19/10/14(月・祭)『アニ玉祭』で行われた白倉東映プロデューサーのトークショウが大変面白かったので詳しく記録を残しておこうと思う。
14:40〜15:45 第7回アニメ・マンガの聖地サミットin埼玉 −第2部− トクサツGO! GO! GO! in アニ玉祭
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、東映プロデューサー白倉伸一郎、寄居フィルムコミッション代表:大橋正宏の4名。
白倉氏は最初大学生の時読んだ映画研究会を舞台にした漫画のプロデューサー担当のキャラが格好良くてこの職業を選んだと言っていた。トークの途中では自分が好きな監督と脚本家が手掛けた作品が駄作だったのはプロデューサーの責任だから、この程度の人がプロデューサーをやっていられるなら自分でも可能だろうと東映を選んだと語った。
プロデューサー等の横文字職業は胡散臭い。実際何をやっているか分からない職種だが一言で言うとお茶酌みだ。新人の部下にこう言うと反発されたが5年も経つと賛同してくれるようになる。地方ロケへ行くと夜は暇になるので監督や脚本家の酒の相手をすることが多い。真面目に言えば作品作りに関する「国語(企画書作成)算数(予算取り)理科(撮影技術選択)社会(関係者交渉)」といった専任者がいないことをやっている。
山村氏はこの国際会議室は『仮面ライダークウガ(2000年放送)』と『仮面ライダー555(2003年放送)』で捜査本部としてロケに使われた聖地だとビデオ映像を映しながら説明した。EDテロップの撮影協力に「大宮ソニックシティ」とあることに会議室は笑声で溢れた。他に555の最終回決戦の地は春日部市の首都圏外郭放水路だったこと、『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト(2003年8月公開)』はさいたまスーパーアリーナで撮影されたことを披露した。
白倉氏からは放送時に「9時間耐久エキストラ1万人募集」というテロップを流した。応募用サーバーは20万同時アクセスに耐えられるよう準備したが、放送終了後はその予想を上回った。最終的に9万人の応募があり1.1万人が参加しギネスにも載ったと語った。
撮影に慣れていない素人に後で合成されるCGに合わせた演技をしてもらうのは大変で、身を屈めるシーンは最初浅く屈んでもらい、何度も練習して徐々に深く屈んでもらうようにして、映画のシーンを完成させた。協力してくれたエキストラの人達には今も感謝していると語った。
大橋氏は特撮ヒーロー作品の爆破シーンでお馴染みの採石場は寄居にあると語った。『宇宙戦隊キュウレンジャー(2017年放送)』の「キュータマ音頭!(盆踊りバージョン)」や『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer(2019年7月公開)』の川原の合戦シーンで500人のエキストラと撮影に協力した時の写真を見せながら寄居フィルムコミッションの仕事を説明した。
秩父鉄道操車場は人気のロケ地だ。これは各鉄道会社の中古車両があり選べること、土地が広く、停めてある車両を使い色々な画面構成で撮影出来ること、人払いが不要なことが理由だ。白倉氏は入間川の高架橋の下も使ったことがあるが、ヒーローものには鉄道が似合うと思っている。線路が人と怪人の境界線を意味する象徴として使えるからだと語った。
白倉氏からは人払いの手間が掛からない「人の少ない」「爆破可能な場所」のロケ地が東京近郊から無くなっているので爆破してもらいたいという立候補地情報を求めているとの話があった。爆破火薬は赤い炎のガソリン系、白い煙のコンクリート系、色が選べる染色系の3種類あるが、色が残り思い出となる染色タイプがお薦めと言って観客を笑わせていた。
「仮面ライダーグランドジオウ」のコスチュームは動き辛そうとの質問に、白倉氏はアクターが初めてこれを見た時は無言になり、実際着ると「重い」「動くと疲れる」との感想が出た。制作陣は仏像フォームと呼んでいて、これが平成ライダーの歴史の重みだと言っていたそうだ。重さの原因はコスチュームに付いている平成ライダー達のレリーフが空洞ではないからとのことだ。
年々使用される火薬の量が増えていないかとの質問に、大爆破シーンの記録は『仮面ライダーV3(1973年放送)』と『仮面ライダーBLACK RX (1988年放送)』が記録している。爆破班の新人が先輩の記録を上回る記録を立てようと監督と相談していたらベテラン勢に気付かれてしまい計画は失敗したとの話だ。
監督には、爆破シーンの得意な炎タイプと川や海を使う戦闘シーンが得意な水タイプがいる語った。既に亡くなっているある監督は撮影時の様子はパッとしないのに出来上がった作品は素晴らしく生まれながらの”天然の監督”タイプだったと強く印象に残っている。
「仮面ライダーと言えばバイクでは?」との質問に『仮面ライダー(1971年放送)』開始時の昭和の子供達の身近な乗り物である自転車の大人版としてバイクが採用されたのであって、憧れの乗り物であればバイクではなくても問題ないと答えた。
思い出深いの仮面ライダーのヒロインはとの質問に、『仮面ライダー電王(2007年放送)』と『仮面ライダーオーズ/OOO(2010年放送)』のヒロイン2人が色々な事情で話の途中でいなくなってしまったことで記憶に残っている。戦闘シーンには参加出来ずただ心配するだけの役柄で撮影チーム内ではつま弾き感を味わうことになるので精神的な強さが必要だ。前番組のプリキュアシリーズ(2004年放送開始)でヒロインが戦っているので最近ではプリキュアに負けない強いヒロイン設定にしている。
アニメーションではピクサー作品の3D CG作品が話題になり日本のアニメは廃れると言われたこともあったが、今でも大人気コンテンツだ。世界はアメコミ系のヒーロー作品、サイエンスなので着替えるタイプのヒーローが人気で、日本の変身ヒーローは魔法だと馬鹿にされているが絶対勝つつもりで作品を作っていると白倉氏は抱負を語った。
仮面ライダーとプリキュアはこういったイベントに出掛ける朝に時間が合えばリアルタイムで見る程度なのでまったく素人だがトークショーは大変面白かった。日本のヒーローの変身は原理不明で魔法だと言われているとの話は初めて聞いた。『超人ハルク』も変身していると反論すると、あれは科学的な実験の失敗の産物と説明されてしまうそうだ。確かにトンデモ科学だ。(^_^)
2019年10月16日
【詳細版】19/10/14(月)『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』の舞台が行田なのは古墳のせい!?
