癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

母が他界した直後、
心に誓ったことがある。

それは、「母の生まれ故郷に行く」
ということ。

最後の最期に行きたかった場所の中の一つであろう
母の生まれ故郷。
そこに、母の魂を連れていく・・・という意味合いも込めて
自分自身がそこに行くんだ、と心に誓った。


その誓いは、2年以上経った今現在
実現されていない。

なんだかんだで、自分に理由をつけて・・・
すぐにでも行きたい・・・が、
タイミングを見計らって・・・に変わり、
もう少ししたら・・・に変わった。
気づいたら2年の月日が経っていた。

母の生まれ故郷は東北。
東北というだけで、冬に行きたいとは思わない。
だから、必然的に雪の降り積もらない季節が良い。
となれば、行ける時期が限られてくる。

いろんな理由をつけて、行ける時期を制限することで、
行くことが難しいという理由を捏造している自分がいる。

自分の本心は・・・あの時の心の誓いは何だったのだろう・・・
私は、心の中の自分自身に嘘をつき、母にも嘘をついたのだ。

このままでは、いつか行く・・・が、
結局行けなかった・・・に変わるのではないだろうか。

行きたい気持ちは今も「生きている」。
ただ、情熱に変化が起きていることに関しては否定できない。
それが現在の状況につながっている。

最近では、父から目を離せないような状況になってしまった。
それも、躊躇に躊躇を重ねた結果だ。

だとしても・・・
行く気になれば日帰りでも行けないことはない。
始発の新幹線を利用したとして、駅から駅まで片道約4時間。
なんだかんだで、プラス1時間あればお墓にはたどり着けるだろう。
家族を置いて独りで行けばいい・・・。

単純計算すると、往復で10時間を要する。
帰宅時間をギリギリ12時前に設定したとして、
現地滞在時間は6時間以上確保できる計算になる。

理想を言えば、観光も兼ねてゆっくりと行きたいが、
目的は観光ではなく、母の故郷に足を運ぶことだ。
何も難しいことはない。

私は何をためらっているのだろう。


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