2018年06月27日
映画「埼玉喰種」の感想…人肉以外を食べられないという描写がないのは苦しさが伝わらない。
今日は映画「埼玉喰種」の感想です。
ちょっとレンタルショップでパッケージを見つけてしまい、
家と家の隙間に入りたくなる好奇心によって借りてしまった。
前回、感想を書いたのが映画「ワンダー 君は太陽」だったので、落差が凄いのなんの。
という訳で、今回はレンタルDVDでの鑑賞です。
映画「埼玉喰種」は2017年公開の岡崎喜之監督作品。
岡崎喜之監督はいわゆるオモシロホラー映画をいくつか作っていて、
基本的に借りる人も「分かっていて」借りるタイプの映画を作っている人。
最初に言っておくと、この「埼玉喰種」のパッケージを観て借りた人で、
「面白くないじゃないか!」って文句を言う人がいたとしたら、
それは期待して借りたあんたが悪いんだよ!って説教したい。
分るだろ、パッケージで、タイトルで!と。
そんな訳で、「埼玉喰種」というタイトルからも分る様に、
このブログでも感想を書いた映画「東京喰種 トーキョーグール」から、
インスパイアを受けて作られた映画と思われます。
パクりじゃないよ、パクりじゃ。
だって、全然クオリティ違うじゃん!
それにこっちは「グール」じゃなくって「グールー」だし。
物語の導入部分を簡単に書くと、
ごく普通の会社員冴島は政府が極秘に研究していたウイルスに感染し、
人を食べるグールーになろうとしていた。
人の肉が食べたいという欲望に襲われながらも、
なんとか平穏な生活を続けようとしていたが、
突然「政府の人間」という男が目の前に現れるのだった…みたいな感じかな。
「政府の人間」ってなんだよって。
キャストですが、
ウイルスに感染した冴島哲郎を演じるのは甲斐大海。
いや、頑張ってはいる。
頑張ってはいるが彼の努力だけではどうにもならない事がある。
温かい目で観てほしい。
冴島の彼女神影真希を演じるのは竹内奈菜。
いや、頑張ってはいる。
頑張ってはいるが彼女の努力だけではどうにもならない事がある。
なんだかんだ彼女が主役なんじゃないかと思う。
冴島と神影の子供ひかりを演じるのは雨宮留菜。
グラビアアイドルなのでTシャツでは隠しきれない魅力があるのだが、
役的にほぼセリフとか感情がないので主演という感じではないのだが。
その他、児玉安男、猿山智也、石田武久などが出演しています。
さて映画「埼玉喰種」の感想ですが、真面目にみたらダメですよ。
さっきも書きましたが、この映画で面白くない!とか言うのはナンセンス。
その「面白くなさ」を楽しむぐらいの気持ちがない人は、
軽い気持ちで観てはいけないのです。
まず映画が始まる前に、
「A Yoshiyuki Okazaki Films」と出ます。
いわゆる「A Sono Sion Film」みたいなものですが、
ここで分るのは「こんな映画」でさえ、
岡崎喜之監督は声を大にして自分の作品だと宣言している。
なんという志、なんという責任感。
立派ではないですか。
どんな意見だって受け止める覚悟があるんですよ岡崎喜之監督は。
という事で、忌憚のない意見を書かせてもらおうではないですか。
まず、なんと言っても画が安い。
映画「劇場版 屍囚獄 起ノ篇」みたいにビデオ感バリバリなので、
全体的に画が軽い。
画が傾いているところはさすがにわざと雰囲気を出すためだと思いますが、
なんとカットが変わるとホワイトバランスが違うところがあって。
そこはさすがに「ちゃんとしてよ」って思うし、
撮影の際に撮ってしまったのなら編集時に直せば良いのに。
タイトルのB級感は好みかなあ…。
そして以前、映画「裏麻雀美神列伝 脱がせの美咲」の感想の時とかに、
音の収録は大事って事を書いたのですが、
この映画「埼玉喰種」では一応は音もちゃんと録ろうとしているし、
気にはしているんだろうなと思うが、
では、ちゃんと録れているかと言えばそうではない。
ところどころ音質が悪くこもっているのは気になる。
ナレーションは良い声だけどなんか笑える。
あと演出がもうちょっと頑張れただろと思うのだけど、
例えばキーボードをカチャカチャしてるのは仕方がないとして、
ディスプレイが真っ暗なのを映したらまずいだろとか、
人を喰いたいって苦しんでいるのに、
汗1つでてないって感じなので、あんまり苦しそうに見えない。
アップの時にやっと汗が出てたんだけど、
シャツが汗でビショビショになってるぐらいの演出があると、
俳優の演技を助けれると思うんですよね。
山にグールーを探しにいくやつらも、
車道があるんだから車で行けばいいじゃんとか、