19/10/14(月・祭)『アニ玉祭』で行われた渡邊ポポ先生のトークショウが大変面白かったので詳しく記録を残しておこうと思う。
14:00〜14:35 第7回アニメ・マンガの聖地サミットin埼玉 −第1部− 埼玉県産コンテンツのそれはそれは深〜い愉しみ♪
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、漫画家:渡邊ポポ、新潮社編集者:佐藤優作の4名。
ポポ先生が自分は子供の頃、藤子不二雄作品ばかり読んでいてテレビアニメの「ドラえもん」をVHSでループ再生していた。藤子作品を卒業して他の漫画家作品を読むようなことはなかった。中学生の時お遊びで漫画を描いたがすぐに止めてしまい、大学卒業時に何の仕事に就くか考え、一分野で頭角を出せるだろうと漫画家目指した。
アシスタントをしながら出版社に何回も原稿を持ち込んだが、アドバイスは厳しく、スクリーントーンを貼り過ぎて「サルに初めてスクリーントーンを渡したら喜んでペタペタ貼ったみたいだ」と言われたこともある。他の出版社では「君は漫画を読んだことあるのかな?マンガの基準は少年ジャンプだから読みなさい」と言われ、初めてジャンプを読んだ。漫画家のアシスタントは主に背景ばかり描いているので漫画を描くのとは違うものだとデビュー前の苦労を語った。
商業誌デビュー後の作品を読んだ数名の編集者から声掛けられたが、新潮社を選んだのはブランドイメージが良かったからだ。新作の打ち合わせをしていて『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』の構想を語るポポ先生の熱意に中てられ、連載が決まった。
上尾に住んでいるのに『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』の舞台が行田なのは、小学生の時さきたま古墳の見学へ行った時の行田市の印象が強かったからで、大宮や浦和にしなかったのは施設が揃い過ぎていて面白くないからだ。
季節に応じた話を描いているが、連載開始時は4月でコミックス3巻になってもまだ6月の話を描いている。内容は濃くないのに『スラムダンク』並みの展開の遅さだ。(笑)
編集者は東京出身なのでローカル過ぎるネタを注意してもらえるのが助かる。普通に”十万石饅頭”を登場させたら「何ですか?」と言われ説明を加筆必要があると気付かされた。
山村教授からもっと埼玉ローカルに特化したらどうですかと問われた時は、埼玉県民733万人全員がコミックスを買ってくれれば『ワンピース』を超えるので十分商売になりますが…と笑って答えていた。
主人公の女子高生トリオ白鳥小鳩、姫宮アグリ、東上みなとの3人は読者層である男性が思っている女子高生的なキャラでリアリティを求めていない。リアルな話にしたらもっとえげつなくなるだろう。白鳥と姫宮は変なことを言うキャラ、東上は普通のキャラとして設定し連載を始めた。
ネーム作りは完璧を狙うので時間が掛かり過ぎていることを自覚している。「池袋」の回では20ページの作品に60ページも描いて推敲を重ねてしまった。時間があれば作画は好きだが、ネームに手間取りいつも時間に追われ時計を見ながら作画している。
作品を描く前に必ず取材をしており、ロケハンすると予想とは違う結果になることもある。キャラクターにベレー帽を被せたら似合わないというネームを切って、実際被せたら似合っていたので台詞を変えたこともある。ラーメンの話の時は佐藤さんと一緒に食べに行き、取材の許可を取って写真撮影させてもらった。
行田のゼリーフライ取り上げていないのは知識不足でどの店が一番美味しいか分からないからで、うかつに取り上げられない難しい題材だ。お薦めの店等の情報があったら教えて欲しい、と語っていた。
山村教授から、他の作品で「ねるねるねるねを湧き水で作ると美味しい」とありましたがあれも取材したのですかと問われたら、勿論です。やってみたら予想外の結果になることもありますからと答えていた。
ポポ先生は、埼玉ネタを抜いても、3人のキャラクターが登場するだけで面白いと言われるような作品にしたいと抱負を語っていた。埼玉県へのアドバイスとして自らハードルを下げる様な魅力の伝え方をして「埼玉の割にいいじゃん」と言ってもらえることを狙うべきと語った。
改めて埼玉県民は自虐ネタが好きだなあと思う、笑いの絶えないトークショウだった。
14:00〜14:35 第7回アニメ・マンガの聖地サミットin埼玉 −第1部− 埼玉県産コンテンツのそれはそれは深〜い愉しみ♪
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、漫画家:渡邊ポポ、新潮社編集者:佐藤優作の4名。
ポポ先生が自分は子供の頃、藤子不二雄作品ばかり読んでいてテレビアニメの「ドラえもん」をVHSでループ再生していた。藤子作品を卒業して他の漫画家作品を読むようなことはなかった。中学生の時お遊びで漫画を描いたがすぐに止めてしまい、大学卒業時に何の仕事に就くか考え、一分野で頭角を出せるだろうと漫画家目指した。
アシスタントをしながら出版社に何回も原稿を持ち込んだが、アドバイスは厳しく、スクリーントーンを貼り過ぎて「サルに初めてスクリーントーンを渡したら喜んでペタペタ貼ったみたいだ」と言われたこともある。他の出版社では「君は漫画を読んだことあるのかな?マンガの基準は少年ジャンプだから読みなさい」と言われ、初めてジャンプを読んだ。漫画家のアシスタントは主に背景ばかり描いているので漫画を描くのとは違うものだとデビュー前の苦労を語った。
商業誌デビュー後の作品を読んだ数名の編集者から声掛けられたが、新潮社を選んだのはブランドイメージが良かったからだ。新作の打ち合わせをしていて『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』の構想を語るポポ先生の熱意に中てられ、連載が決まった。
上尾に住んでいるのに『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』の舞台が行田なのは、小学生の時さきたま古墳の見学へ行った時の行田市の印象が強かったからで、大宮や浦和にしなかったのは施設が揃い過ぎていて面白くないからだ。
季節に応じた話を描いているが、連載開始時は4月でコミックス3巻になってもまだ6月の話を描いている。内容は濃くないのに『スラムダンク』並みの展開の遅さだ。(笑)
編集者は東京出身なのでローカル過ぎるネタを注意してもらえるのが助かる。普通に”十万石饅頭”を登場させたら「何ですか?」と言われ説明を加筆必要があると気付かされた。
山村教授からもっと埼玉ローカルに特化したらどうですかと問われた時は、埼玉県民733万人全員がコミックスを買ってくれれば『ワンピース』を超えるので十分商売になりますが…と笑って答えていた。
主人公の女子高生トリオ白鳥小鳩、姫宮アグリ、東上みなとの3人は読者層である男性が思っている女子高生的なキャラでリアリティを求めていない。リアルな話にしたらもっとえげつなくなるだろう。白鳥と姫宮は変なことを言うキャラ、東上は普通のキャラとして設定し連載を始めた。
ネーム作りは完璧を狙うので時間が掛かり過ぎていることを自覚している。「池袋」の回では20ページの作品に60ページも描いて推敲を重ねてしまった。時間があれば作画は好きだが、ネームに手間取りいつも時間に追われ時計を見ながら作画している。
作品を描く前に必ず取材をしており、ロケハンすると予想とは違う結果になることもある。キャラクターにベレー帽を被せたら似合わないというネームを切って、実際被せたら似合っていたので台詞を変えたこともある。ラーメンの話の時は佐藤さんと一緒に食べに行き、取材の許可を取って写真撮影させてもらった。
行田のゼリーフライ取り上げていないのは知識不足でどの店が一番美味しいか分からないからで、うかつに取り上げられない難しい題材だ。お薦めの店等の情報があったら教えて欲しい、と語っていた。
山村教授から、他の作品で「ねるねるねるねを湧き水で作ると美味しい」とありましたがあれも取材したのですかと問われたら、勿論です。やってみたら予想外の結果になることもありますからと答えていた。
ポポ先生は、埼玉ネタを抜いても、3人のキャラクターが登場するだけで面白いと言われるような作品にしたいと抱負を語っていた。埼玉県へのアドバイスとして自らハードルを下げる様な魅力の伝え方をして「埼玉の割にいいじゃん」と言ってもらえることを狙うべきと語った。
改めて埼玉県民は自虐ネタが好きだなあと思う、笑いの絶えないトークショウだった。
2019年10月15日
【速報版】19/10/14(月・祭)『アニ玉祭』の国際会議室は仮面ライダーの聖地巡りだ!
19/10/14(月・祭)は大宮ソニックシティで開催された『アニ玉祭』へ行ってきた。17/10/22(日)は台風21号接近で屋外イベント中止の縮小開催、18/10/14(日)は13時までは途中で何度か小雨に降られた。今年は台風19号上陸で中止になるかと思われたが無事開催された。
残念ながらほぼ1日雨が降っており閉会の16時に一時的に止んでくれた位とこの7年間本当に天候に恵まれないイベントとなっている。それでもPRステージに出演するアイドルが揃っているからか多くの来場者で賑わっていた。10時半から16時まで色々と見て来たのでそのレポートを【速報版】としてまとめておこう。
参考:『アニ玉祭 イベント 国際会議室(無料)』
https://anitamasai.jp/%e5%9b%bd%e9%9a%9b%e4%bc%9a%e8%ad%b0%e5%ae%a4/
11:30〜12:15 【基調講演「出版からアニメ、ツーリズムそしてところざわサクラタウンへ」】
出演は株式会社KADOKAWA取締役会長 角川 歴彦氏。所沢市の公募を知ったのが遅く最後に応募したこと。保守革新両議員からの賛同を得て採用されたこと。地域との協調と発展をテーマに施設の3割が文化施設なこと等真面目な話が続いた。
会長自らプレゼンするということで会社関係の参加者が多そうな観客席だった。ウェブによるアンケートに答えると赤または紺色の手帳型ノートを貰えた。東所沢駅まで1時間強で行けるので1日楽しめる様な面白いイベントが開催されれば行く機会はありそうだ。
