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2021年09月30日

実るほど…

田んぼの稲刈りが進んでいる。
たわわに実る稲穂は、重たそうに頭を垂れて、まるで収穫を待っているかのようだ。

実ほど 頭を垂れる 稲穂かな

古くから日本に伝わる言葉である。
徳ある人ほど謙虚である、ことを稲穂に例えた言葉だ。

とかく成長すればするほど、自己中心的になりやすい。
「私が成功者なのだ」などと、身の程知らずの発言が出るようになると、人はすでに転落が始まっている。

米作りのため、稲を育てるのは、時間も手間もかかる重労働である。
そのご褒美として、米ができるのだろう。
成功の部分だけを見てはいけないということだ。

たとえ中高生であっても、「その成功は自分一人の力によるものではない。数多くの人の、支えがあってのことだ。目に見えない部分でも、助けられているはずだ…」、ということを思い巡らせることができないならば、その慢心は、大人になっても続いていくことになるのだろう。

だから、私は、縁あって出会った生徒たちに、必ずこの言葉を伝えることにしている。
もちろん、自分自身への自戒を込めて…。

一抹の不安は、現代っ子、都会っ子に米作りの苦労がわかるだろうか、ということだ。

下手をすると、稲穂すら見たことがない人もいるのだろう。

日本人は当たり前のように米を食べている。
米を食べれば、力も湧く。

「いただきます」は食物への感謝の言葉だ。

『成功は人の恩』

実家に飾られていた言葉だ。

大昔、弟が「成功は人の思い」と読んで家族に笑われたことを思い出した。

人は一人では生きては行けない…。
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