旭川・生活暮らし情報お届けブログ(旧自転車通行ガイドblog版)

メガセンタートライアル旭川や既存のトライアルがリニューアルしてはや1ヶ月。市内の折込チラシにこんな求人募集の広告が入っていた。



トライアルが市内３店同時でアルバイトを募集するものだが、注目したいのはその時給。最低でも時給は1000円からというもの。

市内で時給1000円のアルバイトは食品スーパー系ではとても珍しい。ライバルとなりえるアークス系だとウエスタン北彩都のレジ打ちが時給950円。スーパーアークス 豊岡3条店の早朝品出しが890円、MEGAドン･キホーテ旭川店の食品部門は890円といずれも1000円以下の時給。

しかもトライアルは土日に出勤すると時給が＋５０円。時間帯によっては＋１００円など手当が厚いのも大きく異る。

ちなみに2021年10月からの北海道での最低賃金は889円。トライアルのアルバイトで時給1000円はかなり高く感じる。


近年の少子高齢化で労働人口が減少し、人手不足がいろんな業界で発生している。昔のように人を募集すればすぐに集まる時代は終了し、業態によっては募集をかけてもなかなか人が集まらない場合もある。

特にあまり人気のない業界はそれが顕著で、食品スーパーをはじめとした小売業も人気のない業界の一つとされる。

それは年中無休営業のところが多く、カレンダー通りの休みが取りづらかったり、お盆や年末年始も普通に営業しているため、不定期な休みとなりやすいからだ(最近はようやくお正月休みを取るスーパーが増えたが)。



また、給料は安くなりがちで賃金は最低賃金の場合がほとんど。特に旭川市内はスーパー間の競争が激しく、価格競争するために人件費を抑えなければならないから当然だが、働く側にしてみると決して良い労働環境とは言えない部分がある。

さらにレジ打ちは長時間の立ち仕事。品出しでは重たい荷物も運ぶなど安い賃貸の割に体への負担も大きく、時給に合わないと思う人も多い。

そこで旭川のトライアルではライバルよりも高い時給1000円という高額な賃金を設定し、労働力を確保する狙いがあるものと思う。

休みが不定休で体への負担も大きく、安い賃貸で作業が簡単でも割に合わないのならスーパーのアルバイトは敬遠されてしまう。同じような仕事であれば時給が高いトライアルでのアルバイトの魅力が映えると思う。

そして1000円という高時給にすることで、経験豊富なライバルからの転職(鞍替え)も期待するものと考える。

どちらにせよトライアルの1000円時給は市内をはじめとした食品スーパーの人手不足が大きく関係しているものと考える。


人手不足となると時給を高額に設定せざるを得ないなど、これまでの企業優位な状態から労働者側が優位な環境にシフトしつつある。時給以外にも残業時間の削減や有給休暇の取得のしやすさなど働き方改革が企業に求められる。

旭川市では2022年4月現在６５歳以上のお年寄りが人口の34%以上に達し、かなりの高齢化を迎えている。特に労働者が確保しづらい人手不足な業界こそやらねばならない。今後ますます少子高齢化が進み、これまで以上に特に若い人の採用が難しくなることが予想される。

今いる人でさえも劣悪な環境では辞めてしまうかもしれないし、ずっといる人も歳を重ねれば定年になってしまうので新しく募集する人材に対し、定着するような環境づくりをする必要がある。

今までのように長時間労働で低賃金で休みなし、有給休暇もなしという環境下では若い人は絶対にやってこない。もし労働時間や残業、休み等の条件を騙して採用したとしてもすぐに辞めてしまうと思う。

人手不足な会社こそ働き方改革は急務なのである。