19/05/15(水)オンキヨー株式会社が「ホームAV事業の譲渡に関する基本合意書締結のお知らせ」を発表した。オンキヨーとパイオニアのホームAV事業を米Sound Unitedへ譲渡するというものだ。2015年3月にパイオニアのホームAV事業を統合して競争力を強化しただけに私にとっては驚くに十分なニュースだった。
参考:ホームAV事業の譲渡に関する基本合意書締結のお知らせ
https://www.jp.onkyo.com/ir/ir_pdf/20190515_JQIR_joto.pdf
19/05/19(日)『アナログオーディオフェア2019』のDENONイベントでも説明員がこのニュースに軽く触れた。ゲストとして日本コロムビア株式会社の社員が迎えられレコード制作に関する話をしたのだが、その時2001年に分社化されるまで2社は1つの会社だったという説明があった。まるで18年前を思い出して話しているようだった。
「藤田恵美ライヴ&トークショー」にはアナログオーディオファンが100名以上集まったが、その年齢層は60歳から50歳台が8割を占めており、70歳は1割未満、40歳以下は1割強という構成だった。この会場が日本のオーディオ市場の縮図だとしたら10年後には約4割の消費者が消えるということだ。20年後には市場規模は現状の2割強という可能性も考えられる。
これを見たらオーディオメーカーの経営陣は生き残りを掛けて事業の再構築を進めなければならないと思う訳だ。今回のオンキヨーの決定も日本の少子高齢化を見据えた結果なのだろう。
譲渡後のオンキヨー製品はモバイル音響機器と音響技術のOEMに特化するとのこと。若者達の消費行動を見るとモバイルオーディオとネット配信視聴に関連する音響機器市場はまだ大きくなるだろう。しかし市場規模は大きくなるわけでもなく既に競合メーカーも多い。厳しい舵取りが続きそうだ。
本当にオーディオはニッチ産業になってしまうのだなあと思い知らされるニュースだった。