このあと20日はレクサスLX570が発表される予定。
ランクルでは、安全装備の統合パッケージのうち、上位版の「Toyota Safety Sense P」が搭載されるということで一部の層に注目されていましたが、私的には、その内容には(逆の意味で)驚かされました。
ニュースリリース等では、Toyota Safety Sense Pは次の装備を組み合わせたものとされています。
・プリクラッシュセーフティシステム(歩行者検知機能付/ミリ波レーダー+単眼カメラ方式)
・レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)<時速50−100km制限版>
・レーンディパーチャーアラート <ブザー警告式>
・オートマチックハイビーム
さて、今春、カローラやオーリス等で搭載がスタートした、廉価版の位置づけの「Toyota Safety Sense C」 は次の通り。
・プリクラッシュセーフティシステム(レーザーレーダー+単眼カメラ方式)
・レーンディパーチャーアラート<ブザー警告式>
・オートマチックハイビーム
もちろん「P」の方が高性能ですが、主な違いは、
・「レーダークルーズコントロール」の有無
・プリクラッシュセーフティシステムの「歩行者検知機能の有無」
要は、遠距離まで届く「77GHZ帯のミリ波レーダー」を使用しているかどうか、という点になるわけですが、これは従来のトヨタ・レクサス車にオプション設定されていたものとあまり性能が変わりません。
比較対象となるのは、2013年以降設定されている、メーカーオプション価格が「60000円+税」のパターンのプリクラッシュセーフティシステム&レーダークルーズコントロール」ですが、これとほぼ同性能です。
採用車種では、新型クラウン、レクサスIS300h、RCなど。
*厳密に言えば、Toyota Safety Sense P の方が動作範囲が10km/hからと従来型の15km/h〜より若干拡大、および対車両での最大速度低減量が従来型の最大30km/hから40km/hに拡大、歩行者検知機能がついた、という違いがある。
また、さらに残念だったのが、Toyota Safety Sense Pは上位版ということであるにもかかわらず、
・単なる「オートマチックハイビーム」(流行りの遮蔽式やLED切り替え式ではない)
・レーダークルーズコントロールに「全車追従機能なし」
・レーンディパーチャーアラートは「ブザー&ディスプレイ表示のみ」
というところでしょう。
ほぼ類似システムの 「Lexus Safety sustem+」(LSS+)<LX570で採用>
では・・・
・レーダークルーズは「全車速追従型」
・ハイビーム制御はAFS遮蔽式またはLED消点灯式
・LDAはステアリング制御または車線維持機能が加わる「LKA」にアップグレード
など車種に応じて追加でアップグレードがなされるようですが、ランクルでの「Toyota Safety Sense P」にはこれらの要素はないようです。価格で言うと、「約10万円相当」の機能になると思います。
不具合の少なさや実際の機能で勝負、というところなのかもしれませんが、スペック上では驚くべきところはなく、従来の単品メーカーオプションをセットにして車両本体価格に組み込んだだけ、といえるかもしれません。
それともカタログスペックにあらわせない素晴らしい制御をしてくれるのでしょうか・・・
オフロードユースがメインのランドクルーザーでは過剰な装備は不要という判断なのかもしれませんが、「Toyota Safety Sense P」の初採用というからにはもう高いレベルで驚かせて欲しかったです。
一方、車両本体価格が1000万円を超えるLX570ではこのあたり抜かりはありませんので、分かる範囲で簡単に比較しておきます。
新型ランクル / LX570
プリクラ歩行者検知機能 あり / あり
プリクラ動作範囲(対車両) 時速10km-180km / 時速10km-180km
プリクラ動作範囲(対歩行者)時速10km-80km /時速10km-180km
レーダークルーズ機能 時速40-10km制限型 / 全車速追従型(上限100km/h)
LDA ブザー / ブザー&ステアリング振動&ふらつき警報
ハイビーム AHB / AHS(AFS遮光シェード式)
BSM あり / あり
RCTA オプション / あり
これらの安全装備の有無で売れ行きなや車の価値が決まるわけではないと思いますが、今やラグジュアリー&プレミアムカーでは当たり前の装備になりますし、ランクルやLXという車を新車で購入される方は相当な社会的な地位や責任のある方が多いと思いますので、安全装備が充実しているに越したことないと思います。
車種ごとに安全装備を細かく作り分けて、コストや部品管理をしっかり行えるのはトヨタぐらいなんでしょうね・・・
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コメント遅くなり申し訳ございません。
ホンダのセーフティ・システムはまったく勉強していませんでしたので参考になりました。ありがとうございます。確か、ボッシュなどに丸投げしているという記事を見た記憶もあるので、会社としてもそれほど本腰をれていないのかもしれませんね。
レーダークルーズの制御は確かに電動パーキングブレーキと連動している車が多いですね。
珍しいのが現行GS350/250なのですが、電動パーキングブレーキ採用なのにブレーキホールドがなく、レーダクルーズが全車速追従型でなかったりと不思議ではありますね。
クラウンの改良も気になります・・・噂では toyota Safety Sence の採用はないとか?
レーダークルーズコントロールは、ボルボ以外は、特に国産車は、電動パーキングブレーキに限り停車保持可能になっているようです。
手動パーキングブレーキを好む人もいそうですし、手動パーキングブレーキで停車保持しても安全上問題ないと思うのですけどね。
ホンダはホンダセンシング搭載かつ電動パーキングブレーキを搭載して停車保持可能なのはLEGENDだけです。
VEZELはホンダセンシングは非搭載ですが電動パーキングブレーキを搭載しているので、運転支援搭載の過渡期で開発が間に合っていないだけかもしれません。
クラウンのマイナーチェンジでは、Toyota Safety Sense Pではなく、Toyota Safety Sense Cが搭載されるようですので、トヨタも開発が間に合っていないのかもしれません。
ランクルも差別化するほど安い車ではないと思うのですが、ランクルとLX570とでステアリング支援の機能が違うのは謎ですね。
コメントありがとうございます。
わかりにくい表現で申し訳ございません。
LX570については、LKAの採用はしばらくないものと思われます。
LKAについては、新型RXにメーカーオプション、新型GSには標準装備されます。
また、新型GSFにはLKAが不採用など、なかなか不思議な設定になっており、法則が今ひとつわかりません。
LSはにはLKAがオプションなので、大排気量エンジンとの組み合わせでも問題なさそうなのですが・・・
XC90は来年の今頃発売でしょうか? 安全装備か運転支援装備ではボルボの方が2歩ほど先をいっていると思いますが内装の質感ではいい勝負、機能面ではLX570優位の点も多いのと思いますので、ぜひ試乗等をされご検討なさってはいかがでしょうか。
ところで
> LDAはステアリング制御または車線維持機能が加わる「LKA」にアップグレード
とありますが、いつ頃の予定なのでしょうか?
お教え頂ければ幸いです。
LX570はLDAだったため、XC90を現在検討中です。できればレクサスにしたいのですが…
私も同感なのですが、トヨタが車種ごとに微妙に安全装備のレベルを変更している(特にLDAとAHBはばらばら)なので、トヨタほどの規模の企業だとコスト面を踏まえても同一仕様にする必要がないようですね。
ユーザーとしては高いレベルに合わせて欲しいのですが、そこは安全装備についてもしっかり利益を確保していると思われるトヨタらしい戦略ともいえそうです。
トヨタ、レクサス、車種関係なく全て同じ仕様の物に統一した方がコスト的には有利だと思うのは素人の考えでしょうか?
遅くても来週中くらいにはRC200tの価格等が分かるかもです。