▼最近のゲームユーザーはまず知らないでしょうが、90年代後半から2000年代初頭にかけて、
葉鍵系という言葉とジャンルが流行りました
リーフとKey。2つのゲームブランドをまとめてこう呼んでいた
2000年代当時、王者だった「ときメモ」や「サクラ大戦」が既に衰退していた事もあり、この2強でギャルゲー業界とエロゲー業界が回っていた
リーフはアクアプラスというCS用のブランドがあり、KeyはビジュアルアーツからCS移植を発売し、
どちらの業界でも主流でした
当時は感動的なシナリオを売りにした泣けるゲームが流行っており、
泣きゲーと呼ばれていました。
特にkeyのほうはこの
泣けるの部分が色濃く、大昔に出た「kanon」の評価でさえ既に、
エロゲーなのにエロが蛇足、エロがいらないとまで言われていた
熱心な信者が、
「CLANNADは人生」いい加減クラナドをエロゲと勘違いしている奴うぜぇ
エロゲじゃないし
ゼロの使い魔の方がよっぽどエロゲ
俺はクラナドキャラには萌えなんて感情は抱かないけどストーリーに魅入られたという迷言を生み出すほどには、エロはいらないと言われていた
そのくらいストーリー、キャラクター特化型ゲームシリーズだったわけです
そんな今ではありえない時代で、テレビアニメ化や映画化など、メディアミックスにも成功していた
そう、エロゲーが映画化です。(全年齢)RPGでいうエニックスのドラクエと、スクウェアのFFみたいなものかな。凄い勢いだった(スクウェアとエニックスは、元々別の会社だったんですよ)
▼リーフの代表作は、「トゥハート」、「ホワイトアルバム」、「雫」、「痕」
Keyの代表作は、「Kanon」、「AIR」、「クラナド」
どれも有名ですね
…えっ?1つも知らないって?
まあそれもまた、時代…
移植はされていても、「クラナド」でさえ気付けば大昔のゲームなので、当然でしょう
何せオリジナル版はWindows98から対応、
最初の移植がPS2ですから…
某大物youtuberも、キッズが「トゥハート」とマルチを知らない事に、時代を感じてたしね…
マルチを知ってる人は知ってる人で、
「古過ぎだろ!」と反応するとも言っていた…
▼まあそんな具合に、時代の激流には逆らえず古くなってしまったリーフもKeyも、徐々に衰退していった
今回は、そんな鍵をメインに触れます
▼鍵は、目立ったヒットが無いばかりか、売り上げ的に爆死することも増えました。
得意だったメディアミックスにも失敗するようになり、アニメ「AIR」の円盤売り上げが25000枚だったのに対し、「Rewrite」は
たったの1800枚に終わった
コミケのジャンルコードから外れるなど、コミケが育てたブランドとしては、結構致命的な出来事もありました
これについてはコミケに詳しくないが、かなりの事件だったらしい
話としては分かります。
これまで、「特別枠」だった葉鍵が、
「その他大勢」、「有象無象」にまで落ちた訳ですから…
しかもこの時、新設されたのが、「艦隊これくしょん-艦これ-」……
1つの時代が終わり、1つの時代が始まった瞬間でした
▼かくいう私も、リーフは「トゥハート2」、Keyは「クラナド」以降のゲームは、全くプレイしていません
なんか違うなというか、やる気がサッパリ出ないゲームばかりだったんですよ
少なくとも
「Kanon」から続く、Keyの王道からはずっと外れてた更にいえば、前身であるタクティクスの、「ONE~輝く季節へ~」からも外れてた
▼そんな、
完全に忘れていたKeyから、
黄金期のKeyを思い出すような、新作の体験版が出ました
それが本作、
「サマーポケッツ」(露骨に「AIR」を意識したイメージビジュアル)
略して「サマポケ」
田舎町を舞台にした、少年少女のひと夏が描かれる