14:00〜14:35 第7回アニメ・マンガの聖地サミットin埼玉 −第1部− 埼玉県産コンテンツのそれはそれは深〜い愉しみ♪
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、漫画家:渡邊ポポ、新潮社編集者:佐藤優作の4名。
ポポ先生が自分は子供の頃、藤子不二雄作品ばかり読んでいてテレビアニメの「ドラえもん」をVHSでループ再生していた。中学生の時お遊びで漫画を描いたがすぐに止めてしまい大学卒業時に漫画家目指した。
出版社に何回も原稿を持ち込んだが、アドバイスは厳しく、スクリーントーンを貼り過ぎて「サルに初めてスクリーントーンを渡したら喜んで貼ったみたいだ」と言われたこともある。他の出版社でも「マンガの基準は少年ジャンプだから読みなさい」と言われ初めて読んだとデビュー前の苦労を語った。
デビュー後の作品を読んだ数名の編集者から声掛けられたが、新潮社を選んだのはブランドイメージが良かったからだ。上尾に住んでいるのに『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』の舞台が行田なのは、小学生の時さきたま古墳の見学へ行った印象が強かったからで、大宮や浦和にしなかったのは施設が揃い過ぎていて面白くないからだ、と語った。
編集者は東京出身なのでローカル過ぎるネタを注意してもらえるのが助かる。作品を描く前に必ず取材しており、ロケハンすると予想とは違う結果になることもあり台詞を変えたこともある。行田のゼリーフライ取り上げていないのは取材不足だからで、お薦めの店等の情報があったら教えて欲しいと語っていた。
14:40〜15:45 第7回アニメ・マンガの聖地サミットin埼玉 −第2部− トクサツGO! GO! GO! in アニ玉祭
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、東映プロデューサー白倉伸一郎、寄居フィルムコミッション代表:大橋正宏の4名。
山村氏はこの国際会議室はクウガと555で捜査本部としてロケに使われた聖地だとビデオ映像を映しながら説明した。他に555の最終回決戦の地は春日部市の首都圏外郭放水路だったこと、劇場版555はさいたまスーパーアリーナで撮影されたことを披露した。
白倉氏からは555放送時に「9時間耐久劇場版エキストラ1万人募集」というテロップを流した。応募用サーバーは20万同時アクセスに耐えられるよう準備したが、放送終了後はその予想を上回った。最終的に9万人の応募があり1.1万人が参加しギネスにも載ったと語った。
他に爆破シーンでお馴染みの採石場は寄居にあるし、秩父鉄道操車場は人気のロケ地であること、入間川の高架橋の下も使われたことがあると話が盛り上がった。
白倉氏からは人払いの手間が掛からない「人の少ない」「爆破可能な場所」のロケ地を求めているとの話があった。爆破火薬は色が残るタイプが思い出になるのでお薦めと言って観客を笑わせていた。
グランドジオウのコスチュームは動き辛そうとの質問に、白倉氏はアクターが初めてこれを見た時は無言になり、実際着ると「重い」「動くと疲れる」との感想が出た。制作陣は仏像フォームと呼んでいて、これが平成ライダーの歴史の重みだと言っていたそうだ。
世界はアメコミ系のヒーロー作品が人気で日本の変身ヒーローは魔法だと馬鹿にされるが絶対勝つつもりで作品を作っていると白倉氏は抱負を語った。
2017年は3時間弱、2018年は2時間強、今年は1時間半と年々講演会が短くなっていくのが残念だが埼玉に関する作品の濃い裏話が聞けて面白かった。16時終了だったのであっという間にお祭りは終了してしまった。
残念ながらほぼ1日雨が降っており閉会の16時に一時的に止んでくれた位とこの7年間本当に天候に恵まれないイベントとなっている。それでもPRステージに出演するアイドルが揃っているからか多くの来場者で賑わっていた。10時半から16時まで色々と見て来たのでそのレポートを【速報版】としてまとめておこう。
参考:『アニ玉祭 イベント 国際会議室(無料)』
https://anitamasai.jp/%e5%9b%bd%e9%9a%9b%e4%bc%9a%e8%ad%b0%e5%ae%a4/
11:30〜12:15 【基調講演「出版からアニメ、ツーリズムそしてところざわサクラタウンへ」】
出演は株式会社KADOKAWA取締役会長 角川 歴彦氏。所沢市の公募を知ったのが遅く最後に応募したこと。保守革新両議員からの賛同を得て採用されたこと。地域との協調と発展をテーマに施設の3割が文化施設なこと等真面目な話が続いた。
会長自らプレゼンするということで会社関係の参加者が多そうな観客席だった。ウェブによるアンケートに答えると赤または紺色の手帳型ノートを貰えた。東所沢駅まで1時間強で行けるので1日楽しめる様な面白いイベントが開催されれば行く機会はありそうだ。
14:00〜14:35 第7回アニメ・マンガの聖地サミットin埼玉 −第1部− 埼玉県産コンテンツのそれはそれは深〜い愉しみ♪
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、漫画家:渡邊ポポ、新潮社編集者:佐藤優作の4名。
ポポ先生が自分は子供の頃、藤子不二雄作品ばかり読んでいてテレビアニメの「ドラえもん」をVHSでループ再生していた。中学生の時お遊びで漫画を描いたがすぐに止めてしまい大学卒業時に漫画家目指した。
出版社に何回も原稿を持ち込んだが、アドバイスは厳しく、スクリーントーンを貼り過ぎて「サルに初めてスクリーントーンを渡したら喜んで貼ったみたいだ」と言われたこともある。他の出版社でも「マンガの基準は少年ジャンプだから読みなさい」と言われ初めて読んだとデビュー前の苦労を語った。
デビュー後の作品を読んだ数名の編集者から声掛けられたが、新潮社を選んだのはブランドイメージが良かったからだ。上尾に住んでいるのに『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』の舞台が行田なのは、小学生の時さきたま古墳の見学へ行った印象が強かったからで、大宮や浦和にしなかったのは施設が揃い過ぎていて面白くないからだ、と語った。
編集者は東京出身なのでローカル過ぎるネタを注意してもらえるのが助かる。作品を描く前に必ず取材しており、ロケハンすると予想とは違う結果になることもあり台詞を変えたこともある。行田のゼリーフライ取り上げていないのは取材不足だからで、お薦めの店等の情報があったら教えて欲しいと語っていた。
14:40〜15:45 第7回アニメ・マンガの聖地サミットin埼玉 −第2部− トクサツGO! GO! GO! in アニ玉祭
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、東映プロデューサー白倉伸一郎、寄居フィルムコミッション代表:大橋正宏の4名。
山村氏はこの国際会議室はクウガと555で捜査本部としてロケに使われた聖地だとビデオ映像を映しながら説明した。他に555の最終回決戦の地は春日部市の首都圏外郭放水路だったこと、劇場版555はさいたまスーパーアリーナで撮影されたことを披露した。
白倉氏からは555放送時に「9時間耐久劇場版エキストラ1万人募集」というテロップを流した。応募用サーバーは20万同時アクセスに耐えられるよう準備したが、放送終了後はその予想を上回った。最終的に9万人の応募があり1.1万人が参加しギネスにも載ったと語った。
他に爆破シーンでお馴染みの採石場は寄居にあるし、秩父鉄道操車場は人気のロケ地であること、入間川の高架橋の下も使われたことがあると話が盛り上がった。
白倉氏からは人払いの手間が掛からない「人の少ない」「爆破可能な場所」のロケ地を求めているとの話があった。爆破火薬は色が残るタイプが思い出になるのでお薦めと言って観客を笑わせていた。
グランドジオウのコスチュームは動き辛そうとの質問に、白倉氏はアクターが初めてこれを見た時は無言になり、実際着ると「重い」「動くと疲れる」との感想が出た。制作陣は仏像フォームと呼んでいて、これが平成ライダーの歴史の重みだと言っていたそうだ。
世界はアメコミ系のヒーロー作品が人気で日本の変身ヒーローは魔法だと馬鹿にされるが絶対勝つつもりで作品を作っていると白倉氏は抱負を語った。
2017年は3時間弱、2018年は2時間強、今年は1時間半と年々講演会が短くなっていくのが残念だが埼玉に関する作品の濃い裏話が聞けて面白かった。16時終了だったのであっという間にお祭りは終了してしまった。
2018年10月20日
アニ玉祭「埼玉痛車フェスタ06」にMFGエンジェルス 林ゆめさん登場!
交通事故に遭われた方の一日も早い回復を心からお祈りいたします。
18/10/15(月)『ラブライブ!サンシャイン』の痛車によるひき逃げ事件が報道された。
参考:『ひき逃げ車「ラブライブ!」の絵…目撃され逮捕』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181015-OYT1T50052.html
そう言えば18/10/14(日)のアニ玉祭でも鐘塚公園にて「埼玉痛車フェスタ06」が開催されていた。公園では「MFゴースト×アニ玉祭」が行われ赤いトヨタ・86の展示と「MFゴースト」冊子1,000部無料配布があった。MFGエンジェルス 林ゆめさんも登場し、撮影会(11:00、13:00、15:00の3回)とサイン会(14:00)のイベントがあった。
痛車の中には自衛隊埼玉地方協力本部も車両も参加していて自衛官を募集していた。痛車投票が行われ、17:00からイベント広場のアニ玉祭PRステージ「埼玉痛車フェスタ06表彰式」で上位3車両が発表された。遠くから少し見学したが、表彰者1名がその場におらず司会者が困っていた。(^_^;;
他に30組限定の整理券が配布され「シンカリオンE5はやぶさ 写真撮影会」が10:00、14:00、15:20の3回行われた。どちらの撮影会も参加しなかったが、着ぐるみシンカリオンでも登場したのだろうか?
