ギュスターヴ・モローの作品は一見変わっている。完成品が完成しているように見えない。
彼にとってはこれが完成なのだろうけれど見ている側としてはこれで終わりなんだと思ってしまうような感じ。逆に素描のほうが完成度が高いような気がする。ギュスターヴ・モローは素描の達人なのかも。
色を塗っているとそのうちに飽きてしまうのかな?必ずといっていいほどいいかげんな所がある。素描に水彩で色付けされている作品は油彩画より素晴らしく感じてしまう。素描なのにいいかげんな感じが見当たらないから。
素描から何から相当数の作品が作者の手元に残っているのは、彼が自分の作品を手元に集めて(集め直して)いたからだそう。そういう強迫観念に襲われていたらしい。 やはり芸術家ってどこかしら常軌を逸脱してしまった部分があるんだなあ。だからこそ芸術家として成り立っているんだろうけど。
今回の展示では人の波がほとんど油彩画に注がれていて、素描にはパラパラとしか寄り付いていなかったために、存分にじっくりと素描を観ることが出来た。そこがとても良かったところ!ミュシャの習作(
ミュシャ展-3月)も素晴らしかったし、私ももっと鉛筆画を重視しようと思いました。。。
〒150-8507 東京都渋谷区道玄坂2-24-1 BunkamuraB1F