「かなり荒れてますね」ってセリフがあるんだけど、
結構そこ、普通の道だからって。
そのセリフの時だけでも、
もうちょっと道じゃない道を歩かせるべきだったのでは。
で、山を移動している時はカメラは手持ちで撮影なのかなと思ったら、
いきなりガッシリ三脚で撮ってるシーンがあったり、
もうちょっとそこら辺も気にしてくれれば良いのにって。
ツッコミどころとしては、
「こんなに早くにどうしたの?」ってセリフの後に「会社にいると思って」って、
この言葉のつながりはおかしいでしょう。
ちなみにこんなに早くにって言ってたシーンでの時間が、
見間違いでなければ4時…それは早すぎだろ!
いわゆる「政府の人間」も「グールーを保護しようとする人間」も、
人間を喰うっていうグールーに対して、
手ぶらだったり、ナイフだったり、危機感なさすぎじゃん。
どうやって捕獲とかするつもりなんだろうか。
あと、トイレはちょっと遠すぎだろとか、
人がやってきて逃げたのかなと思ったらまだそこにいるんかい、とか、
あれ、「本当にある人物は死んでたの?」…とかとか。
そしてグールーって傷とか治るんじゃないの?
クライマックスにあたるところでの展開で、
「なにやってんだよ!お前!!」と言いながら、
自分から喰われにいく男とかね…。
ツッコミどころはどれだけでも出てくる。
「あなたがいてくれたら…」ってセリフがあるんだけど、
基本的に何もやってないどころか襲おうとしてくるぐらいなので、
いたところで役に立たないだろってのもある。
グールーにワーって襲われたアイツとか、
死体をあんまり見せなきゃいいのに、
明らかにキズがないというか、シャツが赤いだけ。
何かこぼしました…みたいな感じになってる。
赤ワインこぼして酔いつぶれてるだけ。
予算的に難しい時は無理して見せなくても良いと思う。
突然はじまるNG集的なもので、
あれ…終わったの?って微妙な雰囲気になる。
確かにこれ以上長い時間観ていたら苦痛だったが、
あれはあまりにも突然すぎて、この映画で一番ビビッた。
うーん、尺は間違いなくもう少し短くまとめれた。
そんな感じかな。
あ、映画中盤から度々山のカットというか森のカットが出てくるんだけど、
映画「DETH FOREST 恐怖の森」なら分るんだけど、
「埼玉喰種」でこれだけ山とか森をピックアップされても違和感しかない。
埼玉でこんな山があるんだってので、別に埼玉でも良いんだけど、
もうちょっとどこかに埼玉感を出しても良かったんじゃないでしょうか。
あと真面目な話なんだけど、
映画「東京喰種 トーキョーグール」にもちゃんとあった描写として、
喰種は人肉以外食べられない…という描写を入れておかないと、
喰種の渇きとか、辛さみたなものが伝わらない。
これは予算がかかることではないので、ちゃんと描くべき。
他の食べ物を口にしても吐いてしまう、
人肉なんて食べたくないのにそれしか食べられない苦しみ、悲しみ。
これが描かれていないだけで1/3も伝わらない。
という訳で、ダメだしばっかり書きましたし、
普通の人が楽しみに観てはいけない映画です。
ただ、それでも世に出した、
そして全ての責任を背負うという意気込みの岡崎喜之監督は、
男として尊敬できるのではないでしょうか。
なので、心の底からダメだしする事が、
それに対しての礼儀だと思います。
なんかエンドロール後のカットのLOSERが味わい深いなあ。
ちなみにストーリーは予告編を観ると結末以外の95%を知れます。
ちょっとレンタルショップでパッケージを見つけてしまい、
家と家の隙間に入りたくなる好奇心によって借りてしまった。
前回、感想を書いたのが映画「ワンダー 君は太陽」だったので、落差が凄いのなんの。
という訳で、今回はレンタルDVDでの鑑賞です。
映画「埼玉喰種」は2017年公開の岡崎喜之監督作品。
岡崎喜之監督はいわゆるオモシロホラー映画をいくつか作っていて、
基本的に借りる人も「分かっていて」借りるタイプの映画を作っている人。
最初に言っておくと、この「埼玉喰種」のパッケージを観て借りた人で、
「面白くないじゃないか!」って文句を言う人がいたとしたら、
それは期待して借りたあんたが悪いんだよ!って説教したい。
分るだろ、パッケージで、タイトルで!と。
そんな訳で、「埼玉喰種」というタイトルからも分る様に、
このブログでも感想を書いた映画「東京喰種 トーキョーグール」から、
インスパイアを受けて作られた映画と思われます。
パクりじゃないよ、パクりじゃ。
だって、全然クオリティ違うじゃん!
