2017年11月14日
心無き油断
あの日、坂道を転がる以上のスピードで悪化した母。
直滑降に近かったといっても過言ではないだろう。
救急車を自宅に呼び、病院に運ばれるまで数十分。
救急車のに乗った途端、母の呼吸は激しくなった。
病院到着後、待たされること一時間。
再会した母は既に目が見えていない感じだった。
両脇に居る私と姉・・・それぞれを手で探るようにして
・・・こっちが〇〇・・・こっちが〇〇・・・と
私と姉の名を順に呼んだ。
あぁ・・・見えてないんだ・・・と感じた。
その数分前、医師に呼び出された私たちは
早ければ今夜にも・・・と告げられた。
既に母の肺は機能を失いつつあった。
肺がん・・・素直に恐ろしいと感じた。
病室が空くのを待つ間、母は苦しそうだった・・・とても。
腰が痛い・・・体中が痛い・・・
何をしてもダメだった。
病室に移動してからも状況は悪化するばかり。
目は一点を見つめ、焦点は何処にも合っていない。
「喉が渇いた」を連呼していた母。
しかし、病院サイドからは飲食厳禁の指示が出ていた。
最初は従うつもりだった・・・最初は・・・。
死を目前にした母が、水を飲みたがっている。
飲ませてあげたいに決まってる・・・だから上げた。
母は苦しそうに飲んだ。
死に物狂いで水を飲んだ。
母に使った最初で最後の吸い飲み。
私の心無い行動は最中の事だった。
気が動転していたなんて言い訳の選択枠にも入らない。
私は水を欲しがる母が居る部屋でおもむろにお茶を飲んだ。
持っていたペットボトルのお茶だ。
普通に飲んだ。
その直後、母が痛恨の一言を言い放った。
「・・・いいなぁ・・・」
いろんな・・・いろんな想いがその一言に込められていた筈だ。
油断・・・と言うべきか・・・自らの心無い行動に直後から後悔した。
私は最後の最期に申し訳の立たないことをしでかした。
人の本性は極限の状態で現れる。
当時の私の精神状態は追い込まれていた・・・
そして、あれが私の本性なのだ・・・恥しい限りだ・・・。
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直滑降に近かったといっても過言ではないだろう。
救急車を自宅に呼び、病院に運ばれるまで数十分。
救急車のに乗った途端、母の呼吸は激しくなった。
病院到着後、待たされること一時間。
再会した母は既に目が見えていない感じだった。
両脇に居る私と姉・・・それぞれを手で探るようにして
・・・こっちが〇〇・・・こっちが〇〇・・・と
私と姉の名を順に呼んだ。
あぁ・・・見えてないんだ・・・と感じた。
その数分前、医師に呼び出された私たちは
早ければ今夜にも・・・と告げられた。
既に母の肺は機能を失いつつあった。
肺がん・・・素直に恐ろしいと感じた。
病室が空くのを待つ間、母は苦しそうだった・・・とても。
腰が痛い・・・体中が痛い・・・
何をしてもダメだった。
病室に移動してからも状況は悪化するばかり。
目は一点を見つめ、焦点は何処にも合っていない。
「喉が渇いた」を連呼していた母。
しかし、病院サイドからは飲食厳禁の指示が出ていた。
最初は従うつもりだった・・・最初は・・・。
死を目前にした母が、水を飲みたがっている。
飲ませてあげたいに決まってる・・・だから上げた。
母は苦しそうに飲んだ。
死に物狂いで水を飲んだ。
母に使った最初で最後の吸い飲み。
私の心無い行動は最中の事だった。
気が動転していたなんて言い訳の選択枠にも入らない。
私は水を欲しがる母が居る部屋でおもむろにお茶を飲んだ。
持っていたペットボトルのお茶だ。
普通に飲んだ。
その直後、母が痛恨の一言を言い放った。
「・・・いいなぁ・・・」
いろんな・・・いろんな想いがその一言に込められていた筈だ。
油断・・・と言うべきか・・・自らの心無い行動に直後から後悔した。
私は最後の最期に申し訳の立たないことをしでかした。
人の本性は極限の状態で現れる。
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そして、あれが私の本性なのだ・・・恥しい限りだ・・・。
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