機器構成はプリアンプTRX-2、モノラルパワーアンプTRX-M845×2台、エソテリックSACDプレーヤーK-05でB&W 802Diaを鳴らしていた。最後にモノラルパワーアンプをTRX-M300に交換して7と8曲目を聴いた。
三浦氏は802がトライオードの物品と確認して「音が良くなるのでツィーターカバーを取ってしまいましょう。」と山崎社長に提案した。「少しでも指が触れるとダイアモンドが割れてしまい5万円の修理代が掛かります。注意して下さい。」と言うのだから、もし私がB&Wのオーナーだったらカバーを取ることは一生無いだろう。(苦笑)
三浦氏は海外のオーディオフェアで山崎社長と良くお会いするそうで、TRX-M845の売れ行きを聞いたところ「日本では既に30台、海外ではまだ5台」といった答えが返って来た。三浦氏は自宅ではMAGICO Q3を使っているとのことで、なるほどS5の評価も高い筈だ。(笑)
試聴曲は以下の通り。
1)CD「スウェディッシュ・ララバイ/シゼル・ストーム」より「7. EMILY」
2)SACD「the origin of HAJIME MIZOGUCHI/溝口肇」より「1. 世界の車窓から〜soundscape of 2012 (new recording)」
3)CD「スターオブワンダー/(不明)」より「ネイティビティ(降誕)」
4)(曲目不明)
5)SACD「ラモー:シンフォニー・イマジネール」より「1. 英雄牧歌劇≪ザイス≫ 序曲〔混沌からの解放と四大元素が分離する時の衝撃を描いた序曲〕」
6)SACD「BIG BAND SOUND 〜甦るビッグバンドステージ〜/角田健一ビッグバンド」より「5. キャラバン」
7)CD「時のまにまに II 春夏秋冬/井筒香奈江」より「4. そっとおやすみ」
8)CD「Collection Blue/手嶌葵」より「12. 月のぬくもり」
5曲目を掛ける時に「もう少しSACDが安くならないでしょうか。優秀録音盤が多くてもとても買い集められません。」と嘆いていた。オーディオ評論家であれば必要経費として落とせるので、一般オーディオファイルより恵まれているのでは?と思いながら話を聞いていた。
「ホテルカリフォルニアのSACDの音について気になるところがあったのでワーナーミュージック・ジャパンの人に尋ねたところ、一度アナログに戻してDSDマスターを作っていると言われました。音作りにはそれぞれ人の好みがありますが・・・。」と語尾を濁していた。私はSACD盤でも十分感動した口だが、この話を聞くと音の鮮度で上回りそうなDVD-A盤を聴いてみたいと思ってしまう。
「ドナルド・フェイゲンの新作が発売されたので早速CDとハイレゾ音源を聴き比べたが余り音質に差が無い。おかしいと思い周波数を確認したところ20kHz以上の高音域がスパッと切られている。これをどう記事にしたものか悩んでいる。」と大人の事情的な裏話があったが、これがどうなったのかは「Gaudio 2013年 01月号」の9ページを読んで納得だ。
8曲目を掛けた時には、「私はアニメを見ないのだが『アニメ 坂道のアポロン オリジナル・サウンドトラック』に手嶌葵さんの『バードランドの子守唄』が収録されているので買って聴いてみた。期待外れだった。ヤマハとは違いソニーのエンジニアは葵さんのボーカルの魅力を捉えていない。」と手厳しいコメントが出た。
最後にパワーアンプを交換したところ爽やかな音に変わり低音域が軽くなるという変化があった。TADブースでも経験したが、パワーアンプの物量がそのまま低音の差になることを知ってしまうとサイズ、重さ、価格と音の差に悩まされそうだ。
講演者名を見ずに講演スケジュールを繋げて行ったら三浦先生を追いかける結果となって驚いた。(笑) 2日間で4回も聞くと各社の製品を理解していて上手く紹介していることが良く分かった。試聴曲が重なるのは仕方ないが、自分が携わったステレオサウンド社の音源の広告を忘れないのはさすがだ。それだけではなくCDのバリエーションも多くそれぞれの機材に適した曲を掛けてくれるので飽きることはなかった。
これで講演も最後ということで三浦氏は饒舌でかなりオフレコ的な発言も多く楽しくショウを締め括ってもらえた。
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