今回のアニ玉祭ではMFGエンジェルスや有名コスプレイヤーの参加等があり、結構集客に貢献していた。今はSNSによりフォロワーへの告知も出来るので対費用効果は高いのだろう。来年はYouTuber(ユーチューバー)による中継を行う計画があるのかもしれない。(^_^)
18/10/15(月)『ラブライブ!サンシャイン』の痛車によるひき逃げ事件が報道された。
参考:『ひき逃げ車「ラブライブ!」の絵…目撃され逮捕』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181015-OYT1T50052.html
そう言えば18/10/14(日)のアニ玉祭でも鐘塚公園にて「埼玉痛車フェスタ06」が開催されていた。公園では「MFゴースト×アニ玉祭」が行われ赤いトヨタ・86の展示と「MFゴースト」冊子1,000部無料配布があった。MFGエンジェルス 林ゆめさんも登場し、撮影会(11:00、13:00、15:00の3回)とサイン会(14:00)のイベントがあった。
痛車の中には自衛隊埼玉地方協力本部も車両も参加していて自衛官を募集していた。痛車投票が行われ、17:00からイベント広場のアニ玉祭PRステージ「埼玉痛車フェスタ06表彰式」で上位3車両が発表された。遠くから少し見学したが、表彰者1名がその場におらず司会者が困っていた。(^_^;;
他に30組限定の整理券が配布され「シンカリオンE5はやぶさ 写真撮影会」が10:00、14:00、15:20の3回行われた。どちらの撮影会も参加しなかったが、着ぐるみシンカリオンでも登場したのだろうか?
今回のアニ玉祭ではMFGエンジェルスや有名コスプレイヤーの参加等があり、結構集客に貢献していた。今はSNSによりフォロワーへの告知も出来るので対費用効果は高いのだろう。来年はYouTuber(ユーチューバー)による中継を行う計画があるのかもしれない。(^_^)
2018年10月18日
18/10/14(日)アニ玉祭PRステージの「コスプレステージ」を見学してきた
18/10/16(火)朝起きたら両腕が筋肉痛になっていた。月曜日に両腕を使った力仕事をした記憶がないので何故だと考えたら、約840gのDMC-GX1+オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROを持ち両手を伸ばして10/14(日)アニ玉祭のコスプレステージを撮影したことが原因だった。
第6回アニメ・マンガまつりin埼玉の会場構成は以下の通りだ。
1)第5展示場(BF1):リアル脱出ゲーム×名探偵コナン「公安最終試験からの脱出」(有料)
2)第2〜4展示場(BF1):市町村ブース
3)第1展示場(BF1):企業ブース
4)イベント広場:アニ玉祭PRステージ
5)鐘塚公園:埼玉痛車フェスタ06
6)4F国際会議室:アニメの聖地サミットin埼玉、映画「ペンギン・ハイウェイ」が出来るまで
7)4F国際会議室ロビー:しろ先生によるサイン会(限定50冊)
8)大宮アルシェイベントスペース:アニ玉祭大宮アルシェステージ
アニ玉祭PRステージでは15分刻みでアイドルグループのLIVEやトークショー等色々な告知イベントが行われた。聞いているとPAによる大音量で耳が痛くなり頭痛に悩まされたのは音の歪が大きいからだろう。PAの性能は酷過ぎる。マラソン試聴会でも大音量で音楽を聴いていたがまったく苦痛にならなかった。さすが低歪のハイエンドオーディオ機器だけある。
13:30〜14:40「コスプレステージ 上田埼玉県知事出席」では県知事が冒頭の挨拶で「埼玉県にはアニメ聖地が5か所あり、首都東京、歴史の京都に次ぐ全国第3位だ」とアピールしていた。その後「Fate/Grand Order」のマスターのコスプレをして登場して参加コスプレイヤー全員とステージで記念撮影を行った。
「コスプレステージ」では参加グループごとに紹介が行われたが、ポーズも一瞬ですぐにステージを降りてしまうからゆっくり構図を決める時間が取れず、ずーっとカメラを構えている必要があった。だから筋肉痛になった訳で、もしもフルサイズセンサーカメラを使っていたら両腕が上らなくなっていたかもしれない。(^_^;;
紹介後はチームによるパフォーマンスが行われた。会場を一番沸かせたのはエンディング曲「サザエさん一家」による「サザエさん」チームのダンスだった。サザエさんのアニメそのままのアクションポーズに大笑いと、実に良く考えている振付だ。しかも楽曲に初期声優陣のセリフが入っているので、こんな声だったのだと懐かしく聴くことが出来た。残念な点は5人チームでフネお母さんとマスオさんがいないこと。あと2人増強してフルメンバーでまたダンスを見てみたいと思う楽しさだった。
香港からは来た2人を含む美少女3人組がそれぞれユニコーンガンダム、Zガンダム、ガンダムMk-IIティターンズ仕様にコスプレして歌とダンスを披露したが何故モビルスーツを美少女化?と首を傾げながら見ていた。(^_^)
この後コスプレイヤーさん達は「アニ玉祭大宮アルシェステージ」に移動し、
14:30〜16:10「アニ玉祭 コスパフォコレクション2018」
16:10〜18:10「アニ玉祭 in アキコス2018」
に出演したらしい。残念ながら私には大勢の一般人がいる駅前で見学する勇気はなかった。(>_<)
第6回アニメ・マンガまつりin埼玉の会場構成は以下の通りだ。
1)第5展示場(BF1):リアル脱出ゲーム×名探偵コナン「公安最終試験からの脱出」(有料)
2)第2〜4展示場(BF1):市町村ブース
3)第1展示場(BF1):企業ブース
4)イベント広場:アニ玉祭PRステージ
5)鐘塚公園:埼玉痛車フェスタ06
6)4F国際会議室:アニメの聖地サミットin埼玉、映画「ペンギン・ハイウェイ」が出来るまで
7)4F国際会議室ロビー:しろ先生によるサイン会(限定50冊)
8)大宮アルシェイベントスペース:アニ玉祭大宮アルシェステージ
アニ玉祭PRステージでは15分刻みでアイドルグループのLIVEやトークショー等色々な告知イベントが行われた。聞いているとPAによる大音量で耳が痛くなり頭痛に悩まされたのは音の歪が大きいからだろう。PAの性能は酷過ぎる。マラソン試聴会でも大音量で音楽を聴いていたがまったく苦痛にならなかった。さすが低歪のハイエンドオーディオ機器だけある。
13:30〜14:40「コスプレステージ 上田埼玉県知事出席」では県知事が冒頭の挨拶で「埼玉県にはアニメ聖地が5か所あり、首都東京、歴史の京都に次ぐ全国第3位だ」とアピールしていた。その後「Fate/Grand Order」のマスターのコスプレをして登場して参加コスプレイヤー全員とステージで記念撮影を行った。
「コスプレステージ」では参加グループごとに紹介が行われたが、ポーズも一瞬ですぐにステージを降りてしまうからゆっくり構図を決める時間が取れず、ずーっとカメラを構えている必要があった。だから筋肉痛になった訳で、もしもフルサイズセンサーカメラを使っていたら両腕が上らなくなっていたかもしれない。(^_^;;
紹介後はチームによるパフォーマンスが行われた。会場を一番沸かせたのはエンディング曲「サザエさん一家」による「サザエさん」チームのダンスだった。サザエさんのアニメそのままのアクションポーズに大笑いと、実に良く考えている振付だ。しかも楽曲に初期声優陣のセリフが入っているので、こんな声だったのだと懐かしく聴くことが出来た。残念な点は5人チームでフネお母さんとマスオさんがいないこと。あと2人増強してフルメンバーでまたダンスを見てみたいと思う楽しさだった。
香港からは来た2人を含む美少女3人組がそれぞれユニコーンガンダム、Zガンダム、ガンダムMk-IIティターンズ仕様にコスプレして歌とダンスを披露したが何故モビルスーツを美少女化?と首を傾げながら見ていた。(^_^)
この後コスプレイヤーさん達は「アニ玉祭大宮アルシェステージ」に移動し、
14:30〜16:10「アニ玉祭 コスパフォコレクション2018」
16:10〜18:10「アニ玉祭 in アキコス2018」
に出演したらしい。残念ながら私には大勢の一般人がいる駅前で見学する勇気はなかった。(>_<)
2018年10月16日
【詳細版】18/10/14(日)アニ玉祭講演アニメ「ヤマノススメ」の裏テーマは「外出のススメ」!?
