2021年11月08日
【アジアンタイヤ】ナンカンのスタッドレスタイヤは北海道で使えるか?
安さが魅力のナンカンのスタッドレス、北海道では?
毎年、冬に入る前の秋あたりから冬タイヤのセールが始まる北海道。セールといっても何年かに一回のスタッドレスタイヤ購入による高い出費に悩まされている人も多いと思う。
北海道など雪国で、公共交通機関が発達していない地方だと完全に移動手段が車メインとなり、スタッドレスタイヤも生活必需品のようになってしまう。お金に余裕がない人は少しでも安く抑えたいと思うはず。
そういう人はきっとネットなんかで格安タイヤの存在を知り、かつ北海道でも人気になり続けているナンカンのスタッドレスタイヤに興味を持つ人も少なくないと思う。
ナンカンは台湾にあるいわゆるアジアンタイヤと呼ばれるタイヤメーカーの一つ。かつてヨコハマタイヤが技術協力していたい時代もあり、技術力に関しては問題ないメーカー。噂には国内有名メーカーの技術者がヘッドハンティングされてナンカンに行っているとか。そしてスタッドレスタイヤに関しては士別のテストコースを使って開発しており、完全に北海道での使用を想定して作られている。
結論から言うとナンカンのスタッドレスタイヤは北海道でも十分に使えた。管理人が使っていたのはひと世代前の「ESSN-1」だが、アイスバーンでも当時の国産とほぼ同じか若干劣るような性能で、特に問題は無かったと記憶している。そしてナンカンのスタッドレスタイヤは北海道で普通に使えて値段が国産の半額以下という大きな特徴がある。
ナンカンのスタッドレスタイヤは滑るのか?効かないのか?
ネット検索していると、「ナンカンタイヤが滑って危ない」とか、「ナンカンのスタッドレスタイヤは効かない」なのどの検索ワードを目にする。確かにアジアンタイヤが日本にやってきた10年以上前であれば中国製の粗悪品もかなりあり、北海道の冬には適さない「冬タイヤという名の夏タイヤ」と呼ばれた時代もあった。
しかしながらナンカンのスタッドレスタイヤはそれら粗悪品とは別物。しかも年々性能が向上しており、特にESSN-1で非対称デザインを採用したあたりから特に性能が向上し、新作の「AW-1」では摩耗性能や静粛性、低燃費などの性能向上が謳われている。
ナンカンの最新スタッドレス、「AW-1」の性能は?
そのナンカンのスタッドレスは2020年からESSN-1の後継モデルとして「AW-1」が発売されている。国内メーカーと同じ非対称デザイン、柔らかいゴム、氷上性能を意識したトレッドパターンなどかなりブリジストンに近い外観で、ESSN-1よりも耐摩耗性や静粛性、氷上性能がアップしているとのこと。
実際、ESSN-1の時は3年ぐらいで履き替えたのだが、ゴムはまだ柔らかく4年ぐらいは大丈夫そうだったが、バンバン使う人はタイヤが摩耗して2〜3年が限界らしい。それに対してAW-1は摩耗性能が向上していることから、バンバン使う人でも3〜4年ぐらいは持つようなイメージがある(実際は使ってみないとわからないけど)。
オートウェイ公式ページに掲載されているAW-1の紹介動画をあげておく。これによれば全然北海道でも問題ないタイヤというのがわかる。
ただ、肝心のアイスバーン性能がこの動画では未知数。なので、スタッドレスタイヤで有名なYoutuberの動画もあげておく。比較しているのは一つ前のWS-1とブリジストンのVRX2となるが、アイスバーン性能でもナンカンのスタッドレスはそこまで大差ないことがわかる。
もう一つ、札幌の手稲山スキー場までテスト走行した動画も載せておく。こちらも特に問題なく使えることがわかる。
ナンカンのスタッドレス、AW-1の寿命は?
国産のブリジストンとかアイスガードあたりだと4年は全然問題なく、長いと5年ぐらいは使える性能がそれぞれメーカーから発表されているが、ナンカンのAW-1に関してはそれがない...ESSN-1の時はその柔らかいゴム質から摩耗しやすく、上にも書いたがバンバン使う人なら2〜3年が限界だった。
AW-1にモデルチェンジし、耐摩耗性が向上したことからおそらくバンバン使う人でも3〜4年ぐらい使えるのではと推測しているのだが、公式ページや検証している人がいないので実際は不明。ただし値段が国産の半額以下なので気軽に買い換えれるのもナンカンのスタッドレスの魅力。そこは臨機応変に。
ナンカンのAW-1はXL規格。タイヤの空気圧に注意
ナンカンのAW-1は国産タイヤの規格(JATMA)とは異なり、欧州で一般的なXL(エクストラロード)規格。XL規格はJATMAよりも空気圧が高めで、運転席近くに張ってある純正空気圧(JATMA)の表示よりも確実に高くなる点に注意。空気圧を低めにするとAW-1本来の性能が発揮されないため、正規の空気圧を入れるように。
※タイヤの指定空気圧は各々のタイヤ側面にMAX[kg]や[psi]の単位で表記されている。
ナンカンのAW-1は北海道用のタイヤ、舗装路メインは苦手
スタッドレスタイヤは大きく分けて北海道など完全に雪に覆われ、かつ新雪、圧雪、シャーベット、アイスバーンなど過酷な条件を想定する雪道メインタイプと、舗装路メインの2種類がある。ナンカンのAW-1は前者の雪道メインタイプで、ブリジストンのVRXシリーズと同じ位置づけ。このため本州などの舗装路メインが多い地域で使うと想像以上にタイヤが摩耗して寿命がはやくなることが想像される。
舗装路メインの場合はAW-1を選ばないほうが無難だと思う(年に数回とかめったに使用しない場合は良いと思うけど)。
ナンカンのスタッドレスが向いている人、そうじゃない人
ナンカンのスタッドレスタイヤは国産スタッドレスに迫る性能があるが、耐摩耗性や長期保存において不安が残る。そういう点を考慮するとナンカンタイヤが向いているのは
・冬道でバンバン使って3年ぐらいで履き替えてしまう人
・とりあえずスタッドレスタイヤの購入費用を抑えたい人
などが挙げられる。もし絶対的なアイス性能や、ほとんど冬期に乗らず6〜7年ぐらいスタッドレスタイヤを交換しない場合はブリジストンやヨコハマの最新モデルの方が良いと思う。特にブリジストンは5年以上経ってもタイヤが柔らかく効きが長持ちしやすい。
北海道在住の人でスタッドレスタイヤが必需品な人にとって、ナンカンのスタッドレスタイヤはお財布に優しい良いタイヤだと思う。
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