流石に「クラナド」から15年近くが経ち、エロゲと勘違いされることはないだろうけど、一応補足すると、
全年齢まあ、そもそも最近のゲームユーザーはkeyを知らず何のイメージも持ち合わせていないので、勘違いする理由がないか…
それもまた、時代の流れ
▼体験版の感想を、ネタバレなしで結論から言うと…
これがまた、妙に面白いんですよ
Keyの旧作を思わせるセルフオマージュや、夏を連想させる音楽、美麗なCG、キレのいいギャグ、どこを取っても近年のADVで一級品
主人公は親戚の家に滞在することになるが、またいとこの加藤うみ、叔母の岬鏡子との会話が面白くて、笑えます
特にうみとの会話は一番面白くて気に入ってるので、シナリオにはかなり期待
これもkeyのゲームをプレイしたことが無い人は驚くでしょうけど、
「クラナド」は、登場キャラほぼ全員にシナリオとエンディングがあるという、ありえないほど気合の入った大作だったので、「サマポケ」にも多分サブキャラルートがあるでしょう
▼中でもやはり、
ノスタルジーを感じる描写がいいギャルゲーというより、寧ろ
「ぼくのなつやすみ」っぽい波でビショ濡れになって裸で帰ったり、子供達と一緒にザリガニ釣りをしたり、知り合った友達と秘密基地で卓球したり(しかもミニゲームとして実際にプレイできる)、舞台である、
夏の海辺の田舎町を最大限に生かしてる移動が、倉庫でホコリを被っていた原2のスーパーカブなのもまたいい。
わざわざ原2設定にしたからには、ヒロインと2人乗りするシーンがあるんでしょう
「AIR」は田舎でも、田舎特有のイベントや、こういうジュブナイルっぽいノリは無かったからね
これは、「AIR」の主人公がとっくに大人(22歳)で、しかもエロゲギャルゲには珍しい、終始クールなキャラだったことが理由でしょう。
逆に、「サマポケ」の主人公はまだ高校生なので痛いくらいにハジける
▼その反面、
これまでのシリーズにあったSFファンタジー要素は、バッサリカットしているようなので、そこが評価を分けそう。王道っぽいし、余りネタバレになるようなネタもないんじゃないかな。
絵も従来の樋上いたるではなく、複数の絵師が描いてるので、キャラが集まると纏まりの無さが目立つかな
でもkeyゲーにいたるが絶対条件じゃないことが、これをプレイするとよくわかるね
▼最も時代が変わったなあ…と思ったのは、絵でも何でもなく、
ヒロインに知ってる声優が1人もいない事
経歴を見ても、それすら知りません
唯一知ってるのが、白石稔。でも主人公の親友とかではなく、ヒロインの祖父役…
ここ数年で、こういう風に声優を1人も知らないことがデフォになりました
私の関心がもうとっくに薄れてる事もありますが、それでも数年前までは、あ、このキャラはあのゲームに出てたな、くらいは分かったのですよ
でも今は、それすらもない。声優が、新人の使い捨てになったことが理由でしょう
能登可愛いよ能登とか言ってた人たちはどこに消えたんでしょう。
能登はもう可愛くないの?そもそも能登はまだいるんでしょうか…
このゲームにも、「AIR」→「クラナド」の緑川光みたいに、1人は昔懐かしい人が欲しかった
▼発売は6月と夏にはまだ早いけど(「AIR」も9月だったが)、良作の予感がします。
かつてのKeyが好きだった人も、最近のゲームユーザーも、プレイしてみては
▼そういえば、京アニでアニメ化も決定しているが、放送日が未定なんだね。
プロモーションを考慮すると発売時期を合わせるのがベストなんだが…(プレステ版「トゥハート」みたいにね)
これも、昔はゲームとアニメが大抵同時期だったような気がするなあ…
「サマポケ」アニメの放送時期は、PS4移植の際と予想
※後日追記
移植はスイッチとのこと。これは誰もが意外だったのでは?
携帯モードで遊べるので、歓迎しています。