18/10/14(日)『アニ玉祭』で行われた山本裕介監督の講演会が大変面白かったので記録を残しておこうと思う。
11:05〜12:08 第6回アニメの聖地サミットin埼玉 −第2部− 特別ゲスト アニメ監督:山本裕介
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、TVアニメ「ヤマノススメサードシーズン」監督:山本裕介の3名。
2014年7月放送のセカンドシーズンは実は2013年1月放送の第1期制作中から決まっていた。これは取材に時間がかかる上に、夏しか登山ロケ出来ないことによる社長の英断だった。
1期は正味3分アニメだったが心理ドラマを描けない不満があった。2期では正味10分となりこの不満は解消された。また10分であればアニメーター1人が1話を担当出来る。これが30分放送枠となると数名のアニメーター共同作業となってしまう。2期で終わりかと思っていたら2017年10月のOVA『ヤマノススメ おもいでプレゼント』制作から3期ヘとするすると話が決まった。
登山ロケを行うのが制作方針で、あおいが登った山は実際に登って取材した。話の展開で段々登山の難易度が上がりロケが大変になっている。今はスタッフに元登山部が加わり荷物を持ってもらい取材撮影に集中させてもらっている。
舞台設定を考えるより実際に行った方が手っ取り早い。このアニメには「視聴者が外出したくなる」という裏テーマがあるのに制作陣が室内に籠って作っていては話にならない。
原作者のしろさんとはコミュニケーションを密にして制作している。監督は人付き合いを楽しめないと出来ない仕事だ。こだわりを持って制作しているので上には「もしアニメをサクサク作ってもらいたいなら監督を代えて下さい」と言っている。
サードシーズンのテーマは秋で、同時にひなたの明るさの秘密を描きたいと思った。これはひなた役の阿澄佳奈さんも演じていて同じことを考えていたと言っていた。助けてもらってばかりいるあおいがひなたに借りを返し本当の友達になれるまでを描いた。
OVAは制作時期が冬だったので登山取材が出来ずスタッフと検討して街中の話となった。アニメの舞台となるモデル地は重要だ。都心から飯能までの距離は絶妙で、制作中に分からないことがあれば現地へ行って調べて帰ることが出来るのは便利だ。
アニメ化が決まりしろさんから舞台が飯能市と聞き1人でロケに行き、天覧山に登ったり、遊歩道を歩いたり、象のいる寺を見つたりして手応えを感じた。後日スタッフを連れて現地を案内した。
アニメ制作には頂上の絶景ポイントまでの道のりでちょっと良い背景が150枚は必要となる。これをロケハンせず想像で風景を描くと森の中なのか登山の道中なのか分からない絵になる。高度が上ると植生が変わることとか登山の疲労感とか実体験が作品の中で活かされている。
OVAでここなが飯能市内を散歩する話では小道を中心に再度現地ロケを行いった。この時魚眼レンズで撮影した小道のちょっと良い風景がそのまま作品中に使われている。今は映画館がないのにシネマ小路という名前が残っているので聖望学園の新井康之先生に資料を探してもらいその映画館の建物を作中に登場させた。
OVAの決定稿をプロデューサーに見てもらったところ「面白くない」と言われた。だったらもっと早い段階で言ってくれと思ったが「絶対面白くなります」と監督権限で制作を開始した。ラッシュ試写でプロデューサーは「面白い」と前言とは逆のことを言っていた。(笑) プロデューサーはこの作品では大切な人で今日もどこかの山に登って山小屋に番組宣伝ポスターを貼っていることだろう。
ここなの話では魚眼レンズパースを効果的に使ったが、魚眼は背景だけではなく登場人物も歪んでしまう。松尾アニメーターはキャラを歪ませず上手く描いてくれた。この作品では映像に合う音楽を作ってくれた作曲家の功績が大きい。
私が音響監督を兼任しているのは予算を抑えるためだ。アニメ製作スタッフへ伝える言葉とは別の表現をする必要があるので、声優さん達へ演技指導するのは難しい。監督の作品への関わり具合は人それぞれだ。
リアルな効果音が欲しいと言ったらスタッフは現地で生録してきた。富士山登山用に登山道から外れて登山者がいない合間を見て歩く音を収録してきてくれた。ロープウェイの走行音を聞きながら「鉄塔を越える時のショック音が無い」と言ったら「今のロープウェイは音がしません」と言われてしまった。それを理解した上で、やはりショック音が欲しいので追加してもらった。
この後、参加者からの「第5話 思い出を写そう!」と「池袋鬼子母神」エピソードに関する質疑応答があり12:08に講演会は終わった。
監督が何度も登山ロケハンの大変さと外に出て欲しいと言っていたことと、すぐに視聴者のメッセージが受取れてアニメを作っていて張り合いのある時代と語っていたのが印象的な公演だった。
11:05〜12:08 第6回アニメの聖地サミットin埼玉 −第2部− 特別ゲスト アニメ監督:山本裕介
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、TVアニメ「ヤマノススメサードシーズン」監督:山本裕介の3名。
2014年7月放送のセカンドシーズンは実は2013年1月放送の第1期制作中から決まっていた。これは取材に時間がかかる上に、夏しか登山ロケ出来ないことによる社長の英断だった。
1期は正味3分アニメだったが心理ドラマを描けない不満があった。2期では正味10分となりこの不満は解消された。また10分であればアニメーター1人が1話を担当出来る。これが30分放送枠となると数名のアニメーター共同作業となってしまう。2期で終わりかと思っていたら2017年10月のOVA『ヤマノススメ おもいでプレゼント』制作から3期ヘとするすると話が決まった。
登山ロケを行うのが制作方針で、あおいが登った山は実際に登って取材した。話の展開で段々登山の難易度が上がりロケが大変になっている。今はスタッフに元登山部が加わり荷物を持ってもらい取材撮影に集中させてもらっている。
舞台設定を考えるより実際に行った方が手っ取り早い。このアニメには「視聴者が外出したくなる」という裏テーマがあるのに制作陣が室内に籠って作っていては話にならない。
原作者のしろさんとはコミュニケーションを密にして制作している。監督は人付き合いを楽しめないと出来ない仕事だ。こだわりを持って制作しているので上には「もしアニメをサクサク作ってもらいたいなら監督を代えて下さい」と言っている。
サードシーズンのテーマは秋で、同時にひなたの明るさの秘密を描きたいと思った。これはひなた役の阿澄佳奈さんも演じていて同じことを考えていたと言っていた。助けてもらってばかりいるあおいがひなたに借りを返し本当の友達になれるまでを描いた。
OVAは制作時期が冬だったので登山取材が出来ずスタッフと検討して街中の話となった。アニメの舞台となるモデル地は重要だ。都心から飯能までの距離は絶妙で、制作中に分からないことがあれば現地へ行って調べて帰ることが出来るのは便利だ。
アニメ化が決まりしろさんから舞台が飯能市と聞き1人でロケに行き、天覧山に登ったり、遊歩道を歩いたり、象のいる寺を見つたりして手応えを感じた。後日スタッフを連れて現地を案内した。
アニメ制作には頂上の絶景ポイントまでの道のりでちょっと良い背景が150枚は必要となる。これをロケハンせず想像で風景を描くと森の中なのか登山の道中なのか分からない絵になる。高度が上ると植生が変わることとか登山の疲労感とか実体験が作品の中で活かされている。
OVAでここなが飯能市内を散歩する話では小道を中心に再度現地ロケを行いった。この時魚眼レンズで撮影した小道のちょっと良い風景がそのまま作品中に使われている。今は映画館がないのにシネマ小路という名前が残っているので聖望学園の新井康之先生に資料を探してもらいその映画館の建物を作中に登場させた。
OVAの決定稿をプロデューサーに見てもらったところ「面白くない」と言われた。だったらもっと早い段階で言ってくれと思ったが「絶対面白くなります」と監督権限で制作を開始した。ラッシュ試写でプロデューサーは「面白い」と前言とは逆のことを言っていた。(笑) プロデューサーはこの作品では大切な人で今日もどこかの山に登って山小屋に番組宣伝ポスターを貼っていることだろう。
ここなの話では魚眼レンズパースを効果的に使ったが、魚眼は背景だけではなく登場人物も歪んでしまう。松尾アニメーターはキャラを歪ませず上手く描いてくれた。この作品では映像に合う音楽を作ってくれた作曲家の功績が大きい。
私が音響監督を兼任しているのは予算を抑えるためだ。アニメ製作スタッフへ伝える言葉とは別の表現をする必要があるので、声優さん達へ演技指導するのは難しい。監督の作品への関わり具合は人それぞれだ。
リアルな効果音が欲しいと言ったらスタッフは現地で生録してきた。富士山登山用に登山道から外れて登山者がいない合間を見て歩く音を収録してきてくれた。ロープウェイの走行音を聞きながら「鉄塔を越える時のショック音が無い」と言ったら「今のロープウェイは音がしません」と言われてしまった。それを理解した上で、やはりショック音が欲しいので追加してもらった。
この後、参加者からの「第5話 思い出を写そう!」と「池袋鬼子母神」エピソードに関する質疑応答があり12:08に講演会は終わった。
監督が何度も登山ロケハンの大変さと外に出て欲しいと言っていたことと、すぐに視聴者のメッセージが受取れてアニメを作っていて張り合いのある時代と語っていたのが印象的な公演だった。
2018年10月15日
【速報版】18/10/14(日)『アニ玉祭』の国際会議室で爆裂魔法炸裂!?
