22/12/04(日)21時NHK総合でNスペ「ワイルドファイア 〜人類vs.森林火災〜」が放送された。アメリカ・カリフォルニアの消防隊に密着した山火事消火のドキュメンタリーだ。
参考:「ワイルドファイア 〜人類vs.森林火災〜」
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/LRLNQ5KJM8/
国立科学博物館の特別展「毒」に行ったついでに前回18/05/04(金)の特別展「人体 −神秘への挑戦−」の時には見て回れなかった日本館に行ったら丁度1階企画展示室で企画展「ワイルド・ファイヤー:火の自然史」が開催されていた。特に興味は無かったが入場料2,000円を有効活用しようとしっかり見学してきた。
参考:企画展「ワイルド・ファイヤー:火の自然史」
https://www.kahaku.go.jp/event/2022/11wildfire/
私は展示内容を地球温暖化の異常気象で山火事が増えているというお決まりの内容だろうと予想していたら、それはほんの一部でもっと奥深い学術的な物で大変興味深く面白かった。
山火事の高熱で植物が燃えると細胞壁が残り化石化する。地層からその炭を発掘することで当時の植物の種類と成長具合、山火事発生回数が分かると言う。植物が海から陸に進出し大気に酸素が増えたことで山火事が起こるようになった。その時代の気候や酸素濃度を教えてくれるそうだ。
植物大繁栄により酸素濃度が高くなると山火事が大量発生する様になり、その過程で火の高熱に焼かれないと種を飛ばさない樹木や焼かれた樹木に集まる昆虫が登場し進化してきた、との説明には生物の逞しさと進化の不思議さを実感する。
展示最後で、過去の歴史から現代の酸素濃度では山火事発生は多くない筈なのに、ここ数年の被害の大きさは人類による気候変動が原因だろうと締めくくられていた。
炭は単なる燃えカスのだと思っていたのに、これだけの情報が詰まっていると気づき探求する科学者の好奇心と努力に頭が下がる展示内容だった。地球の歴史や生物進化にも関わる内容で特別展「毒」へ行ったついでに見学することをお勧めする。