2007年02月03日
牙をむく温暖化
牙をむく温暖化 国連報告
暖冬 干ばつ 気候変動への警告か
今世紀末には北極海の海氷が消え、暴風雨を伴う台風も増える……。地球温暖化が世界にもたらす影響を予測した国連「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第1作業部会の最新報告書が2日、正式決定された。温室効果ガス(*)を削減する京都議定書の約束期間が来年に迫るなか、今回の報告書は、一刻も早い対策実行を各国政府に求める内容となった。
地球温暖化に関する懸念が高まる中で、今冬は世界各地で異常気象が観測され、気候変動が誰にでも体感できる形で始まりつつあることを印象づけた。
米ニューヨーク州では1月上旬、平均値0度の最高気温が22度まで上昇し、半袖姿の市民も見かけた。それが1月中旬になると、米西部から中部にかけて異常低温となり、ワイオミング州では平均値を15度下回る氷点下26度を記録。カリフォルニア州では、異常低温によるオレンジなど農業被害が10億ドルに達した。
欧州は、秋以来の暖気流入で、1月中旬までアルプスに雪が積もらなかった。ところが下旬、突然の寒波で独仏など欧州中部の広い範囲で大雪となった。
劇的な暖冬を経験したのは北極圏ロシア。モスクワの動物園では、ヒグマが冬眠できずに“不眠症”に陥ったほか、ウクライナの山岳地帯では空腹のクマが漁師を襲う事故も起こった。
夏の南半球も異常だった。オーストラリアは観測史上最悪の干ばつに見舞われ、南東部では牧草が育たず、一面に赤茶けた土が広がっている。シドニーなど沿岸部の大都市でも、水不足のため乗用車の洗車などを制限。クインズランド州政府は、リサイクル処理した下水を飲料水に再利用する決断を下した。
アフリカでは、ケニア、ソマリア、エチオピアで昨年、記録的な干ばつで最大800万人が食糧支援を必要とした。砂漠化でアフリカ最大の淡水湖ビクトリア湖を始め多くの湖が縮小。象などの大型野生生物が、絶滅の危機にひんすると指摘する学者もいる。
異常気象には、各国の気象専門かも泣かされた。
韓国気象庁は1月31日、「国民の皆さんに不便をおかけし、申し訳ない。正確な予報が気象庁の存在価値だと肝に銘じる」と異例の謝罪。2度にわたって大雪予報がはずれ、国民から「あたらない気象予報」と厳しく批判された。
【異常気象が原因と見られる世界の自然災害】
米国
北米(オクラホマ州)の寒波。
寒波の襲来で、カリフォルニア州モントレーで1月に過去最低の氷点下3度を記録。
果樹に数百万ドルの被害が出た。
ブラジル
昨年12月以降、豪雨で洪水や土石流が発生。約40人が死亡、数万人が家を失った。
オーストラリア
干ばつが深刻化。メルボルンで1月に森林火災が起き、広範囲で停電となった。
インドネシア
洪水で水につかったインドネシアのジャカルタ市内。
マレーシア
昨年12月以降、南部で洪水が相次ぎ、17人が死亡、約9万5000人が避難。
アンゴラ
洪水が1月末、アンゴラなど南部アフリカ各国を襲い、84人が死亡、約5万人が避難した。
スペイン
1月末、南東部で気温が急激に下がり、アンダルシア地方で氷点下6度を記録。
交通にも影響が出た。
ブルガリア
1月に各地で気温が上昇。20度を超え、過去最高となった地域も出た。
オランダ
暴風雨にさらされた灯台。
ドイツ・ハノーバ
暖冬で冬眠できないクマ。
ロシア
西部から東シベリアにかけて暖冬が続き、モスクワなどでは1月の大半の気温が氷点下
にならなかった。
以上、2007年2月3日読売新聞より引用。暖冬 干ばつ 気候変動への警告か
今世紀末には北極海の海氷が消え、暴風雨を伴う台風も増える……。地球温暖化が世界にもたらす影響を予測した国連「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第1作業部会の最新報告書が2日、正式決定された。温室効果ガス(*)を削減する京都議定書の約束期間が来年に迫るなか、今回の報告書は、一刻も早い対策実行を各国政府に求める内容となった。
地球温暖化に関する懸念が高まる中で、今冬は世界各地で異常気象が観測され、気候変動が誰にでも体感できる形で始まりつつあることを印象づけた。