10/14(日)は大宮ソニックシティで開催されている『アニ玉祭』に行ってきた。17/10/22(日)は台風21号接近で屋外イベントは中止となり縮小開催となった。今年は雨が心配で途中何度か小雨に降られたが、13時以降は天候が回復して多くの来場者で賑わった。10時半から17時まで色々と見て来たのでそのレポートを【速報版】としてお送りしたい。
参考:『アニ玉祭 イベント 国際会議室』
http://anitamasai.jp/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E5%AE%A4
10:30〜11:03 第6回アニメの聖地サミットin埼玉 −第1部− 特別ゲスト 声優:並木のり子
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、声優:並木のり子の3名。専門学校声優課の女子学生と「リインカーネーション」というドラマを実演した。学生とは言え声量と声の演じ分けは見事で楽しくドラマを聴かせてもらった。
他に学校の生徒5名ほどいて声優課男子2名が自己紹介で共に「爆裂魔法」信仰者と告白し、『この素晴らしい世界に祝福を!』のめぐみんの影響力はエクスプロージョン並みの破壊力と知った。(@_@)
山本教授の「声優ヒロインの系譜」という研究発表では伝説の昭和女性声優として 1)増山江威子 2)吉田理保子 3)小原乃梨子 4)池田昌子 5)島本須美 6)平野文 の6名の名前を挙げた。確かに万人が納得しそうなメンバーだ。平成の今、この6人の演じたヒロイン像をハイブリットで受け継ぐのが阿澄佳奈と語っていた。
11:05〜12:08 第6回アニメの聖地サミットin埼玉 −第2部− 特別ゲスト アニメ監督:山本裕介
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、TVアニメ「ヤマノススメサードシーズン」監督:山本裕介の3名。2014年7月放送のセカンドシーズンは実は2013年1月放送の第1期制作中から決まっていた。これは取材に時間がかかる上に、夏しか登山ロケ出来ないことによる社長の決断だった。
2期で終わりかと思っていたら2017年10月のOVA『ヤマノススメ おもいでプレゼント』制作から3期ヘとするすると決まった。OVAは制作時期が冬だったので登山取材が出来ず街中の話となった。ここなが飯能市内を散歩する話では再度現地ロケを行った。この時魚眼レンズで撮影した小道のちょっと良い風景がそのまま作品中に使われている。
監督から登山ロケハンの大変さが何度も語られたのが印象的な公演だった。
15:00〜16:10 基調講演 埼玉ゆかりのクリエーターが語る 映画「ペンギン・ハイウェイ」が出来るまで
出演は司会:柿崎俊道、キャラクターデザイン・演出:新井陽次郎、助監督:渡辺葉の3名。2人が寄居町と志木市出身ということでこの公演が企画されたと言う。
映画は119分の作品で平均6秒のカット1559本で出来ている。このカットの映像とラフ原画動画を比較して見ながら制作時の話を聞いた。制作方針として登場する動物たちはリアルに描いた。ペンギンの動きは当初サンプル映像を作り統一しようとしたが、結局そのシーンごとの対応となってしまった。ペンギンへメタモルフォーゼするシーンは漫画家兼アニメーターの女性1人がほぼ担当した、といった話が聞けた。
まだ若い二人でこういったイベントになれていないのか、声は小さく面白く話すサービス精神不足だったのは残念だった。
昨年は3時間弱濃い話を聞くことが出来て満足度は高かったが、今年は2時間強と物足りない。年々講演会が短くなっていくのが残念だ。
参考:『アニ玉祭 イベント 国際会議室』
http://anitamasai.jp/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E5%AE%A4
10:30〜11:03 第6回アニメの聖地サミットin埼玉 −第1部− 特別ゲスト 声優:並木のり子
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、声優:並木のり子の3名。専門学校声優課の女子学生と「リインカーネーション」というドラマを実演した。学生とは言え声量と声の演じ分けは見事で楽しくドラマを聴かせてもらった。
他に学校の生徒5名ほどいて声優課男子2名が自己紹介で共に「爆裂魔法」信仰者と告白し、『この素晴らしい世界に祝福を!』のめぐみんの影響力はエクスプロージョン並みの破壊力と知った。(@_@)
山本教授の「声優ヒロインの系譜」という研究発表では伝説の昭和女性声優として 1)増山江威子 2)吉田理保子 3)小原乃梨子 4)池田昌子 5)島本須美 6)平野文 の6名の名前を挙げた。確かに万人が納得しそうなメンバーだ。平成の今、この6人の演じたヒロイン像をハイブリットで受け継ぐのが阿澄佳奈と語っていた。
11:05〜12:08 第6回アニメの聖地サミットin埼玉 −第2部− 特別ゲスト アニメ監督:山本裕介
出演は司会:柿崎俊道、北海道大学教授:山村高淑、TVアニメ「ヤマノススメサードシーズン」監督:山本裕介の3名。2014年7月放送のセカンドシーズンは実は2013年1月放送の第1期制作中から決まっていた。これは取材に時間がかかる上に、夏しか登山ロケ出来ないことによる社長の決断だった。
2期で終わりかと思っていたら2017年10月のOVA『ヤマノススメ おもいでプレゼント』制作から3期ヘとするすると決まった。OVAは制作時期が冬だったので登山取材が出来ず街中の話となった。ここなが飯能市内を散歩する話では再度現地ロケを行った。この時魚眼レンズで撮影した小道のちょっと良い風景がそのまま作品中に使われている。
監督から登山ロケハンの大変さが何度も語られたのが印象的な公演だった。
15:00〜16:10 基調講演 埼玉ゆかりのクリエーターが語る 映画「ペンギン・ハイウェイ」が出来るまで
出演は司会:柿崎俊道、キャラクターデザイン・演出:新井陽次郎、助監督:渡辺葉の3名。2人が寄居町と志木市出身ということでこの公演が企画されたと言う。
映画は119分の作品で平均6秒のカット1559本で出来ている。このカットの映像とラフ原画動画を比較して見ながら制作時の話を聞いた。制作方針として登場する動物たちはリアルに描いた。ペンギンの動きは当初サンプル映像を作り統一しようとしたが、結局そのシーンごとの対応となってしまった。ペンギンへメタモルフォーゼするシーンは漫画家兼アニメーターの女性1人がほぼ担当した、といった話が聞けた。
まだ若い二人でこういったイベントになれていないのか、声は小さく面白く話すサービス精神不足だったのは残念だった。
昨年は3時間弱濃い話を聞くことが出来て満足度は高かったが、今年は2時間強と物足りない。年々講演会が短くなっていくのが残念だ。
2018年10月13日
10月の気になるイベント情報を「Googleカレンダー」に入力してみた
3か月ごとに「気になるイベント情報」を調べブログにまとめている。その後毎月末に翌月のイベントをスマホの「Googleカレンダー」に入力してその月の予定を決めている。
9月末に10月開催イベントの「タイトル」「日時」「場所」をカレンダーに入力した。残念ながら『chara1 oct.2018』はアニ玉祭と被って行けないので入力していない。
『第42回 ダイナミックオーディオマラソン試聴会』
18/10/06(土)10:55〜20:00、10/07(日)10:55〜18:00 入場無料
青山梅窓院「祖師堂」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1480.html
『第6回アニ玉祭(アニメ・マンガまつりin埼玉)』
18/10/14(日)10:00〜17:00
埼玉県さいたま市ソニックシティ 入場無料
http://anitamasai.jp/
『chara1 oct.2018』
2018/10/14(日)11:00〜17:00
東京ビッグサイト 西展示棟 2ホール 入場料無料
http://www.character1.jp/oct/index.html
『池袋ハロウィンコスプレフェス2018』
2018/10/27(土)〜28(日)10:00〜18:00 入場無料
池袋東口エリア
http://ikebukurocosplay.jp/
カレンダーは2018年3月のアップデートからタイトルと場所から最適と思われるイラストや写真を自動的に設定してくれるようになった。マラソン試聴会はスポーツのマラソンと勘違いしてシューズの絵だ。アニ玉祭は開催地のさいたま市ソニックシティのホテルの室内の写真だろうか?ハロウィンコスプレフェスはそのままハロウィンのオバケの絵となった。
東京ビックサイトや幕張メッセで開催のイベントだとホールの写真となって面白みは無いが、他のイベントは何が表示されるかちょっとした楽しみがある。
さてそろそろ「秋から年末の気になるイベント情報」をまとめることにしよう。
9月末に10月開催イベントの「タイトル」「日時」「場所」をカレンダーに入力した。残念ながら『chara1 oct.2018』はアニ玉祭と被って行けないので入力していない。
『第42回 ダイナミックオーディオマラソン試聴会』
18/10/06(土)10:55〜20:00、10/07(日)10:55〜18:00 入場無料
青山梅窓院「祖師堂」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1480.html
『第6回アニ玉祭(アニメ・マンガまつりin埼玉)』
18/10/14(日)10:00〜17:00
埼玉県さいたま市ソニックシティ 入場無料
http://anitamasai.jp/
『chara1 oct.2018』
2018/10/14(日)11:00〜17:00
東京ビッグサイト 西展示棟 2ホール 入場料無料
http://www.character1.jp/oct/index.html
『池袋ハロウィンコスプレフェス2018』
2018/10/27(土)〜28(日)10:00〜18:00 入場無料
池袋東口エリア
http://ikebukurocosplay.jp/
カレンダーは2018年3月のアップデートからタイトルと場所から最適と思われるイラストや写真を自動的に設定してくれるようになった。マラソン試聴会はスポーツのマラソンと勘違いしてシューズの絵だ。アニ玉祭は開催地のさいたま市ソニックシティのホテルの室内の写真だろうか?ハロウィンコスプレフェスはそのままハロウィンのオバケの絵となった。
東京ビックサイトや幕張メッセで開催のイベントだとホールの写真となって面白みは無いが、他のイベントは何が表示されるかちょっとした楽しみがある。
さてそろそろ「秋から年末の気になるイベント情報」をまとめることにしよう。
2017年10月24日
【詳細版】「月がきれい」に連なる恋愛アニメ「中二病でも恋がしたい!」の主人公も中学生!?