それにこっちは「グール」じゃなくって「グールー」だし。
物語の導入部分を簡単に書くと、
ごく普通の会社員冴島は政府が極秘に研究していたウイルスに感染し、
人を食べるグールーになろうとしていた。
人の肉が食べたいという欲望に襲われながらも、
なんとか平穏な生活を続けようとしていたが、
突然「政府の人間」という男が目の前に現れるのだった…みたいな感じかな。
「政府の人間」ってなんだよって。
キャストですが、
ウイルスに感染した冴島哲郎を演じるのは甲斐大海。
いや、頑張ってはいる。
頑張ってはいるが彼の努力だけではどうにもならない事がある。
温かい目で観てほしい。
冴島の彼女神影真希を演じるのは竹内奈菜。
いや、頑張ってはいる。
頑張ってはいるが彼女の努力だけではどうにもならない事がある。
なんだかんだ彼女が主役なんじゃないかと思う。
冴島と神影の子供ひかりを演じるのは雨宮留菜。
グラビアアイドルなのでTシャツでは隠しきれない魅力があるのだが、
役的にほぼセリフとか感情がないので主演という感じではないのだが。
その他、児玉安男、猿山智也、石田武久などが出演しています。
さて映画「埼玉喰種」の感想ですが、真面目にみたらダメですよ。
さっきも書きましたが、この映画で面白くない!とか言うのはナンセンス。
その「面白くなさ」を楽しむぐらいの気持ちがない人は、
軽い気持ちで観てはいけないのです。
まず映画が始まる前に、
「A Yoshiyuki Okazaki Films」と出ます。
いわゆる「A Sono Sion Film」みたいなものですが、
ここで分るのは「こんな映画」でさえ、
岡崎喜之監督は声を大にして自分の作品だと宣言している。
なんという志、なんという責任感。
立派ではないですか。
どんな意見だって受け止める覚悟があるんですよ岡崎喜之監督は。
という事で、忌憚のない意見を書かせてもらおうではないですか。
まず、なんと言っても画が安い。
映画「劇場版 屍囚獄 起ノ篇」みたいにビデオ感バリバリなので、
全体的に画が軽い。
画が傾いているところはさすがにわざと雰囲気を出すためだと思いますが、
なんとカットが変わるとホワイトバランスが違うところがあって。
そこはさすがに「ちゃんとしてよ」って思うし、
撮影の際に撮ってしまったのなら編集時に直せば良いのに。
タイトルのB級感は好みかなあ…。
そして以前、映画「裏麻雀美神列伝 脱がせの美咲」の感想の時とかに、
音の収録は大事って事を書いたのですが、
この映画「埼玉喰種」では一応は音もちゃんと録ろうとしているし、
気にはしているんだろうなと思うが、
では、ちゃんと録れているかと言えばそうではない。
ところどころ音質が悪くこもっているのは気になる。
ナレーションは良い声だけどなんか笑える。
あと演出がもうちょっと頑張れただろと思うのだけど、
例えばキーボードをカチャカチャしてるのは仕方がないとして、
ディスプレイが真っ暗なのを映したらまずいだろとか、
人を喰いたいって苦しんでいるのに、
汗1つでてないって感じなので、あんまり苦しそうに見えない。
アップの時にやっと汗が出てたんだけど、
シャツが汗でビショビショになってるぐらいの演出があると、
俳優の演技を助けれると思うんですよね。
山にグールーを探しにいくやつらも、
車道があるんだから車で行けばいいじゃんとか、
「かなり荒れてますね」ってセリフがあるんだけど、
結構そこ、普通の道だからって。
そのセリフの時だけでも、
