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2017年10月22日

ノバー・ブルナの映画が日本で見られるとは言っても……1(十月十九日)



 渋谷のイメージフォーラムで「火葬人」が上映されるという情報をhudbahudbaさんからいただいたので、イメージフォーラムとは何ぞやとネットで検索してみた。そうしたら今年の十一月には、チェコスロバキアのノバー・ブルナ(ヌーベルバーグとは言いたくない)に属するとされる(一部あやしいのもあるけど)作品をいくつも上映すると書いてある。
このページね。
 http://www.imageforum.co.jp/theatre/movies/955/
 全部で九つも作品が並んでいるのだけど、ちゃんと見たことがある作品が二つしかない。うーん。チェコのノバー・ブルナの作品って実はあんまりいいとは思えないんだよなあ。名作と言われる「ひなぎく」もどこがいいのかさっぱりわからんかったし。
 せっかくなのでちょっと調べてあれこれ書いて見ることにする。


パーティーと招待客
 チェコ語の題名は、前に「〜について」という意味を表す前置詞の「O」がついて「O slavnosti a hostech」。前に「Zpráva(ニュース)」をつけて、「パーティーと招待客についての情報」とでも訳せる別題も存在するようだ。
 監督のヤン・ニェメツの名前はよく聞くのだけど、作品は一つも見たことがない。「夜のダイヤモンド(Démanty noci)」は、以前チェコテレビがノバー・ブルナの作品を集中的に放送していたときに、一部だけは見たはずだが、深夜の放送だったこともあって最初の部分をちょっと見ただけで、どんな話だったかも覚えていない。気になるのは「Démanty」で、今の正しいチェコ語であれば「Diamanty」となるはずなのだけど、スロバキア語とか方言とかだったりするのだろうか。


ひなぎく
 ノバー・ブルナの最高傑作とも言われる作品だが、そのよさが全くわからない。正直日本で立ち見が出るとか、通路に座ってみるとかいう話が信じられない。不条理劇というのは見る人を選ぶところがあるのはその通りだけれども、この映画は、単なる悪ふざけの域を出ていない印象がある。話の種に一回見ておけば十分で、二回、三回と見たくなるようなものではない。
 チェコ語では「Sedmikrásky」。これを日本語に訳すと「ひなぎく」になるのだろうけど、それぞれの言葉で持つイメージが同じなのかは心もとない。「ひなぎく」という日本語の響き、ヨーロッパ原産の植物らしいから、日本語でのイメージを云々しても仕方がないのだろうけど、「ひな」も「きく」も、あの二人の主人公にはそぐわない感じがするんだよなあ。

 とまれ、作品そのものよりも重要なのは、監督のビェラ・ヒティロバーである。絵本のところで取り上げたシースと一緒に登場したトーク番組を見て、そのとんでもなさを思い知らされたけれども、この人の作品のテーマというのは、男という存在のしょうもなさを描き出して糾弾することなのだろう。人権が抑圧されていた共産党支配の時代に、さらに抑圧されていた女性の権利を求めて戦っていた人だから、強烈な人になってしまうのは仕方がなかったのだ。
 もうだいぶ前の話だが、「チェトニツケー・フモレスキ」でカレル・アラジムを演じた俳優のトマーシュ・テプフルが、市民民主党から上院議員選挙に出馬したときに、ニュース番組に一緒に登場して対談をしていたのが、ひどかった。アラジムが自分の政治的な主張について語るたびに、「あんたは男だから」とか、「男のやることは」とか、「あんたら男はどうせ」とか、男性が女性に言ったら女性差別だといわれかねないような発言ばかり連発していた。チェコテレビも、同じ業界で政治的な発言の多い人物ということでヒティロバーを選んだのだろうけど、人選を間違えたとしか言いようがない。もしかしたらこのときヒティロバーも選挙に出ていたのかもしれない。確かプラハの選挙区から立候補したアラジムは当選して上院議員を一期務めたはずである。

 他のヒティロバーの作品で見たことがあるのは、「Pasti, pasti, pastičky」と「遺産相続」の二つ。前者はまだ日本にいた頃に、チェコ大使館で在日のチェコ人とチェコ語学習者のために開催されていた映画の上映会で見たのかな。これも「ひなぎく」と同じで一回見ればいいやという作品である。「ひなぎく」よりはストーリーがある分、見る甲斐はあるのだけど、そのストーリが……。
 強いて見所を上げるとすれば、チェコの建築探偵ことバーブラやハナークなどの、かつて文字通りアンダーグラウンドだった地下室劇場(Divadlo ve Sklepě)の連中が出演していることか。それにミロスラフ・ドヌティルも出ていたような気がする。このころからどこでもドヌティルだったんだなあ。とまれ、あんまりお勧めはしない。

 後者の「遺産相続」のほうは、こちらも救いのない話という点ではあまり変わらないのだけど、主役のモラビアの田舎者を演じる(演じていないという説もある)ボレク・ポリーフカの存在が、救いのない中の救いになっているというか、結末に救いのない救いがあるというか、ヒティロバーのいたずらが、「ひなぎく」よりはいい意味で効いているような気がする。
 モラビアの国民的映画なんていう話もあって、うちのはそんなことを言うと怒るけど、全編モラビアの方言がバリバリに使われていてチェコ語が結構できるようになってからじゃないとわからないところが多いと思う。初めて見たときには、登場人物が酔っ払ってしゃべっているシーンが多いこともあって、大体の状況は理解できても、何言ってるかわからんという場面も多かった。
 好みの別れる映画だろうけど、ヒティロバーの作品の中では、これが一番じゃないかなあ。テレビで放送されることも多いおかげか、登場人物の発言をいきなり引用してくるやつがいたりするし。自分でも、いいアイデアだねというときに「To je nápad, kolotoč kúpíme」とか言っちゃうけど。ちなみにこの作品にもドヌティルは結構重要な役で登場する。ああ、それから「神のカーヤ」こと、カレル・ゴットも本人役で登場するのだった。

 念のためにストーリーを簡単に紹介しておくと、モラビアのど田舎の村に住んでいる男(ポリーフカ)のところに、弁護士(ドヌティル)が現れて、アメリカに亡命した親戚が多額の遺産を残して死んだという情報を伝える。その遺産相続をめぐるドタバタ劇というか、ポリーフカとヒティロバーが好き放題にやらかしたというか。いい意味でとんでもない映画である。なんだけど……。
 ビロード革命直後の混乱した社会で、資本主義という怪物に飲み込まれて拝金主義的になっていたチェコ社会を描き出していると言えば言えるのだけど。ポリーフカには実は相続権がなかったことが判明した後の絶望を受けてのあのラストはちょっとなあ。なんでペハが出てくるかなあ。とまれ、他の二作品以上に、一見の価値があると思う。わかるようになるまで5回ぐらい見てもいいかもしれない。うん。
 上映される映画とは関係ない話ばかりなのは、このブログの記事である以上仕方がないのである。
2017年10月20日16時。





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