出ずに敗退したのを思い出す。リベレツはヨーロッパ・リーグ本戦の経験も豊富だから勝ち抜いてくれると思いたい。プラハとプルゼニュだけがヨーロッパの舞台で活躍するようでは、さびしすぎる。

8月6日12時。


 ムラダー・ボレスラフは、一勝一敗だったけど得失点差で敗退。スラビアは二戦とも引き分けだったけどアウェーゴールの差でせこく勝ち抜け。8月7日追記。
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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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