もうちょっと道じゃない道を歩かせるべきだったのでは。
で、山を移動している時はカメラは手持ちで撮影なのかなと思ったら、
いきなりガッシリ三脚で撮ってるシーンがあったり、
もうちょっとそこら辺も気にしてくれれば良いのにって。
ツッコミどころとしては、
「こんなに早くにどうしたの?」ってセリフの後に「会社にいると思って」って、
この言葉のつながりはおかしいでしょう。
ちなみにこんなに早くにって言ってたシーンでの時間が、
見間違いでなければ4時…それは早すぎだろ!
いわゆる「政府の人間」も「グールーを保護しようとする人間」も、
人間を喰うっていうグールーに対して、
手ぶらだったり、ナイフだったり、危機感なさすぎじゃん。
どうやって捕獲とかするつもりなんだろうか。
あと、トイレはちょっと遠すぎだろとか、
人がやってきて逃げたのかなと思ったらまだそこにいるんかい、とか、
あれ、「本当にある人物は死んでたの?」…とかとか。
そしてグールーって傷とか治るんじゃないの?
クライマックスにあたるところでの展開で、
「なにやってんだよ!お前!!」と言いながら、
自分から喰われにいく男とかね…。
ツッコミどころはどれだけでも出てくる。
「あなたがいてくれたら…」ってセリフがあるんだけど、
基本的に何もやってないどころか襲おうとしてくるぐらいなので、
いたところで役に立たないだろってのもある。
グールーにワーって襲われたアイツとか、
死体をあんまり見せなきゃいいのに、
明らかにキズがないというか、シャツが赤いだけ。
何かこぼしました…みたいな感じになってる。
赤ワインこぼして酔いつぶれてるだけ。
予算的に難しい時は無理して見せなくても良いと思う。
突然はじまるNG集的なもので、
あれ…終わったの?って微妙な雰囲気になる。
確かにこれ以上長い時間観ていたら苦痛だったが、
あれはあまりにも突然すぎて、この映画で一番ビビッた。
うーん、尺は間違いなくもう少し短くまとめれた。
そんな感じかな。
あ、映画中盤から度々山のカットというか森のカットが出てくるんだけど、
映画「DETH FOREST 恐怖の森」なら分るんだけど、
「埼玉喰種」でこれだけ山とか森をピックアップされても違和感しかない。
埼玉でこんな山があるんだってので、別に埼玉でも良いんだけど、
もうちょっとどこかに埼玉感を出しても良かったんじゃないでしょうか。
あと真面目な話なんだけど、
映画「東京喰種 トーキョーグール」にもちゃんとあった描写として、
喰種は人肉以外食べられない…という描写を入れておかないと、
喰種の渇きとか、辛さみたなものが伝わらない。
これは予算がかかることではないので、ちゃんと描くべき。
他の食べ物を口にしても吐いてしまう、
人肉なんて食べたくないのにそれしか食べられない苦しみ、悲しみ。
これが描かれていないだけで1/3も伝わらない。
という訳で、ダメだしばっかり書きましたし、
普通の人が楽しみに観てはいけない映画です。
ただ、それでも世に出した、
そして全ての責任を背負うという意気込みの岡崎喜之監督は、
男として尊敬できるのではないでしょうか。
なので、心の底からダメだしする事が、
それに対しての礼儀だと思います。
なんかエンドロール後のカットのLOSERが味わい深いなあ。
ちなみにストーリーは予告編を観ると結末以外の95%を知れます。
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