10/22(日)大宮ソニックシティで開催された『アニ玉祭』で行われたアニメの聖地サミットin埼玉 「今だから語り合いたい!青春恋愛アニメの描き方、聖地と人のあゆみ」〜川越・秩父 アニメがつなぐSAITAMAプラチナルート〜をレポートする。記憶とメモを頼りに私が見聞きした内容を書き起こしているので間違いがあったらその時は勘弁して頂きたい。(敬称略)
11:00〜12:00 −第1部−「月がきれい」魅力と込められた思い
出演はMC、株式会社フライングドッグ 南健プロデューサー、北海道大学観光学高等研究センター 山村高淑教授の3名。11時半から参加した。
【南健プロデューサーの話】
・「月がきれい」はリアルな中学生の恋愛を描きたくて企画したオリジナルアニメ作品だ。
・リアルな恋愛アニメとして「僕等がいた(2006年7月放送)」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(2011年4月放送)」「一週間フレンズ。(2014年4月放送)」「たまこラブストーリー(2014年4月公開)」の系譜に連なる作品だ。
・好きな作品ではあるが「霊感が無いから幽霊は見えない」「一週間で記憶がリセットされる奇病はない」「言葉を喋る鳥はいない」とツッコミを入れたくなってしまう。現実的に起こりうる日常を描きたいのでアニメ的な設定要素は排除した。
・ヒロインが川越から千葉市川に引っ越すことになったが、私が若い頃の武蔵野線の印象が寂しかったので市川を選んだ。高校生にとって片道1時間半電車賃1,000円は大変だと思える遠距離感が欲しかった。
・アニメ制作に長く関わって作品中にマスコットキャラクターがいると何かと便利と分かっているので水野茜に芋のマスコットを持たせた。川越には別の芋キャラクターがいることが分かったがマイナーなので新たに芋キャラを作ってしまった。
・家族がヒロインの性格を語るのはダサい演出なので、緊張すると芋マスコットで心を落ち着かせると言った心理状態を映像で見せることが出来て成功だった。
・エンディングは岸誠二監督が依頼したスタッフが制作した。試写を見てこう仕上がったのかと感心したが、景色は四季が移り変わっているのに2人の服装が1年中同じということに違和感があり修正するよう注文を付けた。
・エンディングテーマ「月がきれい」と合う素晴らしいEDアニメに仕上がったが、こちらをオープニングにする訳にいかないしなあ、と監督と話した記憶がある。
・90年代前後のカバー曲を6曲使ったのは、リアルさにこだわり地味な展開になるのでヒット曲で場面を盛り上げる意図があった。オリジナル曲では視聴者に浸透するまで時間が掛かるのでカバーを採用したが、アレンジや歌手は統一して作品に馴染むよう工夫した。
・選曲基準はシングルで100万枚売れたヒット曲とし、楽曲は監督に一任したが「初恋」は私(南プロデューサー)が推薦した。
・安曇小太郎と水野茜が2人きりの時に余り会話をせず、帰宅してからLINEで語り合うのは異性を意識し始めた年齢の自然な付き合い方だろうと思って演出した。
・LINEスタンプのデザインはスタッフがそれらしくデザインしたが、寅さん似の男性キャラは松竹に怒られるかもと思いつつ余り似ていないのでOKを出した。後日企業から商品化の許可願いが来たが、さすがに問題になるだろうと止めている。
【山村高淑教授の話】
・1週間前に『アニ玉祭』のスタッフから恋愛アニメの系譜を語って下さいと言われ吐きそうになりながらずっと恋愛アニメばかり観てこのスライドを作成した。
・新海誠監督は恋愛アニメを作り続けているが、初期のSFアニメにモノクロ液晶表示のPHSが出てきて制作年代を感じさせるのが面白い。
・「うる星やつら」もラムちゃんの一途さを評価して純愛アニメと認定した。愛情表現は電撃だ。例え相手の迷惑になったとしても。
・意外と中学生が主人公の恋愛アニメは少ない。中学生が主人公だと(シンジとかアムロみたいに)戦いに巻き込まれるアニメが多かった。
・主人公は高校生だが精神年齢は中学生なので「中二病でも恋がしたい!」は中学生作品とした。
ソニックシティホールからソニックシティビル4階の市民ホール401・402へ雨に濡れず移動する経路が分からず時間を浪費したのが勿体無い位、色々と面白い話聞けて楽しい時間だった。
11:00〜12:00 −第1部−「月がきれい」魅力と込められた思い
出演はMC、株式会社フライングドッグ 南健プロデューサー、北海道大学観光学高等研究センター 山村高淑教授の3名。11時半から参加した。
【南健プロデューサーの話】
・「月がきれい」はリアルな中学生の恋愛を描きたくて企画したオリジナルアニメ作品だ。
・リアルな恋愛アニメとして「僕等がいた(2006年7月放送)」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(2011年4月放送)」「一週間フレンズ。(2014年4月放送)」「たまこラブストーリー(2014年4月公開)」の系譜に連なる作品だ。
・好きな作品ではあるが「霊感が無いから幽霊は見えない」「一週間で記憶がリセットされる奇病はない」「言葉を喋る鳥はいない」とツッコミを入れたくなってしまう。現実的に起こりうる日常を描きたいのでアニメ的な設定要素は排除した。
・ヒロインが川越から千葉市川に引っ越すことになったが、私が若い頃の武蔵野線の印象が寂しかったので市川を選んだ。高校生にとって片道1時間半電車賃1,000円は大変だと思える遠距離感が欲しかった。
・アニメ制作に長く関わって作品中にマスコットキャラクターがいると何かと便利と分かっているので水野茜に芋のマスコットを持たせた。川越には別の芋キャラクターがいることが分かったがマイナーなので新たに芋キャラを作ってしまった。
・家族がヒロインの性格を語るのはダサい演出なので、緊張すると芋マスコットで心を落ち着かせると言った心理状態を映像で見せることが出来て成功だった。
・エンディングは岸誠二監督が依頼したスタッフが制作した。試写を見てこう仕上がったのかと感心したが、景色は四季が移り変わっているのに2人の服装が1年中同じということに違和感があり修正するよう注文を付けた。
・エンディングテーマ「月がきれい」と合う素晴らしいEDアニメに仕上がったが、こちらをオープニングにする訳にいかないしなあ、と監督と話した記憶がある。
・90年代前後のカバー曲を6曲使ったのは、リアルさにこだわり地味な展開になるのでヒット曲で場面を盛り上げる意図があった。オリジナル曲では視聴者に浸透するまで時間が掛かるのでカバーを採用したが、アレンジや歌手は統一して作品に馴染むよう工夫した。
・選曲基準はシングルで100万枚売れたヒット曲とし、楽曲は監督に一任したが「初恋」は私(南プロデューサー)が推薦した。
・安曇小太郎と水野茜が2人きりの時に余り会話をせず、帰宅してからLINEで語り合うのは異性を意識し始めた年齢の自然な付き合い方だろうと思って演出した。
・LINEスタンプのデザインはスタッフがそれらしくデザインしたが、寅さん似の男性キャラは松竹に怒られるかもと思いつつ余り似ていないのでOKを出した。後日企業から商品化の許可願いが来たが、さすがに問題になるだろうと止めている。
【山村高淑教授の話】
・1週間前に『アニ玉祭』のスタッフから恋愛アニメの系譜を語って下さいと言われ吐きそうになりながらずっと恋愛アニメばかり観てこのスライドを作成した。
・新海誠監督は恋愛アニメを作り続けているが、初期のSFアニメにモノクロ液晶表示のPHSが出てきて制作年代を感じさせるのが面白い。
・「うる星やつら」もラムちゃんの一途さを評価して純愛アニメと認定した。愛情表現は電撃だ。例え相手の迷惑になったとしても。
・意外と中学生が主人公の恋愛アニメは少ない。中学生が主人公だと(シンジとかアムロみたいに)戦いに巻き込まれるアニメが多かった。
・主人公は高校生だが精神年齢は中学生なので「中二病でも恋がしたい!」は中学生作品とした。
ソニックシティホールからソニックシティビル4階の市民ホール401・402へ雨に濡れず移動する経路が分からず時間を浪費したのが勿体無い位、色々と面白い話聞けて楽しい時間だった。
2017年10月22日
【速報版】17/10/22(日)台風21号接近!『アニ玉祭』は屋外イベント中止で縮小開催!