米ニューヨーク州では1月上旬、平均値0度の最高気温が22度まで上昇し、半袖姿の市民も見かけた。それが1月中旬になると、米西部から中部にかけて異常低温となり、ワイオミング州では平均値を15度下回る氷点下26度を記録。カリフォルニア州では、異常低温によるオレンジなど農業被害が10億ドルに達した。
欧州は、秋以来の暖気流入で、1月中旬までアルプスに雪が積もらなかった。ところが下旬、突然の寒波で独仏など欧州中部の広い範囲で大雪となった。
劇的な暖冬を経験したのは北極圏ロシア。モスクワの動物園では、ヒグマが冬眠できずに“不眠症”に陥ったほか、ウクライナの山岳地帯では空腹のクマが漁師を襲う事故も起こった。
夏の南半球も異常だった。オーストラリアは観測史上最悪の干ばつに見舞われ、南東部では牧草が育たず、一面に赤茶けた土が広がっている。シドニーなど沿岸部の大都市でも、水不足のため乗用車の洗車などを制限。クインズランド州政府は、リサイクル処理した下水を飲料水に再利用する決断を下した。
アフリカでは、ケニア、ソマリア、エチオピアで昨年、記録的な干ばつで最大800万人が食糧支援を必要とした。砂漠化でアフリカ最大の淡水湖ビクトリア湖を始め多くの湖が縮小。象などの大型野生生物が、絶滅の危機にひんすると指摘する学者もいる。
異常気象には、各国の気象専門かも泣かされた。
韓国気象庁は1月31日、「国民の皆さんに不便をおかけし、申し訳ない。正確な予報が気象庁の存在価値だと肝に銘じる」と異例の謝罪。2度にわたって大雪予報がはずれ、国民から「あたらない気象予報」と厳しく批判された。
【異常気象が原因と見られる世界の自然災害】
米国
北米(オクラホマ州)の寒波。
寒波の襲来で、カリフォルニア州モントレーで1月に過去最低の氷点下3度を記録。
果樹に数百万ドルの被害が出た。
ブラジル
昨年12月以降、豪雨で洪水や土石流が発生。約40人が死亡、数万人が家を失った。
オーストラリア
干ばつが深刻化。メルボルンで1月に森林火災が起き、広範囲で停電となった。
インドネシア
洪水で水につかったインドネシアのジャカルタ市内。
マレーシア
昨年12月以降、南部で洪水が相次ぎ、17人が死亡、約9万5000人が避難。
アンゴラ
洪水が1月末、アンゴラなど南部アフリカ各国を襲い、84人が死亡、約5万人が避難した。
スペイン
1月末、南東部で気温が急激に下がり、アンダルシア地方で氷点下6度を記録。
交通にも影響が出た。
ブルガリア
1月に各地で気温が上昇。20度を超え、過去最高となった地域も出た。
オランダ
暴風雨にさらされた灯台。
ドイツ・ハノーバ
暖冬で冬眠できないクマ。
ロシア
西部から東シベリアにかけて暖冬が続き、モスクワなどでは1月の大半の気温が氷点下
にならなかった。
(*)温室効果ガス
地表から出ていく熱(赤外線)を吸収し、気温を上げる働きをする気体の総称。人間活動によって、その大気中濃度が急上昇しており、温暖化の主な原因とされている。京都議定書では、二酸化炭素やメタンなど6種が削減対象。
地表から出ていく熱(赤外線)を吸収し、気温を上げる働きをする気体の総称。人間活動によって、その大気中濃度が急上昇しており、温暖化の主な原因とされている。京都議定書では、二酸化炭素やメタンなど6種が削減対象。
異常気象が各地を襲う中、まだ日本はそんなに酷い被害を受けていない。
目の当たりにしていない分、あまり実感が湧かないが、もうそろそろ、日本にもこの異常気象の波がやってくるだろう。たまたま日本の位置が各国に比べて被害を受けにくい位置にあるのかもしれない。
しかし、海は繋がっているわけだから、必ず、日本にも劇的な気候変動が起こるに違いない。
暖冬というのは既に起きているが、ただ暖かい冬ではなくて、冬らしくない冬だとか、気温が寒暖変化するような冬が来るようになるかもしれない。
雲の写真を撮っていて思うのは、昔には見なかったような雲を見たり、季節感のない雲が出ていたりと、日本の四季の空がなくなってきているようだ。
夏の暑さも生半可なことではなくなっているし、真夏日、熱帯夜は当たり前だ。こう暑さが続けば、巨大な台風がやってくる可能性もある。
海の温度が上がれば尚更だ。陸風と海風に変化が生じればおかしな現象が起きる原因になるはずだ。
何事も表裏一体にできている。地球の温暖化で生じる減少は自然の摂理に適ったものだ。
≪関連記事≫牙をむく温暖化2 (2007/02/03)
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