10/22(日)は大宮ソニックシティで開催されている『アニ玉祭』に行ってきた。台風21号接近でどうなるのかホームページで確認してから出かけ11時から17時まで色々と見て来たのでそのレポートを【速報版】としてお送りしたい。
『アニ玉祭』は1年目が雨に祟られたが5年目は台風の大雨と強風を用心して、
1)屋外出展コーナー(イベント広場、鐘塚公園)
2)アニ玉祭サブステージ(大宮アルシェ1Fイベントスペース)
が中止となっていた。年々規模が小さくなっているだけにこの閑散さはイメージダウンになる。
楽しみにしていた「アニ玉祭PRステージ(メインステージ)」はB1イベント広場からソニックシティ小ホールへ移動となった為整理券がないと入場出来ず、9時からの配布に間に合わず、まったく見学出来なかった。
アニメの聖地サミットin埼玉 「今だから語り合いたい!青春恋愛アニメの描き方、聖地と人のあゆみ」〜川越・秩父 アニメがつなぐSAITAMAプラチナルート〜が市民ホール401・402(ソニックシティビル4階)で開催されているので会場に向かった。
11:00〜12:00 −第1部−「月がきれい」魅力と込められた思い
出演はMC、株式会社フライングドッグ 南健プロデューサー、北海道大学観光学高等研究センター 山村高淑教授の3名。11時半からの参加となった。
「月がきれい」で90年代のカバー曲が多数使われていた理由が、「リアルさにこだわり地味な展開になるのでヒット曲で場面を盛り上げる意図があった」「オリジナル曲では視聴者に浸透するまで時間が掛かるのでカバーを採用したが、アレンジや歌手は統一して作品に馴染むよう工夫した」といった話が聞けて楽しかった。
南プロデューサーにカバー曲のフルサイズを収録したCDを発売する予定はないのか質問したかった。
12:15〜13:00 −第2部−「あの花」、「ここさけ」そしてアニメファンと共に〜変化と不朽 秩父が辿った道〜
出演は秩父市観光課 中島学主幹、聖地会議 代表取締役 柿崎俊道、埼玉県国際課 島田邦弘課長の3名。
秩父が「あの花」といち早くコラボ出来たのは放送の2年前に999イベント開催の為観光課が設けられていたからというのは初めて聞く話だった。その後はTV放送、映画化、「ここさけ」映画化、実写版制作と毎年の様に話題が提供することが出来て秩父市内が活性化したという報告があった。
柿崎氏が「コンテンツツーリズムの中に聖地巡礼がある」と思われているが、実は「人生が聖地巡礼」なのだと熱く語り会場は大笑い。そういえば昔「オタクは趣味ではない。ライフスタイルだ」と言った人もいたと記憶している。
サミットという堅苦しいネーミングとは異なり、取り上げられた作品を熱く語る、昔NHK BSで放送されていた『漫画夜話』的なノリの楽しい講演だった。
14:30〜15:30 アニメツーリズム協会が「アニメ聖地88」を語る! 富野由悠季氏 特別講演
先の講演が広い会場に100名ほどと空いていたので余裕と思っていたら富野由監督の集客力は偉大で満席となり部屋の最後尾で見ることになった。(^_^;;
一般社団法人アニメツーリズム協会の会長となったのは株式会社KADOKAWAの会長に命じられたからで、表舞台に出ない理事に就こうとしたら官庁との打ち合わせや印鑑事務仕事があるので結局会長に就任したと語った。
21年間新座に住んでいたので『ダイターン3』の主人公破嵐万丈の住んでいる街の名前が”シンザシティ”になったという話から、どんなにオリジナリティのある作品でも、その発想のヒントとなった現実があるという説明があった。
私小説や自伝では自分に起きた過去の出来事を客観視出来ないが、アニメのエピソードと変換することでそれが可能となる力があると岡田麿里女史の作品を取り上げて解説した。
見学するものが少なかったが、濃い話を無料で3時間弱聞くことが出来て大雨の中わざわざ出かけてきた価値はあったイベントだった。しかしこのままでは2018年開催するにしても一層規模が縮小されそうで何かテコ入れが必要だろう。
【関連リンク】
『「第5回アニ玉祭」の屋外イベントの一部中止について』
http://anitamasai.jp/news/6086
『アニ玉祭』は1年目が雨に祟られたが5年目は台風の大雨と強風を用心して、
1)屋外出展コーナー(イベント広場、鐘塚公園)
2)アニ玉祭サブステージ(大宮アルシェ1Fイベントスペース)
が中止となっていた。年々規模が小さくなっているだけにこの閑散さはイメージダウンになる。
楽しみにしていた「アニ玉祭PRステージ(メインステージ)」はB1イベント広場からソニックシティ小ホールへ移動となった為整理券がないと入場出来ず、9時からの配布に間に合わず、まったく見学出来なかった。
アニメの聖地サミットin埼玉 「今だから語り合いたい!青春恋愛アニメの描き方、聖地と人のあゆみ」〜川越・秩父 アニメがつなぐSAITAMAプラチナルート〜が市民ホール401・402(ソニックシティビル4階)で開催されているので会場に向かった。
11:00〜12:00 −第1部−「月がきれい」魅力と込められた思い
出演はMC、株式会社フライングドッグ 南健プロデューサー、北海道大学観光学高等研究センター 山村高淑教授の3名。11時半からの参加となった。
「月がきれい」で90年代のカバー曲が多数使われていた理由が、「リアルさにこだわり地味な展開になるのでヒット曲で場面を盛り上げる意図があった」「オリジナル曲では視聴者に浸透するまで時間が掛かるのでカバーを採用したが、アレンジや歌手は統一して作品に馴染むよう工夫した」といった話が聞けて楽しかった。
南プロデューサーにカバー曲のフルサイズを収録したCDを発売する予定はないのか質問したかった。
12:15〜13:00 −第2部−「あの花」、「ここさけ」そしてアニメファンと共に〜変化と不朽 秩父が辿った道〜
出演は秩父市観光課 中島学主幹、聖地会議 代表取締役 柿崎俊道、埼玉県国際課 島田邦弘課長の3名。
秩父が「あの花」といち早くコラボ出来たのは放送の2年前に999イベント開催の為観光課が設けられていたからというのは初めて聞く話だった。その後はTV放送、映画化、「ここさけ」映画化、実写版制作と毎年の様に話題が提供することが出来て秩父市内が活性化したという報告があった。
柿崎氏が「コンテンツツーリズムの中に聖地巡礼がある」と思われているが、実は「人生が聖地巡礼」なのだと熱く語り会場は大笑い。そういえば昔「オタクは趣味ではない。ライフスタイルだ」と言った人もいたと記憶している。
サミットという堅苦しいネーミングとは異なり、取り上げられた作品を熱く語る、昔NHK BSで放送されていた『漫画夜話』的なノリの楽しい講演だった。
14:30〜15:30 アニメツーリズム協会が「アニメ聖地88」を語る! 富野由悠季氏 特別講演
先の講演が広い会場に100名ほどと空いていたので余裕と思っていたら富野由監督の集客力は偉大で満席となり部屋の最後尾で見ることになった。(^_^;;
一般社団法人アニメツーリズム協会の会長となったのは株式会社KADOKAWAの会長に命じられたからで、表舞台に出ない理事に就こうとしたら官庁との打ち合わせや印鑑事務仕事があるので結局会長に就任したと語った。
21年間新座に住んでいたので『ダイターン3』の主人公破嵐万丈の住んでいる街の名前が”シンザシティ”になったという話から、どんなにオリジナリティのある作品でも、その発想のヒントとなった現実があるという説明があった。
私小説や自伝では自分に起きた過去の出来事を客観視出来ないが、アニメのエピソードと変換することでそれが可能となる力があると岡田麿里女史の作品を取り上げて解説した。
見学するものが少なかったが、濃い話を無料で3時間弱聞くことが出来て大雨の中わざわざ出かけてきた価値はあったイベントだった。しかしこのままでは2018年開催するにしても一層規模が縮小されそうで何かテコ入れが必要だろう。
【関連リンク】
『「第5回アニ玉祭」の屋外イベントの一部中止について』
http://anitamasai.jp/news/6086